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zoom RSS 「怨念」を超え、「分断」から「統一」へ

<<   作成日時 : 2018/01/12 06:37   >>

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今日は全労連と全労協の旗開き同日開催だが、全労連には全労協の中岡事務局長が例年通り出席し挨拶するという。良かったが、それなら全労協の側でもきちんと全労連に冒頭来賓挨拶してもらうべきだ…と思う。現役を離れて久しいが、来賓挨拶は悩みの種になる(参加者にはどうでもいいが)。来賓挨拶がどのような組織代表かで、その組織の「色」が明白になるからだ。今回、連合は賀詞交で政党挨拶を初めて行わなかったが、連合東京は民進党都連の都議(組織内議員)にさせた。なお、いずれも鏡開きには参加政党全代表に登壇させたのだろう。かつて地区労オルグ時代、共産党系色の強い組合の大会等に参加すると議員は共産党だけで「各政党にも参加を要請しましたが」と主催者が付け加えたことに呆れたことがある。当時の社会党区議団に問い合わせたら、要請があれば当然行くし、そんな連絡は来ていないとのことだった。今、全労連も全労協も連合に旗開きへの来賓参加要請を出しているのだろうか。労働時間法制全面改悪がされようとしている重要な時期にエールの交換ぐらいは行うべきではないか…と思うが、最もダメなのは連合の頑なな「排除」姿勢であることは間違いない。

こんなコラムが日刊スポーツに載っていたという。

連合と希望に野党統一問題語る資格なし/政界地獄耳(日刊スポーツ 2018.1.8)
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201801080000182.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp
 ★「『右へ右へ』を打ち出した希望の党代表・玉木雄一郎が、民進系3党の統一会派問題で『できるだけ力を合わせていくことが不可欠だ』、『みんな仲間だった』、『一緒にやってきた』というような発言を聞くと本当に腹立たしい」とは、ある民進党地方議員だ。「決まったことは守る」などというものの、民進党の安保政策を否定して希望の党を作り、改革保守を宣言したのなら、仲間とか、一緒にやってきたなどというべきではないのでは。昨年の衆院選での混乱を蒸し返すような発言はやめてもらいたい、という気持ちだろう。
 ★同様に連合会長・神津里季生が「昨年は『はからずも』ということも含めて、私もいろいろな場面に遭遇した。やはり心ならずも、民進党が分裂した中で今、活動している方がいる。もやもや感が漂い、ちょっと怨念みたいなものもまだ残っているのではないか」と会見で発言したが、ここにも反発が強い。「そこに加担したのが、何より神津ではないか。連合内の右派系民間労組と、左派の官公労との長年の対立を民進党分裂に利用したのは、神津そのもの。怨念は、民進系3党の連合に向けたものが一番大きいのではないか」(立憲民主党関係者)。
 ★連合は今でも民進系3党の接着剤を買って出ているようだが、神津が会見で言うように、希望の党結党時に「合流はいいが、新しい政党が連合と政策協定を結べるのか」と、民進党前代表・前原誠司も希望の党前代表・小池百合子も、「なしのつぶて」だったという。連合も被害者だと思っているようだが、そんな理屈は通用しないだろう。民進党系3党統一会派問題は民進、希望がまとまることでなお崩壊が加速するだろう。連合と希望は、発言の資格すらないのでは。

そして政府や財界、連合は五輪に執着するのであれば平昌にもきちんと向き合い、成功にむけて努力すべきではないか、と思う。五輪自体には一切興味がないが、朝鮮民主主義人民共和国の平昌冬季五輪、パラリンピック大会参加は実に喜ばしい。あのトランプ政権でさえも、「世界にとっての成功になるよう期待する。今後数週間、数カ月に何が起きるか注視する」と述べ、南北関係の進展を見守る考えを示した(時事)という。しかし、2020年開催国である日本は<菅官房長官は北の五輪参加意向の報道を受けても「日米韓が連携しながら、北朝鮮に政策を変えさせるためにあらゆる手段を講じて圧力をかけていきたい」と言い、政権、与党からは「五輪参加は核・ミサイル開発のための時間稼ぎ」「おそらく北は何らかの条件を隠している」とケチョンケチョン>(日刊ゲンダイ)だ。<森友、加計問題で野党の追及をノラリクラリと「時間稼ぎ」で逃げまくっていた政府、与党がよくぞ言えたものだが、安倍政権にとっては南北交渉がうまくいけば、北の脅威を煽って憲法改正につなげる手法が使えなくなるから必死なのだろう>(同)。

