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zoom RSS 連合の「労使合意」は「過労死防止法」に違反する

<<   作成日時 : 2017/03/17 06:12   >>

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アベ友学園事件にしても、南スーダン日報問題にしても、次々に巨悪が暴露され、新たな展開となっているが、業界的には気が重い。昨日綴った上限規制100時間問題の院内集会の記事を、ブログeditorで井上さんが詳細にレポートしていたが、労働団体発言はカットされていた。「労働情報」誌の原稿も同様で、本来は最前面に出るべき労働組合の影が極めて薄い。連合本部はその当事者である以上、「労使合意の意義」(?)について労働弁護団や過労死家族の会に説得する義務があり、きちんと登壇すべきではなかったか。いや、その前に「この合意で了解して欲しい」旨、事前打診すべきだった。機関内の承認もされていない中で不可能とは思うが、それだけの重みのある労使合意の内容だったのではないか。

家族の会にとって3年前に成立させた「過労死防止法」は悲願の賜だった。自分たちのような悲劇を絶対に起させてはならないとの強い思いが、国会議員を動かし、全会一致の議員立法として成立させた。ただそこで、過労死基準を超える36協定を経営の求めに応じて結んできた責任を最も負うべき労働組合は何ができたか。もちろん、家族の会の皆さんの声と行動に反省し、この間、それなりの努力はしてきたが、その結果が今回の労使合意であるならば、説明責任は果たされるべきではないのか。

院内集会で寺西さんや中原さんのお話を聞きながら、労働団体の発言との落差に慄然とした。言い訳をせざるをえない気持ちはわかるが、そこに運動が見えないことが苦しい。本来は、今日の「働かせ方改革実現会議」に対する行動だってあって然るべきだろう。連合内で、今回の「合意」に批判する仲間も同様で、自分を含め愚痴っていても仕方が無いはずだ。中原さんの「これからまた家族の会メンバーは労政審の最前列に座って闘わなければなりません。ただ、なぜ遺族が最後の砦にならざるをえないのですか」との言葉に、返しようがない。

とにかく100時間という問題以外にも多くの問題が含まれている「労使合意」であり、今日の会議でどのような結論になるか判らないが、問題点は多いはずだ。朝日の澤路さんは、こうTwitterに綴った。

>澤路毅彦 3月15日
春闘集中回答日の本日、連合はいつものように会見を開きましたが、合わせて、時間外労働規制の労使合意についても会見しました。休日労働の扱いについて確認しましたが、労使合意の文書に書かれている通り、@月45時間、年360時間の原則A特例を含む年間720時間、については休日労働は含まず。B2〜6月平均80時間C単月100時間、には休日労働を含む、ということです。とても複雑になるような。労使協定の管理は休日労働を含むことになる、との指摘あり。確かに、80や100を意識するとそうなるのかな。とはいえ、休日労働の扱いをめぐり、連合が今日配った資料にはやはり疑問。6ヶ月は45時間、6ヶ月は75時間という基本イメージがあったけれど、平均80時間以内であれば、そこに休日労働をオンするのはいいわけですよね?休日労働は45時間にも年720時間にもカウントされないわけだから。


そして労弁の菅弁護士のTwitter<過労死の認定基準を、日常の労働時間の量的規制に用いるのは面倒で実用に耐えないのではないか。労災認定の場合は、「発症日」が特定の日に決まり、そこから遡って直近は、1か月は、2か月平均は、・・・6か月平均はという作業をする。面倒だけど、一回やればいい。でも、これを日常的にやれる?>とリツイートし、またこう書き込んだ。

>その通りのように思う。平均の起算点がどうなるのか、連合会見で質問するのを忘れた。

その他、批判点が満載で今日だって是正されたものが出てくるとは思えない。とにかく、過労死防止法に違反するあらゆる策動に反対しなければならない。連合加盟組織を含め、労働組合はこの問題にきちんと取り組まなければ存在する意味が見いだされなくなるのではないか。とにかく労働組合の文章より明確な森岡孝二さんの提起を添付して終わる。

