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zoom RSS ヨーカ堂の従業員パート9割方針にゼンセンは?

<<   作成日時 : 2012/09/11 07:25   >>

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先週末に、「ヨーカ堂が正社員半減へ 従業員はパート9割に」との報道がされた。2015年度をめどに、流通大手セブン&アイ・ホールディングスが、傘下のスーパー、イトーヨーカ堂の従業員を段階的にパート中心に切り替え、正社員を現在の約8600人から半分に減らす方針を固めたという。正式発表ではなくアドバルーン記事だが、おそらくイトーヨーカ堂の労働組合執行部も了解してのことなのだろう。イトーヨーカ堂の労組は、UIゼンセン同盟(UIZ)の流通部会最大手だが、他の労組に比べ自立しきれず、会社の影響力が強いとよく指摘されてきた。他の労組は関連も含めてきちんと組合づくりをするのが、ゼンセン方針だが、セブン・イレブンなど系列にはヨーカ堂系列には労働組合が少ない。それでも、大きいだけで、一応の発言力はあったはずだ。しかし、このようなきちんとした労使協議無しに(おそらく)プレス発表を先行させたとなると、ゼンセン本部は確実に問題視するし、従来は、統制処分さえ課せられてきた。逆にもしもゼンセン本部も了解のもとに、公表されたとなると、事態はさらに深刻だということだ。

報道では「スーパー業界の低価格競争が激化する中、正社員を減らすことで人件費を削減し、経営体質を強化する。パート社員は約6800人増やし、接客を手厚くするなど、サービスや販売力を向上させる。パート比率は、現在より10ポイント以上高い90%に上がる。 正社員の希望退職は実施しない方針。グループ内企業への転籍のほか、採用を抑制することで人員削減につなげる」とされている。各スーパーなどは、これ以上正社員を減らしたら成り立たないところまで、正社員を減らし、外注化等も実施してきた。その結果、表には出しようがない、様々なトラブルや不祥事も頻発している。正社員を減らすことによるデメリットの大きさは、流通業界では深刻なのだが、それでもさらに減らせると考えたことにある意味では驚きがある。

自分の家のそばに、あるスーパーがあり、他のスーパーより客が入っている。ここは、従業員の多くは正社員だそうで、なおかつこの業界では珍しく労働組合がない。それでも従業員は実に生き生きしている。業績が給与にきちんと反映されるとの噂もあるが、定かではない。当然ながら、労働者は賃金に見合う仕事しかしない。正社員が働かなければ、正社員の半分にもならない賃金をもらっているパート従業員が働くはずはないし、責任もとりたくない。正社員がいなければ、比較対象がいなくなり、低賃金でも正社員並みの仕事をするとでも考えたのだろうか。流通の商品管理・販売の仕事はそんなに甘いものではないはずだが…。

このような報道に対する様々なコメントが興味深い。もちろん最も悪名高い城繁行さんなどはブログにいつもの持論を書き込んでいる。ここに記すのもいかがなものかと思うが、こういう考え方もあることは事実だ。
http://jyoshige.livedoor.biz/archives/5903370.html

Joe's Labo 2012年09月09日by jyoshige
 イトーヨーカ堂が非正社員比率を90%に引き上げるという。厚労省の推し進める正社員化の流れをあざ笑うかのような決定だ。見出しだけ見て「労働者の使い捨てだ!けしからん!」と思う人がいるかもしれないが、それは全然違う。というわけで、以下に重要なポイントをまとめておこう。
●正社員削減というより、むしろ非正規雇用のキャリアパス整備
 実は、もともと業界平均で80%が非正規という状況でそれを9割に引き上げることにそれほどの意味はない。むしろ重要なのは、非正規の中に専門職や上位マネジメントへのキャリアパスを整備し、基幹雇用と位置付けていることだろう。専門性の高い職務には職務内容に応じた「現在の2〜3倍の給与」を払うわけだからこれは適正な職務給化への第一歩だ。
 正社員がとれるだけとった後の残りカスを下請けや非正規で分配している業界とどちらが健全かは言うまでもない(個人的に本件をメディアがどう報じるかに興味がある)。「格差是正のために正社員制度を守れ」じゃなくて、格差是正のためには正社員制度を無くすことが必要だということだ。
●非正社員化で雇用数が増えている。
 計画によれば、非正社員化にともない、全体の従業員数は増えている。たまに「終身雇用をやめれば失業者が増えてしまう」なんてとんちんかんなことを言う人がいるが、現実にはむしろ雇用が増えるわけだ。終身雇用という不条理なコストを無くすのだから当然だろう。
 という具合に、労働者にとっても企業にとっても、雇用の流動化はハッピーな結果をもたらしてくれるものだ。厚生年金保険料等の天引きが出来なくなる厚労省としては実に面白くないだろうが、非正規雇用の比率の高い流通系を中心に、これからどんどんこういった流れが広まり最終的に正社員制度は空洞化するはずだ。
 とりあえず、ヨーカ堂の勇気ある決断にエールを送りたい。


