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<<   作成日時 : 2017/01/15 06:35   >>

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リタイアした身でも不思議に多忙だが寒さは厳しく、懐はさらに寒い。動かなければ年金だけで過ごせるかもしれないが、そういう訳にはいかず、高齢者の「再活用」に悩む次第。今日は「労働情報」誌の原稿と学習会のレジュメに取りかかるために妄想と「学習」を封印。気に掛かった記事は多々あるが、どうしても残したい記事をとりあえず掲げる。同じ内容の記事を各紙が報じているが、もっと詳しく知りたい。世界の失業者数は初めて2億人の大台を超える可能性があり、ILOは「多くの地域で社会不安のリスクが高まっている」と警告している。また、産経は「ワーキングプア増加」と書いていたが…?  日本老年学会が新年早々、現在は65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に見直すべきと提言したが、65歳以上の多くの者は「失業者」となる…(苦笑)。

世界の失業率悪化へ ILO予想、17年5.8%(日経 2017/1/13 )
 【ジュネーブ】国際労働機関(ILO)は12日、2017年の世界の失業率が5.8%と前年より0.1ポイント悪化するとの予想を発表した。先進国は米国の改善などを受けて低下するが、新興国はブラジル経済の苦戦などが響くとみている。失業者数は初めて2億人の大台を超える可能性があり、ILOは「多くの地域で社会不安のリスクが高まっている」と警告している。
 地域別では西欧が9.1%と同0.2ポイント改善するほか、北米は横ばいの5.1%になる。中国などを含むアジア太平洋も4.2%で変わらない見通しだ。一方、悪化が顕著なのはブラジルを含む中南米で8.4%と同0.3ポイント上昇する。ロシアを含む「中東欧と中・西アジア」も同0.3ポイント上がり9.2%に達すると予想している。
 世界の失業率は金融危機で上昇した後、わずかにだが低下傾向が続いてきた。ただ、人口が増えているため失業者数は一進一退が続き、16年には1億9770万人と09年の水準を上回った。
 また、社会保険の対象にならず解雇されても失業手当を受けられないなど不安定な条件で働いている人は16年に世界の労働者の42.9%を占めた。ライダー事務局長は「不安定な雇用の高止まりと、労働環境の改善が欠ける状態の組み合わせは要注意だ」と指摘した。


今年も新聞労連から表彰された沖タイでは、新年から始まった<連載「働く」を考える>など労働に関する記事も読み応えがある。NETで読める限りを添付し、自分も後でじっくり読みたい。また、一番最後に掲げたパッカー車の記事の続報も知りたい…。早朝6時、指がかじかんでなかなかキーボードを叩けないが、今日も一日が始まる。

平均給与、沖縄最下位が続く理由 垣間見える「格差社会」(沖縄タイムス 連載「働く」を考える 2017年1月11日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79264
 厚生労働省の2015年毎月勤労統計調査によると、5人以上の事業所の平均給与(支給総額)が、沖縄県内は約24万円で全国最下位となっている。全国は約31万円で、約7万円の開きがあり、77%にとどまる。沖縄は10年来最下位が続いており、低賃金社会が固定化している。識者は、沖縄の産業構造上の問題や生産性の低さを要因に挙げる。
■圧倒的に低い製造業比率
 「沖縄の低賃金は、製造業比率が圧倒的に低いところに要因がある。本土で経済成長が終わったころに復帰した問題に加え、製造業に欠かせない水が少なく、電力料金が高い」
 県内外の経済事情に詳しい慶應義塾大大学院特任教授の高橋俊介さんはそう指摘する。製造業比率と所得は相関しており、製造業率が高い都道府県は所得が高い。
 労働問題に詳しい社会保険労務士の吉田務さんは「国の沖縄振興政策の失敗だ。製造業は定着せず、第3次産業に偏在した経済構造になった」と断じる。
 海邦総研地域経済調査部研究員の島田尚徳さんは、生産性の低さを指摘する。沖縄は賃金は低いが、労働時間が全国平均を上回り、長時間労働が常態化。労働生産性は近年、全国との差が拡大している。
 「手間や時間がかかるが儲(もう)けが少ない仕事をしている事業所が多いのではないか。安定した儲けがないから、労働者の給与が安く、身分の不安定さから離職者が増える悪循環に陥っている」
■全国2番目の格差社会