とにかくメディアも性奴隷問題を含め異常に冷ややかだ。個人的にまだ作業が多く、今日は以下の三本を学習素材として頭に刻んで終わる。二本目の対談の最後で藤田孝典さんが「活動家としての矜持を持ってもらいたいということです。労働組合の役員として社会を良くしていこうという気持ちを持ち続けてください。かつての日本社会にはそういう人たちがもっといたと思います。団体交渉やストライキ権など憲法で保障された権利が使われず、さび付いています。ストライキ権ももっと行使されるべきだと思います。日本社会全体が縮小過程に入っている中で、変革者が求められているのは確かです。その変革者が分断を促す側ではなく、こちら側に現れる必要があります」と言っているが、その通りだ。

板門店で北南高位級会談、共同報道文採択 「平昌五輪成功のため積極的に協力」(朝鮮新報 2018.1.10)
chosonsinbo.com/jp/2018/01/10suk-17/
【板門店発】9日、板門店の南側施設「平和の家」で北南高位級会談が行われた。会談で双方は南で開催される第23回冬季オリンピックおよびパラリンピック競技大会の成功裏の開催のため積極的に協力することで合意した。
 北南当局会談が行われるのは、2015年12月以降、約2年ぶりで、南朝鮮でキャンドル革命により保守政権が失墜し、執権勢力が替わった後、初めて。
 今回の高位級会談は、金正恩委員長が2018年の新年の辞で冬季オリンピック参加と北南関係改善に対する自身の立場を明らかにしたことを契機とし、実現された。会談には朝鮮民主主義人民共和国祖国平和統一委員会(祖平統)の李善権委員長を団長とする北側代表団と趙明均統一部長官を首席代表とする南側代表団が参加した。
 共同報道文によれば、北側は南朝鮮・平昌で開催される冬季オリンピック競技大会に高位級代表団と共に、民族オリンピック委員会代表団、選手団、応援団、芸術団、テコンドー師範団、記者団を派遣することにした。
 また双方は今後、軍事当局会談と北南関係改善のための高位級会談、各分野の会談を開催することにした。
板門店で会見した北と南の当局者たちは、内外の高い関心の中で行われた会談に真しな立場と誠実な姿勢で臨んだ。
 とりわけ双方は、「民心に符合する当局会談」という見解と意向を明らかにした。北側団長である祖平統・李善権委員長は、北南関係が凍結状態にあったが、民心は厚く張った氷の下に、より力強く流れる水のように凍らず、その民心によって高位級会談が開かれることとなったと強調した。 南側首席代表の趙明均統一部長官も、キャンドル革命によって噴出した民心は南北和解と平和を志向しており、当局会談はこのような民心に符合する方向で行われなければならないと話した。
 北と南は高位級会談で全民族の悲願と期待に沿って一連の合意を行ったことで、関係改善において貴重な第一歩を踏み出した。以下は共同報道文の全文。
◆北南高位級会談が1月9日、板門店で行われた。
 会談で双方は北側代表団の第23回冬季オリンピック、パラリンピック参加問題と、全民族の念願と期待に応じて北南関係改善に向かうための問題を真しに協議し、以下の通り合意した。
1. 北と南は南側地域で開催される第23回冬季オリンピック、パラリンピックが成功裏に進められ、民族の地位を高める契機となるよう積極的に協力することにした。
これと関連し北側は冬季オリンピックに高位級代表団と民族オリンピック委員会代表団、選手団、応援団、芸術団、テコンドー演武団、記者団を派遣し、南側は必要な便宜を保障することにした。
双方は北側の事前の現地調査に向けた先発隊派遣や北側のオリンピック参加と関連した実務会談を開催することにした。 日程は今後、文書交換の形式で協議することにした。
2. 北と南は軍事的緊張状態を緩和して朝鮮半島の平和的環境をつくり、民族の和解と団結を図るため共同で努力することにした。