やはり、パート化によって、年金の企業負担等も払わなくて済むことが企業の最大メリットだということを城さんも指摘している。とするならば「適正の職務給」などはありえない。問題は、そんなキレイ事ではすまない事態が進行している。いつも危機アジリに使って恐縮だが、またNEVADAブログを紹介したい。9/8よりも、注目は次の9/10の方だ。 

急速に進む正社員削減(NEBADAブログ 2012年09月08日)
 ヨーカ堂は現在の正社員8600人を4000人に削減すると発表し、パート比率を90%に引き上げるとしています。ここで批判を和らげるために、飴と鞭を使い分けているのがさすがヨーカ堂と言えます。
 日経は以下のような報道をしているのです。『生鮮品の加工などで高い技能をもつ人に現在の2〜3倍の給与を支払う。役員クラスや店長などとして登用する仕組みも設ける。』
 これだけ見ればなぜパートを90%にする必要があるのか?となりますが、上記はあくまでも例外であり、大方は給料が大幅に下がります。以下の報道をご覧ください。
 『パートの採用拡大(*この報道では正社員の削減は述べていませんが)により、15年度の総従業員数は45,000人と現在より<2,500人増える>が、総人件費は<7%減>の1330億円になる見通し。
 従業員は増えて総人件費は下がる。1,330億円を45,000人で割れば一人あたりの人件費が出ますが、果たしてこの平均を誰がもらえるでしょうか?
 大方の正社員はパートして転籍となり、スーパーの売り場に配置されることになりますが、、今まで『俺は正社員だ』とパートのおばさんに威張っていた社員が、今度は新米パートして使われることになり、果たしてそのような環境に何人が生き残るでしょうか?


消えゆく正社員(NEVADAブログ 2012.9.10)
 日本興亜損保と損害保険ジャパンは40才以上の総合職スタッフを対象に400人の希望退職者を募集すると発表していますが、同時にING生命は日本事業から撤退し、香港企業に売却すると発表しています。今や生保・損保事業は日本では儲からない事業になってきており、その理由の一つに給与高があります。
 2つの損保では退職金は年収の1年から2.5年分を上乗せ支給して辞めてもらうとなっていますので退職者は働かなくても数年は暮らしていけるでしょうが、その後は地獄が待っています。なぜなら、再就職はまず不可能だからです。
よほどのスキルがあるトップクラスの専門家は別ですが普通の金融マンはまず一般企業では使い物にならないからです。またING生命でも香港企業が母体になれば、解約が殺到するでしょうし、新規契約はまず無理ですから、営業マンはやっていけません。退職金のない、自然な『解雇』という形になります。
 今後、高額所得者への課税が強化されるという報道がより周知されれば日本を去る高所得を得ているエリート金融マンがさらに増え、それにつれ高級賃貸マンションの空きが増え、高級クラブ・高級レストランには閑古鳥がなくことになります。既に六本木ヒルズでは月額100万円を超える賃貸マンションの空き部屋が急増してきています。
 正社員の新規の雇用? まずありません。衰退し続けている日本ではまともな収入を稼げる正社員の職はなくなりつつあり、残った正社員の給与も減少し続けます。正社員の平均年収300万円以下という時代もすぐそこまできています。そして日本が財政破綻を先送りすればするほど状況は悪化します。
 もちろん、財政破綻すれば日本には年収100万円以下の国民が大半になるでしょうが、しかしながらそこから再生への道も見えますが、今のようなダラダラとした衰退では衰退はとまりません。
 大方の日本人が気がつかない間に日本の衰退は加速度がつき、もはや取り返しのつかないポイントにきていると言えます。