 高橋さんは、生産性の低さはマネジメント力の弱さに原因があるとみる。「県内はオーナー系の中小企業が多いが、成長意欲が低く、一族が潤えばいいという経営者も少なくない」
 沖縄は、所得に占める雇用者報酬の割合「労働分配率」が全国平均を下回り、所得格差を測る指標の「ジニ係数」が全国2番目に高い、格差社会。
 「社員の育成やマネジメントの高度化を考えなければ、企業の成長はない。それをせず、会社は赤字にして、自分は外車に乗っているようでは経営は尻すぼみになり、社員は育たない」と高橋さん。
 昨年、沖縄は、有効求人倍率が復帰後初めて1倍の大台に乗った。島田さんは、企業が簡単に人材を確保できなくなる時代に入ると予測する。「適切な給与など、働きに見合った評価をしなければ人材は流出する。企業には、付加価値の高い商品・サービスの提供とともに、社員に還元する戦略が必要になる」
 吉田さんは労働者側の課題も指摘する。「給与の低さに甘んじて、『ほどほどでいい』といった働き方をしている労働者もいる。沖縄は、負のスパイラルから脱却しなければならない」
<あなたの働き方、教えて下さい>
 沖縄タイムスでは、沖縄で働く人たちが抱えている問題を取材しています。あなたの働き方の現状を教えて下さい。(現在、無職・休職中の方は、直近の職場の状況をお答え下さい)
 アンケートは沖縄県内で働く人が対象。回答に必要なお時間は3〜5分ほどです。ぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

沖縄から貧困がなくならない本当の理由(1)対症療法(沖縄タイムス 2016年6月3日 )
http://terukan.ti-da.net/e9259064.html
■対症療法を超えて
 沖縄の経済問題といえば、本土との経済格差の問題であったのだが、2015年くらいから沖縄タイムス、琉球新報の沖縄2紙が沖縄県内の貧困問題を本格的に取り上げるようになり、県内の格差に目が向けられるようになってきた。
<図表>那覇市では8500世帯(1万1千人)を超える生活保護者に197億円の税金を使っている
 しかしながら、社会問題への対応が検討されると、ほぼ確実に陥るパターンが存在する。それは、問題の根源を特定して治癒するよりも、対症療法が圧倒的に優先されるということだ。沖縄の子どもの貧困問題で、現在までに提案されている「問題解決」は、例えば、教育費用の援助、学習支援員の確保、給食費の無料化、子ども食堂、給付型奨学金、ソーシャルワーカーの充実、母子家庭の生活支援施設の設置や公共住宅への優先入居制度、子どもの居場所作りのための児童館の設置、子ども医療費助成、などであろうか。
 そのすべては重要なものであり、これらの対応が進むことで助けられる人たちが多数存在することは間違いない。その意義は決して軽んじられるべきではない。しかし同時に、これらのいずれもが貧困問題の対症療法にすぎず、貧困という症状を緩和する短期的な効果でしかない。私たちが直視しなければならないのは、例えば給食費や教育費や医療費がすべて無料化されても、あるいは仮に所得が完全に保障されたとしても、それは貧困を緩和するだけであって、決して解決しないという事実である。それどころか、対症療法には副作用が伴うために、長い目で見れば物事を悪化させる可能性が高い。
■対症療法が好まれる理由
 それにも関わらず対症療法が常に重要視されるのは、そのわかりやすさ故であろう。問題がわかりやすく定義されていれば、県民からの賛同も得やすく、「実績」を視覚化しやすいことに加えて、補助金を引き出す手段として有効だからだ。
 もちろん、一人一人は善意で考え、意見し、行動していると思うのだが、行政を動かすのは政治であり、政治家は良くも悪くも票を意識して行動せざるを得ない。補助金が票を獲得する有効な手法であることは誰も否めないだろう。予算が動かなければ行政も動けない。貧困問題の「識者」たちもその意を汲んで、行政活動をバックアップする発言をすれば、必然的に対症療法になる(逆に、そのような発言をしなければ、「識者」として行政の現場には呼ばれにくい)。行政でもボランティアでも教育関係でも、現場で尽力されている多くの方々は、目の前で苦しんでいる人たちに資金を提供できるため、心情的にも強く共感できる。手を差し伸べられる貧困家庭にとってのメリットはいうまでもない。
 すなわち、補助金を投下する対症療法は、(少なくとも短期的には)ほとんどすべての人の利害に叶うのだ。これが貧困問題の隠れた最大の問題である。結果として、これらの対症療法は、貧困世帯の自立を促すどころか、さらなる依存を招いて、長期的には貧困状態をさらに悪化させることになる。人の意識が対症療法に向けられるため、根本原因に対する認識が深まらない。