北と南は現在の軍事的緊張状態を解消すべきとの見解で一致し、これを解決するため軍事当局会談を開催することにした。
北と南は多様な分野で接触と往来、交流と協力を活性化し、民族的和解と団結を図ることにした。
3. 北と南は北南宣言などを尊重し、北南関係を巡る全ての問題についてわが民族同士の原則に基づいて対話と交渉を通じて解決していくことにした。
このため双方は北南関係改善に向けた北南高位級会談とともに各分野の会談も開催することにした。

「藤田 孝典、柴田 謙司 - 貧困問題×労働組合 既存の大企業労働組合はミクロの現場発の政策提言を」
「連合に加盟する人たちが、比較的余裕のある状況のうちに問題に気付き、行動を起こしてほしい。その力は分断を促す側にとって大きな脅威になるでしょう」分断社会を乗り越えろ!(情報労連レポート 2017/01/17)
http://ictj-report.joho.or.jp/1701-02/sp02.html
 格差・貧困問題に焦点が当たってから久しい。しかし、問題の解消に向けた社会的な機運の盛り上がりは足りているだろうか。この状況を乗り越えるためには何が必要か。労働組合に求められる役割を再考する。
─格差・貧困問題がますます深刻化しています。藤田さんは「労働運動の不在」を問題の背景に挙げ、労働者が連帯して声を上げる回路のないことが、日本の労働現場を過酷化させ、貧困問題を深刻化させていると指摘されています。本日は、貧困問題と労働組合のかかわりなどについて意見を交わし、これから取り組むべき活動を展望したいと思います。
◆ミクロとマクロの連動
藤田 私は最近、「貧困問題から脱却を図りませんか」と提案しています。労働組合が貧困問題にクローズアップすると、組合員が自分たちの利益を感じられず、その層から幅広い支持を得られないからです。経済成長が鈍化する中で、正社員の賃金も上がらず、「まずは自分たちのことが先」という組合員の声が出始めていると聞いています。そういう中で、私は「脱商品化」を求めましょうと言っています。教育や住宅、医療、介護、保育。こうしたサービスを個人が商品として購入するのではなく、公共のサービスとして利用できるようにする。これが「脱商品化」です。こうした政策を実現すると、貧困層だけではなく、正社員にも受益が行き渡ります。
柴田 そのための費用はみんなが税で負担しようという考え方ですね。
藤田 どのように税を上げるかは各論でさまざまな議論があります。しかし、全体的に税収を上げる必要があります。みんなで負担した税によって、みんなが安心できるサービスを利用しようということです。
柴田 連合は、「働くことを軸とする安心社会」というビジョンを掲げて、消費税の引き上げや福祉の充実を訴えています。めざすイメージは、いま藤田さんが述べたものに近いと思います。けれども、社会にはそうしたメッセージがきちんと伝わっていない。労働組合の発信力や日常の活動を振り返る必要があると感じています。
藤田 既存の大企業労組は、「ミクロ」「メゾ」「マクロ」という階層で、バランスよく運動を展開する必要があると思います。私は小さい個人加盟ユニオンとかかわっていますが、そうしたユニオンの強みは、ミクロの労働相談です。一方で、大企業の労働組合は、マクロのイメージが強い。連合の運動はややもするとマクロの要求に寄りがちで、世間から政治団体だと思われています。
 しかし、ユニオンがいくらミクロの労働相談を受けやすいといっても、規模が小さいので政治的なマクロの発信力は弱い。一方で大企業の労働組合は、そうしたミクロの労働相談に原点回帰する必要があると思います。ユニオンはマクロの政策を見据えながら、大企業労組はミクロに寄り添いながら、バランスよく運動を展開することが大切です。
柴田 そういう点では、私たちも反省があります。ミクロの労働相談を分析し、マクロの政策につなげていく。こういう連動が足りていないと感じます。
藤田 皆さんが個々の現場で尽力されていることは知っています。産業別のメゾレベルやマクロレベルでさまざまな提言をされている。それがミクロの労働相談現場とどのように連動しているか。ミクロの現場に埋没してもいけないし、ミクロに寄り添わないのもいけない。ミクロの現場を分析して、メゾやマクロに働きかける。こういう連動は必須でしょう。
