シジフォス

アクセスカウンタ

zoom RSS まったく注目されない労政審「時間外労働上限規制」建議

<<   作成日時 : 2017/06/07 06:19   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

国会内外でこの国の未来と民主主義をかけた激闘が続く中、労政審の「時間外労働の上限規制等について」に関する建議が出されたが、ほとんど注目されない。それなりに努力はされたのだろうが、法的拘束力のない「努力義務」ばかりが目立ち、濱口桂一郎さんも「中身の大部分は既に働き方改革実行計画で決まっていて、それをなぞるほかはやや細かいことを付け加えている程度ではあります」とブログに書かれているとおり、<働き方改革実現会議からスピンアウトした労使二者交渉で決めた「労使合意」なので、いずれの側も今さらちゃぶ台をひっくり返すことはできない立場にある>(濱口さん)ことになっている。

いまさら自分が疑問を投げかけることに悩むが「労使合意」の「労」とは何なのか、問われている。「労使合意」された36協定によって労基法違反の長時間労働が容認され、過労死が蔓延してきた。連合選出委員だけで構成される労政審の労働者委員が「労」を代表できるのだろうか。連合は、他のナショナルセンターや連合以外の労働者の意見に十分耳を傾けたか…。アベ政権が国会で行っている独善的対応に近い姿勢を、何らの反省も無くとり続けているのではないか…。

昨日の建議を(批判的に!)報じているのが「赤旗」だけであることに…悩む。

>実行計画を追認し、時間外労働の上限は休日労働を含め1月100時間未満、2〜6カ月平均で80時間、年間960時間(うち時間外は年間720時間)とし、過労死ラインの残業を容認しました。
 長時間労働が深刻な自動車運転業務、建設業、医師については、法施行後5年間も上限規制を適用せず、その後も自動車運転業務は時間外労働だけで年間960時間まで認めるなど他の業種より長い上限にとどめます。
 研究開発業務については、月100時間を超えた場合に医師の面接指導を義務付けただけで、現在に引き続き適用除外としました。長時間労働が問題の公務員や教員については議論しませんでした。
 勤務終了から次の勤務まで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」は「努力義務」にとどめ、確保すべき時間数も示しませんでした。
 実行計画は、「残業代ゼロ」制度(高度プロフェッショナル制度)創設や、いくら働いても一定賃金しか払われない「企画業務型裁量労働」を拡大する労基法改悪案の早期成立を図るとしていますが、長時間労働の是正に逆行するにもかかわらず建議では、いっさい言及しませんでした。(赤旗 6/6)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-06-06/2017060605_01_1.html

濱口さんのブログを含め添付にとどめる。都労委で多くの事件をともに解決してきた労政審・荒木尚志部会長の顔が思い浮かび悩む。流れに歯止めをかけるのは労働組合の側なのだ。

>労政審の時間外労働上限規制の建議(hamachanブログ・EU労働法政策雑記帳 2017.6.6)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-d815.html

>労働政策審議会・時間外労働上限規制の建議
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000167164.pdf

>時間外労働の上限規制等、労働時間法制の改正についての意見 (雇用共同アクション=日本マスコミ文化情報労組会議 全国港湾労働組合連合会 航空労組連絡会 純中立労働組合懇談会 全国労働組合総連合 全国労働組合連絡協議会 中小労組政策ネットワーク コミュニティ・ユニオン首都圏ネットワーク 東京争議団共闘会議 けんり総行動実行委員会 反貧困ネットワーク )
http://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2017/170602_01.pdf

>「働き方改革実行計画」を踏まえた労働条件分科会報告および安全衛生分科会報告に対する連合事務局長談話
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=898

今朝は、本田由紀さんがTwitterで<政府が労働者の福祉を犠牲にして、企業と経済の利益を優先していると批判する声もある。30年前から過労死問題を研究してきた関西大学の森岡孝二名誉教授は、「日本人は政府を頼りにしているが、裏切られている」と話す。」と紹介したBBCのニュースを読んで終わる。国際的にも批判され続けている事への回答が今回の「建議」なのか…。とにかく文中に批判者として登場しているのは労働組合ではなく「活動家たち」なのだ。なお、いつまで読めるか判らないが、写真が多用されている原本が読みやすい(英文も添付されているので、比較すると勉強にもなる)。もはやNETで記事を読むのが当たり前になっている。

