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zoom RSS 30年で世界の労組組織率は半減 その結果何が起きたか 

<<   作成日時 : 2017/06/20 06:20   >>

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昨日のOECD東京センターTwitterに、興味深い文章と図表があった。<最新の「雇用アウトルック(#Employment Outlook) 2017」によれば、OECD加盟国では平均で、労働者全体の約17%が労働組合に所属しています。この数字は1985年の30%という数字から大きく減少しています>とのこと。残念ながら1985年の「Trade union membership」のグラフは探せなかったが、あらためて組織率(不思議な用語…)の違いと減少傾向に驚かされる。なお30年でなぜ半減したかはスルーし、とりあえず2017年の組織状況を上から記しておく。グラフを張り付ければ簡単なのだろうが、その技術習得を相変わらず避けている(苦笑)。

アイスラント91.8/スウェーデン67.0/デンマーク66.8/フィンランド64.5/ベルギー55.1/ノルウェー52.1 ここまでがベスト6で、以下は3割台がイタリーとルクセンブルグ。2割5分以上がオーストリア、アイルランド、カナダ、そして他の2割台が英国、イスラエル、ギリシャ、スロベニア。その後に1割台がポルトガル、ニュージーランド、ドイツ、オランダと続き20番目に日本が17.4%で出てくる。その下にOECDが17.1と書いてあり、これに関しては珍しくOECD平均より上回った。

英語力の無さで断念したがこの「OECD雇用アウトルック2017」は面白い。Twitterに記載されている限りでも、日本はボロボロの結果になっている。さらには日本語版要約にも団体交渉について言及しているが、とにかく「日本の常識」とは異なっている。労働組合の実態もとらえ方も大きく異なっている故致し方ないが、それでも6/7の沖タイが「沖縄の労組組織率、9.8%と過去最低更新 全国より低い要因は」との見出しで<雇用環境改善の原動力となる労働組合の組織率が、沖縄県内で低下している。県が算出した推定組織率は2015年に9.9%と初めて1割を切った。16年はさらに下がり、9.8%で過去最低を更新。全国の17.3%とも大きく開いた。労組関係者は要因に、県内の非正規労働者の多さや企業規模の小ささを挙げる。>と書かれると悩む。

とにかく、労働組合という存在に注視し、きちんと取り上げてくれるメディアはほとんどない。世界のメディアは、事件が起きれば常にそこに働く者に視点をあて、労働組合にも取材する。しかし、日本では労組のコメントは滅多に無い。もっとも、コメントを求められても困るのは労組の側だろうが…。なお加計学院に労組があることを初めて知ったので、最後に添付しておく。先日の琉球新報はこんな記事を掲げた。あえてコメントせずに掲げる。

星野リゾート代表「今こそ沖縄は賃上げの時だ」 開業予定の読谷で講演(琉球新報 2017/6/18)>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170618-00000011-ryu-oki
 2019年に読谷村内でホテル開業を予定している星野リゾート(長野県)の星野佳路代表を講師に招いた講演会と討論会(読谷村観光協会主催)が15日、読谷村文化センターで開かれた。星野氏は地域ブランド確立と従業員の満足度向上が、持続的な観光発展につながると強調した。
 講演で星野氏は観光客を呼び込み続けていくためには、県内各地でそれぞれの強みや良さを見つけ、ブランドとして磨くことが大事だと指摘した。沖縄観光の課題である夏季と閑散期の差を埋めるため「地域のブランドを強くする」ことも上げた。
 討論会では下地芳郎琉球大学観光産業科学部教授、東良和沖縄ツーリスト会長、ホテル日航アリビラの硲啓員総支配人、沖縄残波ロイヤルホテルの伊藤佳典総支配人が登壇した。
 星野氏はグループ内で「30歳までに年収500万円」を掲げ、社員の給与安定を人材と質の確保につなげていると紹介した。
 硲氏は「人材の引き抜きもあり、繁忙期も他グループから応援の受け入れに奔走している。インバウンド(外国人訪日客)対応など人手確保は課題だ」と訴えた。
 東氏も日本、台湾、韓国のホテル宿泊料が割安だと指摘し「社員給与とサービス確保のためにも、相応の料金にすべきだ」と述べた。
 星野氏は「好調な今こそ沖縄は賃金の上げ時だ」と強調した。


先日の日テレ「笑点」ではないが、労働組合があっての賃上げだがその視点は強調されない。労働組合が機能しなくなった「責任」を痛感し、濱口桂一郎さんが「労働情報」誌を紹介されていることに感謝し、添付し終わる。このやり取りは確かに興味深く、まだ続く…(苦笑)。

公正な1日の労働に対して公正な1日の賃金を(hamachanブログ・EU労働法政策雑記帳 2017.6.18)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-cd11.html
 労働組合の保守本流のこの思想を、古くさいと言って斬って捨てたのが周知の通りエンゲルスでした。
公正な1日の労働に対して公正な1日の賃金を!という保守的な標語の代わりに、その旗に賃金制度の廃止!という革命的な合いことばを書き記す
 労働運動がその活動の前提とする市場経済をそもそも否定するイデオロギーに立脚するのであれば、そのような言説になるのはある意味で当然でしょう。
 しかし、あくまで市場経済の中で労働者の地位の向上を目指す労働組合にとっては、「公正な賃金」とは何よりも目指すべき目標でありました。というようなことは、労使関係論の教科書の最初の方に必ず出てきますね。
 さて、先日のエントリに金子さんのリプライがありました。はじめから順番に並べると、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-9189.html (年功給か職務給か?@『労働情報』にコメント)
http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-469.html (賃金水準を下げている「職務」概念について)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-fa0b.html (金子さんは誰を批判しているのだろうか?)
http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-471.html (濱口先生の批判にお答えして)
 わたしは、もちろん一方では現下の課題に対する戦術論にも関心はあります。しかし、賃金制度を論じる時にはやはり一歩も二歩も後ろに下がって、しっかりと歴史を踏みしめ、そもそも論のそのまたそもそもをきちんと踏まえた上で議論をするべきだと思っています。本来アカデミズムにいて役割が逆でなければならないはずなのに、金子さんの妙に今日的表層政治的関心ばかりが先にたったいささか前のめりな姿勢には、正直どうなのか?という思いが禁じ得ません。
 前回私が「公正賃金」という言葉を出したのは、アリストテレス的な「交換の正義」という言葉では誤解を招いてしまうかも知れないと考えたから、あえて労使関係研究者にとってなじみのある言葉にしたのです。
繰り返しますが、200年前に産業革命の中から生まれてきた労働組合とは、ただ賃金が高ければ良いという存在ではありません。彼らなりの正しい賃金秩序−公正な格差の秩序を追い求める存在なのです。
 それを古くさいと否定したエンゲルスにとっては、そもそも賃金制度自体が許すべからざる悪であり、公正とか不公正ということ自体がナンセンスだったのでしょう。それはそれでそういう理屈になるということはわかります。
しかし、戦後日本の労働組合は、その一見急進的めいた言辞にかかわらず、別段共産主義社会の実現に命をかけていたわけでもなく、賃労働の廃絶を目指して日々活動していたわけでもないでしょう。
 その彼らが、自分の足下からの批判を抑えつつ、経営側の同一労働同一賃金を掲げた職務給攻勢に対抗しようとする時、前回引用したように、
総評は口先では「同一労働同一賃金の立場から格差をなくす闘いをいっそう強める」などといいながら、「職務給は・・・特に中高年齢層の賃金を引き下げ、労働組合を弱めるものであるから断固反対」という立場にたち、「職務給は年功序列に代わる必然的な賃金体系という宣伝で、青年労働者の低賃金や職種間の利害関係につけ込んでその拡大をねらっているのだから、職務給の理論的、実際的な分析を行い、反対して闘う」と述べていました。 しかし、理論的反駁はどこにもなく、要は都合が悪いから反対しているだけだったようです。
 という、わざと本質論を論じないで、目先の損得論戦術論だけでごまかそうとするしかなかったわけです。
 なぜそういうことになるかと言えば、日本の労働組合は海軍軍人と国家社会主義官僚の構築した生活給以外に自分たちの「公正賃金」のロジックをついに持ちえなかったから、としか言いようがありません。
 その後、小池和男氏が(事実に反する)論証で総評の(へ)理屈を支えてくれたのですが、この点についてはここでは省略しておきます(関心がある人は下記リンク先を参照。世の小池ファンの殆ど全ては完全に勘違いをしています)。
http://hamachan.on.coocan.jp/webrousei170116.html
http://hamachan.on.coocan.jp/webrousei170130.html
 自分自身の「公正賃金」のロジックを持てない労働組合にとって、職務給は同一労働同一賃金を実現するものだという宣伝によって労働者を巻き込もうとする。しかし、それは格差をちじめるだけで労働者の要求とはまったく違う」「われわれが要求しているのは、たんに、年功なり、男女なりの賃金格差が縮小すればよいということではなく、年配者、男子の賃金を引き上げながら、青年なり婦人なり、臨時工なりの賃金を一層大きく引き上げて短縮する。言い換えれば、同一労働同一賃金は賃金引き上げの原則であって、たんなる配分の原則ではない(総評1962年度運動方針)
と、賃金引き上げ「だけ」を論じ、賃金のそもそもの決め方などは論じないというのが、唯一可能な細道だったのでしょう。
 そして、半世紀前は結局それで済んでしまい、以来半世紀にわたって、「公正な賃金」の原理を持たないまま賃金引き上げ要求をし、やがてそれもしないようになるという時を経て、いま半世紀ぶりに再び、労働組合は「お前たちにとって『公正な賃金』とは何か?」という問いを再度突きつけられてきているのではないかということです。
 そのときに、これまた再び、かつての総評と、まったく同じような反応をしていて良いのか?と問うことこそが、すくなくとも賃金の歴史を知っている者の務めではなかろうかと、私は前回申し上げたつもりなのです。
 金子さんのいう「現在では職能資格給が職務と限定なしの能力の伸長を促進する制度としてではなく、まったく逆に、職務が変わらないならば賃金は上げないという賃下げの道具として利用されるようになってきた」ということについては、私は事実認識としてもかなり疑問を持っていますし、そもそも職能資格制度を大本で維持しながらそれと矛盾しうる成果主義を導入したことによる矛盾があちこちに噴出しているという点こそ過去20年間の最大の問題点だと考えていますが、ここではそういうことを細かく論じるつもりもありません(必要があれば改めて論じますが)。
 そもそもいまの賃金のあり方が公正ではないのではないか、と疑問を突きつけられている時に、いやこれこそが我々の考える「公正賃金」だ、と堂々と提示するのではなく、いやあそれじゃ下がるから云々ということしか言えないのでは、実はそもそもの段階で位負けしている、という話なのです。半世紀前の総評と同じロジックでは情けないよ、と。
 いわんや公正さに疑問を呈する者に対して「利敵行為だ!」と怒鳴って黙らせれば済むというわけにはいかないでしょう。少なくとも今度は。
 そして、そうはいっても実務家は現実の中で格闘しながらやらなければならないので、そう単純に批判して済むわけではないのに対し、そうではない研究者こそ、そこをきちんと論じ挙げなければならないのではないか、と、これはむしろ金子さんに刃を向けるつもりで申し上げたのです。
繰り返しますが、わたしは長く実務家の方に身を置いてきましたし、現実の重みはわかっています。いま現在の戦 略論、戦術論をやれと言われれば、喜んでやる用意もあります。
しかし、ここではあえてそうではないこと−労働組合にとって「公正賃金」とは何か、というそもそも論のそのまたそもそものところを論じているのです。
(参考)
ちなみに、最近半世紀ぶりに逮捕されたとかで話題の中核派の機関誌「前進」に、こんな記事が載っていました。
http://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2016/09/f27770302.html (年功賃金を解体する「同一労働同一賃金」)
これもまことに「古くさい」議論ですね。

加計新学部、学内にも疑問の声(朝日新聞 2017年6月19日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12994409.html
 「総理のご意向」をめぐる文書疑惑に揺れる、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画。多くの謎を残したまま国会は閉じたが、学園内にも「経営は成り立つのか」「トップダウンだ」と不安や批判の声が上がる。
 ■「トップダウン」
 「ご心配をかけています。この問題は、昨日今日取り組んだわけでなく、十何年考えていた話です」
 加計学園が4月に岡山で開いた花見会。加計孝太郎理事長(65)は地元県議らを前に、愛媛県今治市に開設を計画している岡山理科大学の獣医学部問題に触れ、こう説明したという。
 特に理工系の教育に定評がある理科大。獣医学部にも「少ない費用負担で人気学部になるなら大成功」(元教授)との声はある。
 大学内の意思決定機関である協議会では2013年、「従来、理科大は学内で企画するボトムアップ型。獣医学部は理事長からの発案型だ」などの議論があった。ある元教授は「孝太郎氏の代からトップダウンが多くなった」と話す。
 ■130人「新設反対」
 学園は08年、教授の定年を引き下げ、高齢者の給与と賞与を減額した。理科大教授ら20人余りが11年、地位確認などを求めて提訴。後に和解したが、「千葉科学大は定員割れが続き、岡山県倉敷市に開設した専門学校は募集を停止した。失敗を省みず、獣医学部設置の申請を繰り返すのは許しがたい」と裁判で訴えた。今も疑念は高まる一方だ。
 教職員の労働組合は14年春、獣医学部の賛否を問うアンケートを学園の全教職員約1100人に実施。回答は171人どまりだが、「反対」「どちらかというと反対」が計130人、「慎重に進めて」が35人、「賛成」は4人だった。
 ■首相と交流40年
 丘陵地にある学園本部は、孝太郎氏の父の故・勉(つとむ)氏が築いた。戦中は数学教師。原爆投下後の郷里・広島の惨状を見て教育による復興を決意したという。1955年、大学予備校広島英数学館を開き、64年に岡山理科大を新設。倉敷芸術科学大や専門学校も開設した。
 長男の孝太郎氏は2001年に第2代理事長に就いた。04年には千葉科学大を新設。関係者は、孝太郎氏が「教育よりも大学経営に興味がある」と話すのを聞いたことがあるという。父が、後にノーベル化学賞に輝く鈴木章氏を岡山理科大に招くなど、教育面で先見性があった点を意識したと推測する。
 安倍晋三首相とは米国留学中に知り合い、交流は40年近い。安倍氏は10年、倉敷市に開設した複合スポーツ施設で孝太郎氏と並んでテープカット。14年には、千葉科学大の開学10周年の式典に出た。同年開園の御影(みかげ)インターナショナルこども園(神戸市)の名誉園長には妻の昭恵氏が就いた。
 朝日新聞は加計学園に書面で取材を申し込んだが、「取材に対する対応は控える」と回答があった。


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