◆マクロとしての春闘
柴田 マクロの政策として「春闘」をどう見ていますか。
藤田 私はやり方を変える必要があると感じています。経済がこれだけ衰退する中で、十分なベアを勝ち取り続けることは難しいでしょう。それならば、教育や住宅などの支出を下げる要求の方が労働者全体の利益になり、大きな波及効果を生み出すはずです。
柴田 労働組合にとって勝ち取った成果をいかに「底上げ」につなげるかという配分のあり方が課題になっています。
藤田 「できる人」や「できない人」にかかわらず、「底上げ」をすることは大切だと思います。そのためには、みんなの共通の利益を探らないといけない。やはり、「脱商品化」が重要でしょう。
柴田 そう考えると、公共のサービスを増やしていく必要がありますね。
藤田 日本ではそうした公共のサービスがまったく足りていませんからね。企業がこれまで担ってきた福利厚生を行政に移行する必要があります。そのために、労使がともに費用を負担するという考え方が必要だと思います。
◆労働組合はもっと情報発信を
柴田 すべての人に共通するニーズを提供する必要がある半面、そうした政策を採ろうとすると「自己責任論」による反論が必ず出てきますね。藤田さんが主張する「オール・フォー・オール」の実現のために何をすべきでしょうか。
藤田 慶應義塾大学の井手英策教授も要求している政策です。「自己責任論」は本当に根強いものがあります。高度経済成長期に、多くの人が働ける土壌があった時代には、自己責任論はここまで激しくありませんでした。しかし、今は違います。「これだけ努力しているのに、これしか稼げない」。努力しても報われないという感覚が社会を覆っています。そこで生じる不平・不満が自己責任論につながっています。「あいつは俺より努力していないのに、いい思いをしている」という風に。
柴田 そういう声が職場で出てくることはありますね。そうした点から、労働組合に対する批判もあります。
藤田 労働組合は職場にあった方がいいですよ。NPOで相談を受けていると、労働組合のない職場から相談に来る人の方が圧倒的に多いですからね。分かち合いとか連帯とか労働組合の存在意義が見直されてほしいと思います。そこで気になるのは、労働組合の情報発信力の低さです。ブラック企業、長時間労働、過労死、非正規雇用の増大など問題山積のいまこそ、労働組合が連帯を呼び掛ける時期なのに、ツイッターなどのフォロワー数が少なすぎます。これはとても残念です。
柴田 おっしゃる通りで、発信力を強化しないといけません。最近、ツイッターでの発信を再開しました(アカウント:@infoictj)が、一つのツイートに2万4000件を超えるリツイートがあったりと、拡散力の強さを実感しています。
藤田 労働組合の皆さんにお願いしたいのは、労働組合の意義や活動の「見える化」です。役に立つ情報発信や、働く人にとって身近な存在であることを示してほしい。
カリスマ経営者は、一人で10万人とか20万人のフォロワーがいるわけです。一方で、労働組合にはそれほど情報発信力の強い個人も組織もまだいません。ぜひ本腰を入れてください。
柴田 御著書でも述べられていましたが、「勇気をもって理想を語れ」ということですね。
藤田 みんなが委縮していますからね。働く人たちに自信を取り戻してほしいです。連帯やつながるきっかけが多数あるのにもったいないです。
◆分断を乗り越える組織化
柴田 世界の動きを見ると、トランプ現象やブレグジットなど、分断の動きも強まっているように見えます。日本も同様の動きの中にあると感じています。
藤田 分断の背景には、中間層以下の受け皿がないことがあると思います。ここに行けば助かるとか、自分たちの要求を実現してくれるとか、信頼できる組織がないと思われている。けれども本当は、ないのではなく眠っているだけだと思います。労働組合は「眠れる獅子」状態なのです。そういう意味で、連合にはとても期待しています。連合には社会を変えるポテンシャルがある。ただし、従来通りの要求では社会は衰退していきます。本気でやれるかどうかです。 いまのところ、若い人たちは労働組合のことを市民とともに歩む組織とは感じていません。それよりも政治団体だと思っている。この距離感を縮めるためには、ミクロの現場を大切にするという原点に立ち返る必要があります。先ほども申し上げましたが、現場発の政策提言がほしいところです。そういう観点から私たちは、さまざまな機会を設けて、ミクロの現場で働く人たちと出会う場所を増やしています。マスコミやSNSを活用して、ホットライン(電話相談)を展開し、現場の人たちとつながろうとしています。そういうアソシエイト(組織化)に力を入れています。
柴田 現場で相談を受けて、それを分析して政策提言につなげられる人材の育成も重要になりますね。
藤田 相談を受けて適切な社会福祉につなげられたり、その背景を分析したりできる人材が必要です。私はそうした人材をソーシャルワーカーと呼んでいます(一般的には社会福祉士の資格のある人がそう呼ばれています)。専門的に面接相談を受けて、問題の背景を分析し、政策提言につなげられる人材を労働組合でもっと育成できれば、状況は随分変わってくると思います。教育機関の問題もありますが、ソーシャルワーカーの育成は必須です。
◆現場に足を運ぶことから
柴田 市民運動との連携について、地域からできることはないでしょうか。
藤田 まず、さまざまな現場を知ってもらいたいですね。私たちはフィールドワークと呼んでいますが、現場に足を運んでほしい。例えば、ホームレス支援の現場に行ってみる。すると当事者の多くは元々は労働者で、ホームレスになった理由を聞くと過酷な出来事が背景にあるわけです。企業の中で働いているだけでは経験できないフィールドにどんどん出て来てほしいと思います。これだけ社会が分断して、苦しい状況になると、人びとの共感性はますます薄れていきます。分断を乗り越えるためには、異なる生活をしている人たちの現場に寄り添うことが大切だと思います。ゆとりがなくなるほど、他人の境遇に対して無関心になってしまいます。連合に加盟する人たちが、比較的余裕のある状況のうちに問題に気付き、行動を起こしてほしい。その力は分断を促す側にとって大きな脅威になるでしょう。
 もう一つお願いしたいのは、活動家としての矜持を持ってもらいたいということです。労働組合の役員として社会を良くしていこうという気持ちを持ち続けてください。かつての日本社会にはそういう人たちがもっといたと思います。団体交渉やストライキ権など憲法で保障された権利が使われず、さび付いています。ストライキ権ももっと行使されるべきだと思います。日本社会全体が縮小過程に入っている中で、変革者が求められているのは確かです。その変革者が分断を促す側ではなく、こちら側に現れる必要があります。皆さんの活動に期待しています。
柴田 さまざまな課題を提起していただきました。労働組合の存在が社会から認知されるためにも、社会に積極的にかかわる取り組みを展開しなければなりません。人材育成や情報発信などは急務です。危機感を持って対応していきます。

倉重篤郎のサンデー時評:アベノミクス続けば5年以内に財政破綻 経済学の巨匠・伊東光晴が本気の直言!(毎日新聞 2018.1.9)
https://mainichi.jp/sunday/articles/20180108/org/00m/070/001000d
◆「国民の未来」を奪う政治は終わらせよ
 景気と株価の上昇はアベノミクスのおかげだと喧伝されているが、私たちは実感が持てないでいる。 それどころか、経済学の巨匠・伊東光晴京大名誉教授は、このままアベノミクスが続けば5年以内に財政破綻すると明言する。 ではどのような別の選択があり得るのか。 倉重篤郎が迫る。
 2018年はどんな年になるのか。 年の初めに何人かの識者に聞く。
 まずは、経済がどうなるのか。 伊東光晴京大名誉教授(90)に論じていただく。 氏は国民経済の立場から市民の目で日本経済をウオッチしてきた反骨の経済学者。 医療、環境への関心も高く、原発には放射性廃棄物の処理ができないことからその非経済性を告発してきた。
 日本経済は年初、日経平均株価が高値を更新、年内には2万円台後半が予想されるなど、半ばお祭りモードだが、その浮ついたご時世の陰で何が進行しているのか。 我々はこの一時の虚飾の繁栄の後、何に備えなければならないのか。 伊東氏には、アベノミクスの本質をえぐってもらいたい。というのも、伊東氏は「アベノミクス批判―四本の矢を折る」(岩波書店)を14年に発刊して以来、この政策に対し根源的批判を展開してきた人物だからだ。
早速お聞きする。 18年の日本経済、どうなります?
「結論から言うと、今の状態がだらだらと続く」
だらだら続く?
「例えて言いましょう。 もし、日本がユーロ圏、つまりEUの一員だったらどうなっているか。 現行のままでいるわけにはいかない。 なぜならば、日本の財政赤字がひどすぎる。 EU加入基準である単年度ベース(対GDP3%以内)、累積赤字ベース(対GDP60%以内)をいずれも超えている。 特に、累積ベースは、240%(IMFの世界経済見通しの政府一般ベース18年予測)というとんでもない数値、世界一だ」
「EUはこういう国に厳しい緊縮財政を求めている。 日本もEU加盟国だとすれば、緊縮財政に転じなければならない。 公務員給与削減、年金給付削減、医療費負担大幅増…… 等々。 緊縮財政の結果は、不況、失業率の大幅上昇、国民生活の困難を引き起こす。 ところが、日本の保守政権は、欧米保守政権であれば必ず取るような緊縮政策を取らない。 そのために日本は国民がある意味でのんびりした生活を続けてこられた。 同じような状態が続くというのはそういう観点からだ」
財政赤字対応が日本の政治と欧米では異なる、という説明だが、なぜ日本では緊縮化せずにすんでいる?
「中曽根康弘政権がその典型だったように、過去の財産を食い潰してきた。 国鉄、電電を民営化してその株を売却するなど、明治以来の財産を食い潰し、取りあえず今の生活を維持する、ということをしてきた」
先人の築き上げてきたストック(資産)だ。
「そして、次第に食い潰すストックがなくなってきた。 そこで、安倍晋三政権は、未来を食い潰し始めた。 未来に国債と借金を押し付けて、現在は取りあえずの生活をしようとしてきた。 その結果、国の累積債務はGDPの2倍、1100兆を超えた」
「原子力発電と同じだ。 原発は放射性廃棄物という処理不能のゴミを出しているが、何とかなるだろうと言って発電を続けている。 この取りあえず主義は、日本の庶民の心に深く根差しており、それに対抗する明治以来の西欧合理主義と、さまざまなところでぶつかり合うが、ほとんどが取りあえず主義の勝ちとなっている。 国債発行、原発……。 皆、根っこは同じだ」
◆やったのは「異次元緩和」だけ
それにしてもなぜここまで赤字が積み上がった?