 本稿は、沖縄の貧困問題の根源的な原因を特定して、対症療法を超える問題解決の道筋を模索するためのものである。
■貧困の解消
 初めに私の結論を述べれば、沖縄の貧困問題を解決するためには、補助金に頼らず所得を上げる必要がある。
 貧困は所得水準(と世帯人数)によって定義され、等価可処分所得が一定の水準(貧困線という)を下回ると貧困世帯に分類される。等価可処分所得とは、世帯の(税金や社会保険料差し引き後の)手取所得を世帯人数の平方根(√)で割った所得である。水光熱費などの生活費用は、家族が多くなるほど割安になる傾向があるため、例えば年収400万円の4人世帯と、年収200万円の2人世帯では、前者の生活水準の方が高いという推定に基づいている。手取年収400万円の4人世帯の等価可処分所得は200万円(400万円÷√4)、手取年収200万円の2人世帯のそれは141万円(200万円÷√2)と算出される。
 例えば、2人の子どもを育てるシングルマザーが、2012年の貧困線(122万円)をクリアする最低手取年収は211万円(122万円×√3)である。税金や社会保険料が総所得の15%だとすると、248万円(211万円÷(1—15%))が貧困をクリアする年間総所得という計算になる*(注1)。つまり、「すべてのシングルマザーの年収が最低248万円を超えるような社会をどのように設計するか」ということが貧困問題解決のイメージであり目標値でなければならないはずだ。
 もちろんこれは定義上の計算であり、これをクリアしたからといって、豊かな人生が保証されるわけではないし、これを下回ったからといって不幸だとは限らない。しかしながら、沖縄の貧困を解消するために一人一人が獲得すべき最小限の可処分所得の水準を明確に認識することはとても重要なことだ。
 「補助金に頼らず」という点も極めて重要である。子供2人を抱えるシングルマザーの手取年収が211万円を超えることで、貧困問題が単純に解決するというのであれば、該当者全員に年収200万円を支給したらどうなるだろう? 実際、那覇市では8500世帯(1万1千人)を超える生活保護者に対して、197億円の税金を使っている(2013年那覇市統計書)。内容は、生活扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助などであり、最近検討されている「貧困対策」のメニューとそう大きな違いはない。世帯あたり実に230万円である。しかしこのことは、那覇市の貧困問題が解消したことにはまったくならない。むしろ逆である。
沖縄が日本で最も深刻な貧困社会である重大な理由のひとつは補助金がありすぎるためだ*(注2)。「これだけ補助金をもらっても貧困が減らない」のではなく、「補助金をもらっているがゆえに貧困が悪化の一途をたどっている」可能性を考える必要がある。
 私たちが本気で貧困問題を解決したいと思うのであれば、もっとも改めなければならないのは、「貧しい人たちにお金を届ければ、この問題が解決する」、という私たちの考え方そのものだ。「お金を必要とする人に届ける」という一見崇高な行為は、それがどれだけ意義深く感じられても、対症療法に過ぎない。困窮している人たちにお金を渡しても、彼らの考え方や生き方が変わらなければ、ひいては彼らの生産性が変わらなければ、砂に水を撒くように税金が費やされるだけである。実際、大半の貧困対策はそのように運用されているように見える。
 シングルマザーや、非正規雇用者や、無業者や、高齢者や、介護を抱える管理職たち一人一人が、いかにしてやる気に溢れ、健康で、楽しく、高い生産性を発揮しながら働くことができるか。いかにしてより多くの所得と、より豊かな生活を両立するか。そのために私たちができることは何か。これらの問いに具体的な答えを出すこと以外に、貧困問題を解決する方法は存在しない。
 貧困問題とは経済問題である。沖縄の経済は、基地と文化と社会に密接に結びついている構造的なものだ。貧困の原因は沖縄社会そのものにあるとも言える。この問題を解決するためには、@高い生産性と豊かな労働環境の実現を妨げている沖縄経済の構造要因を特定して、A構造変化を促すように行動を起こさなければならない。
 沖縄経済の実態は今まで率直に語られてこなかった。基地問題を抱える沖縄では、「沖縄県内に問題が存在する」つまり、「原因は日本政府や本土ばかりではない」)という論調はタブーだったからだ。それによって、貧困の原因特定が遅れ、問題の根源的な治癒よりも対症療法が優先され続けていることが、現在の危機的な状況を招いている要因なのではないだろうか。
*(注1)2012年の貧困線が122万円であるため、家族を抱えながら年収122万円以下の年収であれば、相当生活が困窮しているのだろうと想像したくなるが、これは誤りである。ここでも述べている通り、子ども2人を抱えるシングルマザーのケースでは、年収が248万円を切ると定義上貧困と分類されてしまう。しかしながら、沖縄の生活実感で、年収248万円あれば「人並み以上」という感覚を持つ人は少なくない。もちろん、この所得水準が十分だというわけではまったくないし、「すべてのシングルマザーの年収が最低248万円を超えるような社会をどのように設計するか」という目線は依然として妥当だと思うが、その一方で、貧困線が全国一律に適用されているために、「沖縄の貧困」が過剰に表現されている可能性があるという指摘は有効であろう。
*(注2)沖縄と基地経済に関する論考は、「沖縄から基地がなくならない本当の理由」参照。(樋口 耕太郎 トリニティ株式会社代表取締役社長/沖縄大学人文学部准教授)

「沖縄と年収200万円違う」 季節労働の37歳、子のため出稼ぎ13年 【新連載「働く」を考える】(沖縄タイムス 2017年1月10日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79185
 正月3日。宮城正樹さん(37)は自宅近くの公園で、子どもたちと凧(たこ)揚げをして過ごした。家族水入らずの正月休みは2年ぶり。「パーパー」と甘えてくる子どもたちのために、絡まった凧の糸をほどいてやる。夏に1度会ったきりだった生後8カ月の末娘を抱く手がどこかぎこちない。
 宮城さんは、三重県にある自動車部品の製造工場で期間工、いわゆる「キセツ」として働く。この13年間、沖縄と本土を行ったり来たりする生活を続けている。
 子どもは高校2年生を筆頭に8人いる。最初に県外に働きに出たのは、中1の長男がまだ妻の優子さん(38)のおなかにいるときだった。
 家族と離れて期間工を続けるのはひとえに生活費のためだ。「子どもがかわいい時期にそばに居られないのは寂しいけどね。自分が向こうで働いているから、子どもたちにおやつのある生活をさせられる」
■    ■
 工場の月給は手取りで28万〜33万円。寮の家賃7千円や食費、小遣いを含めた宮城さんの生活費を引いても、22万〜27万円が残り、それが家族の生活費になる。
 給与のほか、ボーナスが年2回、計100万円出るのも大きい。
 「沖縄で働いていたときと収入が1年で200万円以上違う。200万円といったら、沖縄の人の年収でしょ」
■    ■
 宮城さんは沖縄で、内装工として働いていた。日給制で、月収にすると15万〜18万円、ボーナスが盆と正月に3万〜5万円ずつ。現場によって午後9時ごろまで残業することはざらだったが、残業代が出たことはなかった。昇給はなく、3人でこなす現場を1人でやっても給料は変わらなかった。
 社員6人の有限会社だった。受注数は多かったが、売り上げがどのくらいなのか、給与がどう決められているのか分からなかった。会社は本土企業と業務提携してから経営がおかしくなっていった。
 期間工の仕事は日給が上がり、残業代もつく。宮城さんはお金をためるために、できる限り残業している。きつくても、給料明細を見ると疲れが吹き飛ぶ。
 「沖縄では給料が安く、がんばっても上がらなかった。今は働いた分、収入が入る。だから、皆、キセツに行くんじゃないですかね」
◆やっぱり沖縄で働きたい。でも…
 宮城正樹さん(37)が働く三重県の自動車部品工場は、従業員600〜700人のうち半分以上が沖縄から来ている。50代以上の人も少なくない。働く理由は、宮城さんのように家族の生活費のためから、学費や開業資金のためまでさまざま。
 現地の人に「沖縄ってそんなに仕事ないの?」と聞かれる。「仕事はあるけど給料が安いから」と答える。工場で働く同僚も、沖縄での給料は10万円ちょっとだった、という人が多い。いったん沖縄に戻って働いても、仕事が比較的楽で給料の高い期間工に戻ってくる人が多い。
■    ■
 宮城さんの工場での仕事は部品の溶接だ。1日立ちっぱなしで、それに慣れるまでが大変だが、単純作業の繰り返しで、「誰にでもできる仕事」だという。
 内装の仕事は給料は上がらなかったが、技術が身に付いた。「キセツの仕事は何年やっても、ほかのところで使えるようなスキルは身に付かないと思う」
 40歳が目の前。「俺、ずっとキセツやっているのかなと不安になることがある」
 期間工は有期雇用で契約期間の上限は原則3年。最長でも3年でいったん職を失うことになる。
 半年の空白期間を経て応募できるが、競争率は高く、採用されるのは100人のうち50人程度。同僚の中には、8回面接を受けてやっと採用された人もいる。
 宮城さんはこれまで順調に雇用されてきたが、今後、継続雇用される保証はない。
■    ■
 宮城さんはことし4月、半年ごとの契約更新のタイミングに、沖縄に引き揚げることを考えている。
 マイホーム建設のために定職に就きたいからだ。雇用が不安定な期間工では、住宅ローンの借り入れが難しいと聞く。
 妻の優子さん(38)の父のつてで、水道設備会社への就職のあてがある。「また見習いから始めることになるが、資格を取らせてくれるというので」
 不安はお金のことだ。給料は今の半分以下になるかもしれない。
 8日間の正月休みの間、一緒に寝ていた小学2年生の次男が、三重に戻った宮城さんを恋しがって泣いている、と優子さんから聞かされ、胸が痛んだ。
 「やっぱり家族のいる沖縄で仕事がしたい。給料がもう少し高ければ。せめて本土並みに上がってくれれば…」)
■    ■
 沖縄は平均給与が全国の8割に満たない低賃金社会だ。ワーキングプア(働く貧困層)率は全国一高く、社会問題になっている子どもの貧困は親の貧困に他ならない。労働時間は全国平均より長く、社会保険加入率は低い。労働組合の組織率は昨年初めて1割を切った。さまざまなデータから厳しい労働環境が見える。電通社員の過労自殺をきっかけに「働き方」への関心は全国で高まっている。沖縄の労働者はどのような働き方をしているのか。実態を追い、働く環境改善の方策を探る。
あなたの働き方、教えて下さい
 沖縄タイムスでは、沖縄で働く人たちが抱えている問題を取材しています。あなたの働き方の現状を教えて下さい。(現在、無職・休職中の方は、直近の職場の状況をお答え下さい)。アンケート回答に必要なお時間は3〜5分ほどです。ぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

「自分たちの会社、違法だらけさ」 ごみ回収正社員の46歳【新連載「働く」を考える】(沖縄タイムス 1/11)
<写真>回収したごみをパッカー車に積み込む平良弘明さん。限られた時間内に作業を済まさなければならないため、動きに無駄がない
 パッカー車で入り組んだ住宅街の路地を入り、手早くごみ袋を回収していく。頭の中には、限られた時間内に効率的にごみを回収するためのルートがたたき込まれている。
 平良弘明さん(46)はごみ・古紙回収会社で正社員として働いて9年になる。
 会社は一般住宅のほか、米軍住宅や店舗など4千軒以上のごみ回収や段ボール回収を行っている。
 だが、平良さんたちには約3年前まで、社会保険も、有給休暇も、残業代もなかった。
 週6日、1日9時間勤務で、従業員の月給は手取り18万5千円。社会保険がなく、従業員は個人で国民年金や国民健康保険料を払っていた。平良さんは障がいのある姉と母親を扶養しており、生活はぎりぎりだった。
 労働時間は、法定労働時間の週40時間を週14時間、月60時間ほど超えていたが、残業代が支払われたことはない。休みは日曜だけで、法事などで休むと日割りで給料が引かれた。
■ ■
 3年前、ある“事件”が起きた。
 ほとんどの従業員が社会保険未加入であることを日本年金機構から指導され、保険料を2年分さかのぼって支払わなければならなくなったのだ。
 法人格のある会社(株式、有限、合名、合資など)は、社会保険への全従業員の加入が義務付けられている。違反すれば追徴金や罰則・罰金が科される。
 会社の失態だったが、会社側は、これから出る保険料に合わせて、従業員負担分の追徴金を今後2年間、月々の給料から天引きすると告げた。
 月給から約6万円が引かれると残りは12万円余り。「そんな給料では生活できない」と従業員から悲鳴が上がった。
■ ■
 平良さんは事実を確認するため、年金事務所に出向いた。すると、追徴金の支払いは必ずしも労働者が負担しなくてもいいことが分かった。その足で立ち寄った労働基準監督署で、さらに多くのことが分かった。
 労働基準法は1日8時間、週40時間を超えて労働させてはいけないと定めている。この時間を超えて従業員を働かせる場合には、労使で協定を結ばなければ残業自体違法で、残業代を支払わないのも違法だったこと。
 また、有給休暇制度がない会社だと思っていたが、有給休暇は労基法で定められた労働者の権利であり、会社の都合で決まるものではないことなどだ。
 「えー、まじねー、自分たちの会社、違法だらけさ」。戻って事実を伝えると、同僚たちから驚きの声が上がった。


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