そのような状況に陥っているのは日本だけではない、との声も聞こえる。たしかに米国でも、欧州でも、凄まじい事態が進行している。ただ日本と決定的に違うことは、そのような事態になってもコンプライアンスはあり、労働組合の影響力もある、ということだ。ゲンダイネットにこんな記事が報じられていた。
http://gendai.net/articles/view/kenko/138515

>社員にやさしくない会社が生き延びる!? サムスンは朝7時出社、アップルは週90時間労働(2012/09/08)
 2012年3月期、パナソニックは7721億円の赤字、ソニーも4566億円、シャープは3760億円、NECが1102億円と、やっぱり仲良く赤字になった。
 各社とも数千人単位のリストラを発表し、NECの希望退職には想定を上回る2400人 もの応募者が殺到している。
 どの会社も今でこそ青息吐息だが、つい最近まで「社員にやさしい企業」として学生たち垂涎の会社だった。昨年、日経新聞が行った「働きやすい会社」調査でも、ソニーが2年連続1位。パナソニック4位、NEC14位、シャープ25位と軒並み上位。「休暇が取りやすい」「福利厚生が充実している」「残業が少ない」などが主な理由だ。
 「しかし、それもこれも雇用が維持されていればこそ。解雇されたら、産休・育休制度は使えません」(マネジメント&ネットワークオフィス代表の小松田勝氏)
 NECは、残業代や休日勤務手当の減額、財形奨励金の会社補助などの福利厚生の凍結を言い出している。まあ、もっと早く気付いていれば、リストラしなくてもよかっただろう。
 「韓国のサムスンは、全社員を朝7時に出社させます。ユニクロもサムスンの成功をまねて、昨年から始業を朝7時に早めました。そのサムスンと特許で争っている米アップルは、週90時間労働が有名。ジョブズ(故人)が社長に返り咲くまで、社員は定時退社でしたが……」(労働ジャーナリスト)
 日本人は働き過ぎといわれたが、働く場所がないのはもっとつらい。日本の家電メーカー が業績不振なのは、単に技術力不足なだけだろうか。


当初は、この記事に凄まじいばかりの書き込みがされていて、サムスンやアップルはそれでも法律を守ろうとしている。日本の経営者は、一切法律を守らず、死ぬまでこきつかう。労働組合など、何の頼りにもならない旨の、「違い」が強調されていた。ここでも人任せの責任転嫁で、自分で何ら努力しようとしないことをいかがと思うが、日本以外の国では、理不尽な扱いには「反抗」があるし、労働組合もそれなりに機能している。また労働行政や司法も、法律違反に対するチェック機能を有している。日本は死に至らないと動かない。世論が問題にして初めて動く。

もう一本、凄まじいブログがあったが、これは直接アクセスいただきたい。コメントする気にもならない。
http://www.bllackz.com/2012/09/blog-post_8.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
なお、濱口さんも自分と同様にこの問題を指摘・紹介されているが、これも直接読んでいただきたい。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0c56.html

個人的には、UIゼンセン同盟の「反撃」を切に期待したい。流通業界における労組統一たるJSDとの統合によって、チェーンストア協会など、経営側との対応もやりやすくなるし、経営側の一本化も要望している。企業別対応では、労使ともに生き残れないのは確実視されており、産業別対応によって、劣化し続ける政治と官僚機構を乗り越えていかなければならない。ここで、欧州労連の指示文書まで掲げれば締まるのだが、探す作業をネグレクトして終える。日本以外の労働組合・ナショナルセンターは、全世界で必死に闘っているし、ダメな指導部には反抗し、自ら運動をつくりあげている。だからこそ、多くの労働者が、組合に加入しなくても支持をし、ゼネストや大集会も成立する。日本で労働組合が信頼されているのは沖縄だけかもしれない…。

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