「1980年代まで、歳出と歳入は同じようにパラレルに上昇してきた。 それが90年代になると歳出は増加し、税収は減った。 80年代に比べると、法人税が10兆、所得税が10兆減っている。 こうして、日本は国債依存の体質になっていった」
歳出増は高齢化による社会保障費の自然増が主要因だ。 一方、税収減は、バブル崩壊後のGDPの伸び悩みが原因と言われる。
「それ以上のものとして税制の変更があった。 80年代の後半の中曽根政権の時だ。 加藤寛(ひろし)政府税調会長が行った一連の税制改革で、米国の税制をまねた」
レーガン大統領時代の税制改革だ。
「レーガンは所得税最高税率70%を81年に50%に、86年には28%に下げた」
金持ち優遇と言われた。
「米国が高い累進税率を実現したのは、ルーズベルト民主党政権のニューディール時代だ。 第一段階で63%、第二段階で79%。 これが所得再配分効果により世の中を変えた。 この政策は戦後共和党政権にも継承され、税率は一時91%にまで上がった。 つまり、ニューディールの影響は70年代まで続いていた。 米国の歴史には、そういう大きな流れがあった。 それを決定的に変えたのが80年代、レーガンがフラットな税制にした。 そして、この税を見習うと言ったのが加藤税調だった。 法人税も下げた。 ここに日本が財政破たんに向かう大本の原因がある」
新自由主義政策と呼ばれた。 今の安倍政権にまで引き継がれている。
「さて、そこで安倍政権だ。 異次元金融緩和の効果はどうか。 安倍政権は異次元緩和以外は何もやっていない。 ちょうどうまい具合に、景気循環の上昇局面に差し掛かっただけだ」
アベノミクスのおかげで上昇局面入りした、と安倍氏は胸を張っている。
「異次元緩和がある一定の影響を日本経済に与えたのは事実だ。 1ドル=80円まで行った為替相場を110〜115円とした。 円をばらまき、円安になった。 これが輸出産業を好調にさせ、景気をけん引した」
「しかし、輸出産業主導型は、全面的な景気上昇をもたらさない。 輸出に依存する限り、低コスト、つまり、賃金抑制という圧力がかかるからだ。 賃上げがないと消費が拡大しない。 セミ景気、半景気だ。 英国経済が輸出景気の時もそうだった。 今の景気が景気上昇感を伴わない理由だ」
株価も上がった。
「これは日銀が投信を買うことで上昇局面を維持している。 作られた値段だ」
今後賃金がどうなるか、がポイントだ。
「生産年齢人口の減少もあって、雇用が堅調になる。 問題はそれが新たな技術革新をもたらすかだ」
人手不足が企業に賃上げを強い、賃上げは企業に省力化のための設備投資を強い、結果的に技術革新、生産性上昇による成長が実現する、という論がある。
「私は懐疑的だ。 アレンというオックスフォード大教授が、英国で産業革命が起きた背景として、ロンドンの労働者の賃金が高くなり、それで機械化という誘因が働いた、という見解を出している(2009年)。 賃金が上がると、機械多用な方にいくし、賃金が安いと機械をあまり使わない、という近代経済学の技術選択理論の応用だが、こういう普遍理論で具体的歴史を解くというのはたいていうまくいかない。 経済というのは、多様な要因がミックスされた結果だ。 賃上げはそのうちの一つにすぎない」
「そもそも、日本で労働力不足が起きているのは、製造業ではない。 サービス業、特に金融業がそうだ。 欧州を見ればいい。 銀行業は装置産業になった。 人手がいらない。 だが、日本だけがたくさんの従業員を抱えている。 ここに新技術が入ってくる必然性がある。 製造業で技術革新が行われる余地はない。 設備投資するくらいなら海外にアウトソーシングする」
◆景気に影響しない「増税」を
まさに、3メガバンクが大リストラ計画を発表した。 大規模なICT(情報通信技術)投資が背景だ
「私は、日本の銀行業は欧米に20年遅れていると指摘してきた。 高給で安定した良い職場がなくなる。 その代表が銀行業で技術革新に狙い撃ちされる。 日本経済に与える影響は大きい」
肝心の製造業は、技術革新が起きない。 むしろ、金融業の大リストラが景気の足を引っ張る、との論だ。
「そこで、取るべき政策は何か、だ。 取りあえず主義からの脱却にはどうするか。 それを真剣に考えるなら、増税しかない。 増税は景気に影響がないものからやる。 二つある。 一つは、法人税だ。 大企業が円安の影響もあり内部留保を380兆円ため込んでいる。 そこから20兆円なり25兆円を引き出すしかない」
「もう一つは、所得税の累進課税強化だ。 これも景気に影響はほとんどない。 それゆえにニューディールの時にあれだけ強い累進課税をかけた」
日本経済に必要なのは、実は所得、法人増税だ。 欧米の政権政党であれば、当然のことながらそちらの方に舵(かじ)を切っているだろう、との見立てだ。 ただ、取りあえず主義の日本は異次元緩和で日銀がほぼ無制限に国債を購入することで、増税策を回避し続けてきた。 その出口はどうなる?