残業の上限時間設定を過労死ライン容認の茶番に終わらせてはならない(ASU-NET 2017/3/14 )
http://hatarakikata.net/modules/morioka/details.php?bid=342
 3月13日のNHKニュースは、時間外労働(残業)の上限時間について、経団連と連合のトップ会談を受けて、安部首相の胆入りで、「1か月上限100時間未満で決着へ」と報じています。政府が強行しようとしている「高プロ制の創設」や「裁量労働制の拡大」とあわせて考えるなら、これは労働時間法制の前進ではなく、改悪です。しかし、これで決まったわけではありません。高プロ・裁量制の労働基準法関連法案は、2015年4月に国会上程されたまま、審議入りができずにいます。上限時間関連法案が労政審(労働政策審議会)を経て法案になるのはこれからです。今ならまだ押し返せます。それを踏まえて、以下いくつか思うところを述べます。
 第1に、これは底の見え透いた下手な政治的お芝居という意味で、こっけいな茶番劇です。今回の「決着」までに、すでに、「働き方改革実現会議」の「事務局案」として、月45時間、年360時間を限度時間とすることを法律に書き入れ、繁忙期などの特別な場合は上限を、1ヶ月100時間、2ヵ月平均80時間、年720時間とするという骨子案が示されいて、その後の経団連と連合のトップ会談でも、この線にそって大筋の合意ができていました。というより、政府と財界のあいだで財界寄りの土俵が作られていて、その土俵に連合が上がらされて、押し切られたというべきでしょう。
 第2に、残業の上限を「100時間以下」(経団連)とするか「100時間未満」(連合)とするかで「攻防」があり、安倍首相の裁定により「未満」で合意され、軍配は連合に挙がったかのような報道もありますが、その見方は当たりません。残業は1分単位で計算することになっているので、上限を100時間とするか99時間59分*とするかの微調整は、真面目にされたとしても、連合の面目を保つための駆け引きではあっても、攻防といえるものではありません。もし、本当に「未満」にこだわるのなら、45時間、360時間、80時間、720時間という他の上限時間も、すべて「以下」ではなく「未満」とすべきでしょう。
 第3に、どのように繕ってみても、上限とされる月100時間、2ヵ月平均80時間、年720時間は、過労死ラインの残業時間です。今回「決着」した残業の上限時間からは、これまでの限度時間とされた1週15時間は除かれています。1週間がないのですから1日もありません。毎日10時間の残業(18時間労働)を8日続けたら80時間になりますが、そんな働かされ方をされたら、人は脳・心臓疾患か精神障害で死ぬか、倒れるかします。今回の上限時間案は、そういう働かせ方を許容するだけでなく、法律で公認する点で、過労死の防止を困難にする危険をはらんでいます。
 第4に、今回示された上限時間が法律になるなら、残業規制どころか、労働時間法制のいっそうの規制緩和に結果します。週40時間制を定めた1987年の労基法改定では、それまで1日8時間、1週48時間とでされていた規定が、1週40時間、1日8時間に変更されました。40時間制への移行は残業代の支払い基準としては前進でしたが、1日8時間の基準が週労働時間の後に置かれたことは、その後の一連の変形労働時間制の拡大に道をひらく規制緩和でした。今回の改定案では、1週40時間、1日8時間の法定労働時間のうえに、延長の限度時間として月45時間、年360時間の上限を規定し、さらにそのうえに特例を設け、1ヶ月100時間、2ヵ月平均80時間、年720時間まで認めるという制度設計になっています。こういうトリプル・スタンダートの制度になれば、ベースの法定労働時間はますます規制緩和され、フルタイム労働者にとっての8時間労働制の実質化はますます遠のくことになります。
 過重労働の解消と過労死の防止のためには、残業の上限規制が急務です。しかし、政府が導入しようとしている上限時間は規制にはつながりません。今急ぐべきは日本弁護士連合会が提案しているように、1日8時間、1週40時間の労働時間規制の原則を維持したうえで、現行の36協定による延長の限度に関する基準−−週15時間、月45時間、年間360時間−−を労基法に明記し、特別条項による追加的延長に関する例外扱いを廃止することです。


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