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zoom RSS 連帯ユニオンの努力をもっと評価すべき画期的判決

<<   作成日時 : 2016/05/14 07:54   >>

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久しぶりに画期的労働判決が出た。どこまでメディアが取り上げているか判らないが、多くの労働者に朗報であり、はびこる不条理を抜本的に覆したい。「同一労働同一賃金」が話題になっているが、これまで巧妙な資本の論理で虐げられてきた「賃金差別」に大きな鉄槌が下されたことになる。もちろん、未だ地裁段階であり、これまで負け続けてきた同種の訴訟とどう違うのか精査し、高裁段階でも勝訴をめざしたいが、とにかく凄い判決なのだ。東部労組の須田書記長はツイッターで「この判決はすごい!裁判を闘ってきた全日建連帯労組に感謝!同じ労働契約法20条を使って非正規労働者への賃金差別をなくすよう求めている東部労組メトロコマース支部や郵政ユニオンの裁判に与える影響大。すべての有期雇用労働者は立ち上がろう!」と訴えた。また労働弁護団の嶋ア量弁護士は「判決も読みました。こういうのを本当に<画期的>な判決というんだよなあ。凄い」と綴った。

澤路毅彦さんも「 本日午後、東京地裁にて、定年後再雇用者が労働契約法20条違反で争っていた訴訟の判決がありました。原告の地位確認まで認める全面勝訴の判決。20条違反でも事実上、初の勝訴判決です」と綴っているので、朝日の記事で紹介したい。

同じ業務で定年後再雇用、賃金差別は違法 東京地裁判決(朝日新聞 2016年5月13日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ5F4V1RJ5FUTIL02V.html …"
 定年後に再雇用されたトラック運転手の男性3人が、定年前と同じ業務なのに賃金を下げられたのは違法だとして、定年前と同じ賃金を払うよう勤務先の横浜市の運送会社に求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は「業務の内容や責任が同じなのに賃金を下げるのは、労働契約法に反する」と認定。定年前の賃金規定を適用して差額分を支払うよう同社に命じた。
 労働契約法20条は、正社員のような無期雇用で働く人と、再雇用など有期雇用で働く人との間で、不合理な差別をすることを禁じている。弁護団によると、賃金格差について同条違反を認めた判決は例がないという。弁護団は「不合理な格差の是正に大きな影響力を持つ画期的な判決だ」と評価。定年を迎えた社員を別の給与水準で再雇用することは多くの企業が慣行として行っており、今回と同様の仕組みをもつ企業に波紋が広がりそうだ。
 判決によると、3人は同社に21〜34年間、正社員として勤務。2014年に60歳の定年を迎えた後、1年契約の嘱託社員として再雇用された。業務内容は定年前と全く同じだったが、嘱託社員の賃金規定が適用され、年収が約2〜3割下がった。
 判決は「『特段の事情』がない限り、同じ業務内容にもかかわらず賃金格差を設けることは不合理だ」と指摘。この会社については「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」として、特段の事情はなかったと判断した。
 コストを抑制しつつ定年後の雇用確保のために賃下げをすること自体には「合理性はある」と認めつつ、業務は変わらないまま賃金を下げる慣行が社会通念上、広く受け入れられているという証拠はないと指摘。「コスト圧縮の手段とすることは正当化されない」と述べた。
 会社側は「運転手らは賃下げに同意していた」とも主張したが、判決は、同意しないと再雇用されない恐れがある状況だったことから、この点も特段の事情にはあたらないと判断した。
 運送会社は判決について「コメントしない」としている。


素朴な疑問だが、なぜ当事者のコメントが載っていないのだろう。特に、労働組合・連帯ユニオンの成果であると報じていない。労組があり、運動があってこその裁判であり、判決なのに…。企業名を出さないのはまだ理屈はあるが、労組の成果だと評価すべきではないか。レイバーネットはきちんと報じている。

胸のすく画期的判決!〜定年後再雇用の賃金格差は「労働契約法20条」違反(レイバーネット 土屋トカチ 2016.5.13)  *写真=勝利判決に喜ぶ原告たち
http://www.labornetjp.org/news/2016/1463143365867staff01
 5月13日東京地裁で、定年後再雇用された労働者にとって、希望となる画期的な判決が出た。定年後再雇用者の正社員との賃金規定・契約は「労働契約法20条」違反するとして無効。その上で、正社員に適用される賃金規定及び就業規則が適用される地位にあることを確認し、賃金格差の差額の支払を命じた。定年後再雇用の有期契約労働者にも労働契約法が適用されることが確認された初めての判決だ。
 原告は定年後再雇用されたトラック運転手3名で、全日本建設運輸連帯労働組合関東支部(以下、連帯ユニオン)の組合員。彼らは20年〜34年にわたって、長澤運輸株式会社の正社員として働いてきた。定年退職後は嘱託社員として働いてきたが、業務内容はまったく変わっていないにも関わらず、賃金は約3〜4割近く引き下げられていた。連帯ユニオンは団体交渉を通じて是正を求めてきたが、会社は応じなかったかったため、提訴に及んでいた。
 原告の山口修さんは「これで一時金がもらえる(笑)。賃金カットされて、こんな理不尽な目にあうのはコリゴリ。素敵な判決がもらえてほんとうに嬉しかった。勇気をもってたたかえば勝てる。その一例になったと思う」と語った。
 連帯ユニオンの小谷野毅書記長は「定年になったら賃金が下げるのはあたり前だと労働者は思わされている。企業もそのようにふるまっている。運送業界は深刻な人手不足で、60歳を過ぎたら業務を軽減することは考えられない。体よく低賃金で労働者を使える手段として再雇用制度が使われている。今回の判決は胸のすくような明快な判決だ」と語った。


個人的にはナショナルセンターは談話を出して欲しいと思うが、そこでも「連帯ユニオン」にこだわりがでるとしたら、もう絶句するしかない。また辛口の労働法学者や業界関係者の評価も聞いてみたい。濱口さんは、さっそく「評価」をされていたが、とにかく、多くの方のコメントが楽しみだ。

定年後再雇用の賃金差別は違法!?(hamachanブログ・EU労働法政策雑記帳 2016年5月13日)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-c666.html
 これは結構インパクトのある判決でしょう。
 トラックの運転手、ということで、ニヤクコーポレーションと似ていますが、こちらは定年後再雇用のケース。再雇用されたら賃金が下がるのはあまりにも常識化されていて、それゆえに未だに高年齢者雇用継続給付というのがあるわけですが、その常識に疑問を突きつけるような判決と言えましょう。
 ニヤク事件もそうでしたが、トラックの運転手ということで定年後も仕事の中身が全く同じであるというのは日本の企業としてはむしろ特殊事情という面はありますが、それにしても、「定年後再雇用を賃金コスト圧縮の手段とすることは正当とは言えない」というのはインパクトのある判示です。
 実は一昨日、東大公共政策大学院の授業で高齢者雇用を取り上げ、年齢に基づく人事管理を基軸とする日本の企業に年齢差別禁止なんてことが一体どこまで可能なのか、という問題をめぐって受講生の皆さんと結構議論になりましたが、まさにそれを論ずるのに適切な事件と言えましょう。
 ただ、いつもいいますが、新聞報道で判決をあれこれ論じるのは危ないので、あとは判例雑誌に載ってからということにしましょう。


<同一労働同一賃金>がこれからさらに話題になるかもしれないが、労働組合自ら、それぞれの職場と仕事、賃金について、考えなければならない…と思う。しかし、企業別労働組合に固執しているのが諸悪の根源のひとつではあるのだが…。

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長澤運輸定年後賃下げ社会的容認誰が?それで適法? 
昨日から「労働情報」次号の編集が始まり、その最中に飛び込んできた長澤運輸高裁判決敗訴の一報。現役活動家も含むスタッフ4名とも、判決日であることも知らず「ウソだろ」と絶句。今年5月に労契法20条裁判として画期的な勝利判決を得たばかりなのに、あまりに早すぎる高裁判断だった。もちろん詳細は分からず、走行している内に4時前、弁護士ドットコムに<「定年後再雇用」の賃下げめぐる控訴審、従業員が逆転敗訴「賃金差別、納得いかない」>とのニュースがアップされ、以下の判決要旨に再び…沈黙。 ...続きを見る
シジフォス
2016/11/03 06:31

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