死ぬまで働く日本の若者 「karoshi」の問題(エドウィン・レーン、BBCワールドサービス経済記者 2017.6.6)
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-40169009
◆西垣迪世さんの一人息子は働き過ぎで亡くなった
 日本人の労働時間の長さは世界でもトップクラスだ。若者たちの中には、文字通り死ぬまで働く者もいる。そこで政府に対し、対策の強化を求める声が上がっている。
 西垣迪世(みちよ)さんは、一人息子の和哉さんが新卒で日本の大手通信企業に就職したことを誇らしく思っていた。和哉さんはコンピューターが大好きだった。競争の激しい日本の新卒採用市場で、素晴らしい就職先をつかんだように思われた。
 だが調子がおかしくなり始めたのは、わずか2年後のことだった。
 「息子は私には忙しいと言いながらも、大丈夫だと話していた」と迪世さんは振り返る。「でも私の父の葬儀があって帰省した時、ベッドから出られなくなってしまった。しばらく眠らせてくれ、起きられないんだ、と言うのです。母さんごめん、眠らせて、と」
 西垣さんは後になって息子の同僚たちから、和哉さんが当時、昼夜休みなく働いていたことを知らされた。
「いつも終電まで仕事をして、終電を逃すとデスクで眠る。一番ひどい時には徹夜で翌日の夜10時まで、計37時間もぶっ通しで働かされていました」
 それからさらに2年後、和哉さんは薬の飲み過ぎで亡くなった。27歳だった。日本で働きすぎによる死を意味する「karoshi」、過労死だと正式に認定された(訳注・英語の原文も「karoshi」と表記)。
 日本には長時間労働の文化がある。これは1960年代から言われていたことで、新しい現象ではない。だが近年、人目を引くケースが相次いだことにより、過労死問題は再び注目されるようになった。
◆ひと月当たりの労働時間
 2015年のクリスマス、広告会社の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24)が飛び降り自殺した。亡くなる前には残業が月100時間を超え、ろくに眠っていなかったことが分かった。
 電通の石井直(ただし)社長は高橋まつりさんの過労自殺で同社と当時の上司が書類送検されたのを受け、引責辞任した
 若者から労働問題の電話相談を受け付けている非営利組織(NPO)、「POSSE(ポッセ)」の岩橋誠さんによれば、このような話は特に企業の新入社員にとって、珍しいことではない。POSSEに寄せられる電話の大半は長時間労働の悩みだという。
「やりきれないのは、若者たちがほかに選択肢はないと感じていること」だと、岩瀬さんは指摘する。「そのまま辞めなかったら100時間残業を強いられる。一方で辞めれば生活できなくなってしまう」。
 近年は雇用の安定が崩れてきたため、状況は一段と厳しくなっていると岩橋さんは語る。
「過労死は1960年代、70年代にも起きていたが、大きな違いがある。当時は長時間労働を強いられても終身雇用が保証されていたが、今はそういうわけにいかない」
◆残業文化
 公式なデータによると、年間の過労死は数百件とされる。なかには心臓発作、脳卒中、自殺が含まれる。しかし活動家らは、実際にはそれよりはるかに多いと主張する。
 最近の調査は、日本では残業が月80時間を超える従業員のいる企業が全体の4分の1近くを占めると指摘する。残業代が支給されないことも多い。また12%の企業には、月100時間以上残業する従業員がいる。
 これは重要な数字だ。月80時間の残業は、死亡率が上がる境目のラインとされているからだ。
 日本では月の残業時間が80時間超の従業員のいる企業が全体の4分の1近くを占めるという
 日本政府に行動を求める圧力は強まっている。だが同僚や上司より先に帰ればいやな顔をされるという、数十年来の労働文化を打ち破るのは容易なことではない。
 政府は今年、毎月最終金曜日には従業員を午後3時に帰すよう企業に促す「プレミアム・フライデー」を導入した。また労働者に向けて、もっと休暇を取るよう呼び掛けている。
 法定の有給休暇は年に20日間だが、休暇をほとんど取らない労働者は現在、全体の約35%を占める。
◆一斉消灯
 東京都の豊島区役所は今年1月から、職員が帰宅せざるを得ないように、午後7時に庁舎内を一斉消灯するという手段に打って出た。
 担当する上野仁・政策経営部行政経営課長は、目に見える対策をとりたかったと話す。勤務時間の短縮だけでなく、だれもが余暇を守り楽しむことができるよう効率や生産性を上げてもらうのが狙いだと課長は言い、労働環境全体を変えたいという考えを示した。
 効率に着目したこの発言は、的を射ているかもしれない。日本は労働時間の長さは世界でトップクラスでも、労働生産性は主要先進7カ国中で最下位だ。
 だがこうした対策は断片的で、問題の核心に取り組んでいないと、活動家たちは言う。若者たちは度を越した激務や長時間労働のせいで命を落としているのだと。
 活動家たちによると、解決策はただひとつ。従業員が残業できる時間に法的上限を設けることだ。
 政府は今年、残業時間を月平均60時間までに制限する法改正を提案した。ただし企業の「繁忙期」には月に100時間までの残業が認められる。これは過労死の警戒ラインを大きく超えることになる。
 日本は労働時間の長さは世界でトップクラスでも、労働生産性は主要先進7カ国中で最下位だ
◆もっと対策が必要
 政府が労働者の福祉を犠牲にして、企業と経済の利益を優先していると批判する声もある。
 30年前から過労死問題を研究してきた関西大学の森岡孝二名誉教授は、「日本人は政府を頼りにしているが、裏切られている」と話す。
 その間にも若い労働者の過労死は続き、遺族支援団体のメンバーが増え続ける。
 息子を亡くした西垣迪世さんは、日本は大切にするべき労働者を逆に殺してしまっていると言う。
「企業は目先の利益ばかりに注目する。息子もほかの若者たちも、仕事が嫌いなわけではない。能力もあり、業績を上げたいという意欲もある」
 「長時間労働や健康上の問題なしで働くチャンスを与えるべきです」と西垣さんは言う。そうすれば日本はきっと、働く若者たちの恩恵を受けるはずだと。



月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
まったく注目されない労政審「時間外労働上限規制」建議 シジフォス/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる