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zoom RSS 減ったサービス残業是正告発は行政の怠慢

<<   作成日時 : 2010/10/26 07:38   >>

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厚生労働省が、全国の労働基準監督署で、2009年4月から2010年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払になっているとして労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況を発表している。いわゆるサービス残業是正報告だが、監督指導により支払われた割増賃金の合計額は約116億円とあまりにも少ないのに驚く。概要は以下の通りだが「都道府県労働局や労働基準監督署には、労働者や家族の方などから長時間労働や賃金不払残業に関する相談が多数寄せられています。今回の取りまとめは、これらに対して重点的に監督指導を実施し、是正させた結果です。今回の監督指導の対象となった企業では、是正後、<参考1>で示したような賃金不払残業解消のための取り組みが行われています。」とされているが、氷山のほんの一角だという自覚はないのだろうか。

>・ 是正企業数            1,221企業 (前年度比 332企業の減)
・ 支払われた割増賃金合計額  116億298万円 (同 80億1,053万円の減)
・ 対象労働者数          11万1,889人 (同 6万8,841人の減)
・ 割増賃金の平均額は1企業当たり950万円、労働者1人当たり 10万円
・ 1,000万円以上支払ったのは162企業で全体の13.3%、支払われた割増賃金の合計額は85億1,174万円で全体の73.4%を占める
・ 1企業での最高支払額は「12億4,206万円」(飲食店)、次いで「11億561万円」(銀行・信託業)、「5億3,913万円」(病院)の順


なお、2003年以降、千以上の企業が法違反として是正勧告されているが、上記のように今年は大きく減っていることにも疑問をもつ。これらの是正指導のほとんどは「地方労働局や監督署への申告」に基づくものだが、これ以外にも、個人レベルでは実に多くの賃金請求が、個別紛争として争われ、現に支払われているが、よほどマスコミに大きく取り上げられない限り、本人にのみ支払われ、他の従業員には支払っていない(というか、本人限りを条件に支払っている)。この点が、やはり個別紛争の問題点だと感じてしまう。もっとも、労働組合のある企業でも、サービス残業は日常化しており、連合組合員の三人に一人はサービス残業をしているとの統計さえある。
 
このようなブログに掲載して良いのかわからないが、連合本部が「労働相談ダイヤル2010年9月相談事例」として、以下の「残業代未払いに関する連合組合員からの相談」を発表している。氷山の一角とはいえ、連合として珍しい勇気ある発表であり、もっともっと明らかにすべきであると信じ、紹介する。

>私は、流通業のA社で契約社員として働いています。私の職場では、残業をしても残業代を一切つけることができない状況にあります。表面上は上司に事前申告をし認められる事になっていますが、実際は申告も出来ず、残業をした記録を残せば訂正させられています。出退勤の管理方法は、社員証を機械に通して時刻を打刻して行われていますが、定時になると上司を含め誰もが社員証を機械に通し時刻を打刻をしてから、また仕事に戻ります。自分だけ残業をつける雰囲気にはありません。また、残業時間をつけても後日訂正をするように書類が回ってきます。このような状況のなか残業代を請求することは出来るのでしょうか。残業時間の記録については、訂正前の記録をなんとか一部コピーで残しています。
【相談者への対応1】残業代については、契約社員として働くあなたと会社との契約内容等(変形労働時間制が採用されていないか、貴社における36協定の締結状況等)について確認する必要があり厳密な判断は難しいものの、お聞きしている職場の状況から判断すると請求できます。 さて、残業代を請求出来るかどうかという対応の前に、あなたが働くA社にはA労働組合(以下A労組)があります。A労組はB産業別組織(以下B産別)に加盟しています。B産業別組織は連合に加盟する組織のひとつです。あなたは契約社員として働いているとの事ですが、@もし組合員であればA労働組合に相談し解決する事が一番良い方法です。また組合員でなかったとしてもA労組に相談する事も一つの方法です。A組合員であるか否かに関わらず、あなた自身がA労組に相談する事を躊躇されるようであれば、連合からB産別を通じてA労組に連携をとり、ともに解決する方向で進めることもできます。Aを希望される場合についてはあなたへの守秘義務の視点から、あなたの同意なく連合が対応を進める事は差し控えていますので、あなたの意思をお聞かせください。今回のご相談の内容は、あなた一人の問題ではなく職場全体で解決していかなければならない問題です。その解決に向けた取り組みは労働組合の大きな役割です。ぜひ遠慮なくご相談ください。
【相談者への対応2】相談者からの返信により、相談者はA労組の組合員である事、A労働組合でも実態調査を行い残業代がつけられていない状況は把握している様子である事が報告された。さらに事実確認を正しく把握するため、連合本部担当者と相談者の面談により今後の対応方法を確認。B産別担当者と連携し対応策を考えていくこととした。B産別は即時にA労組へこれまでの経過と状況を報告し、その結果具体的な対応を進めるために相談者と会って話しを進めていきたいとの提案がされた。連合本部より相談者に連絡し、相談者、A労組、B産別、連合本部の4者で会い話し合いを行い、現在A単組とB産別により本件の解決と職場全体の残業に関する課題の改善に向けて取り組みを進めている。


言うまでもなく、労働組合のある企業でさえもこの状況であり、告発もできないなかでサービス残業は常態化している。とりわけ、年俸制や成果報酬賃金の中では時間管理さえされていない実態は凄まじいものがある。行政が、自らの成果を誇らしげに発表する際に、なぜもっと謙虚に実態を明らかにしないのだろう。もっとも、労働組合が自らの法違反の実態をこのように明らかにするケースも稀であった。「尊厳ある労働」(「ディーセントワーク」なる言葉が理解されているとは思えない…)の実現には、まず自らの職場を総点検しなければならない。

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