「安倍政権は出口を考えない。 いつまでたっても日銀が買い続ける」
でも永遠に買い続けるわけにはいかない。
「と思うのが正常な考えの持ち主だが……。 そうじゃない人たちがやっている」
どうなってしまう?
「外からのインパクト以外にこの体質は直らない。 つまり、世界の金利が上がり、その影響が日本にまで波及し、金利が上がると、負債が重課されてくる。 金利が1%上がっただけで10兆円の重みになり、予算編成できなくなる。 そこまでこないとわからない」
世界の金利動向に変化が生じている。 米FRBは出口戦略で着実に利上げしているし、欧州中央銀行(ECB)も同方向だ。 日本だけが異次元緩和継続だ。
「なぜ、ゼロ金利にしたかを考えればいい。 リーマンショックで不良資産を買ってダメになったのはリーマン1社だけではない。 連鎖反応を起こさせないために、欧米の中央銀行はゼロ金利にした。 不良資産を10年かけて償却しなさいということだ。 連鎖反応防止という必然性なしにゼロ金利をやったのは日本だけだ。 必要ないことをやった。 財政赤字をごまかすために」
そのリーマン・ショックからちょうど10年だ。
「それが終われば金利も正常化されていく。 当たり前のこと。 米欧は今後利上げしていく。 それが日本に影響を与える。 それ以外に日本を変えるものはない」
「そんなに急に上がるものではない。 5年かかるだろう。 ただ、ケインズが言うように将来は不確実だ」
5年という具体的な数字が出てきた。 金利が上がり予算が組めなくなる時期だ。 財政破綻である。 同時に、国債暴落で銀行が不良資産を抱えることになる。
「だから、それを少なくしてやっている。 日銀が銀行から国債を買い取って」
◆「国債」を持っていては危ない
日銀の資産はどうなる? 債務超過にならないか。
「国家も日銀も一緒なんだから。 (日銀という組織ではなくて)国家が損する。 中世と同じ事実上の徳政令だ。 日銀や銀行は国債で損するから国がそれを負う」
「三菱東京UFJ銀行がいち早く逃げ出したでしょう(16年7月、日本国債の入札に参加する特別資格「プライマリーディーラー」を返上すると発表)。 日本を代表する銀行だ。 国債を持っていたら危ない、5年後は。 銀行は逃げますよ。 銀行は逃げるか、機械化で従業員の首を切るか、いまやるべき仕事はいっぱいある」
結局、アベノミクスとは何だったのか?
「金融緩和だけだ」
それが未来を食い尽くす?
「そうだ。 過去が食えなくなったので、未来を食い尽くすということだ」
世界経済はどうなる?
「EUは、失業率が高く、格差が広がり、これがおさまる気配はない。 米国はトランプの出現で、グローバリズムも自由貿易も皆誤りだとされている。 中国は一帯一路を過剰生産のはけぐちに、世界の製造工場を独り占めする勢いだ。 世界は混乱の時代に入った」
昨年9月に90歳になった老学徒は2時間、資料を見ながら朗々と、日本と世界を語ってくれた。
「もうよぼよぼです。 学生時代はノートを取る必要なかった。 全部暗記していた。 トランプの神経衰弱でも負けたことなかったが、今は孫に負けるんだからどうしようもない」
としながらも、世界経済動向について現在大冊を著作中。 欧州、米国、中国の順に書き続ける、という。
「問題は中国、日本なんです。 欧米は合理主義で政治が動いているからはっきりしている。 利子率が上がれば家賃が変わって住めなくなる。 ただ、日本は利子率が上がっても家賃が変わらない。 経済合理主義では動かない。 この国の問題は西洋学問だけでは解けない。 中国もそうなんです」
× × ×
アベノミクスは、日本の死に至る病だ、と私は書いたことがあった。 成長至上主義という病と、次世代に対する過剰な依存症により、経済メルトダウンに至るような、とんでもないツケを将来世代に負わせているのではないか、という見立てである。 伊東氏は「日本政治の取りあえず主義」が「未来を食い潰す」と表現された。 同じことを言っている、と思っている。

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「怨念」を超え、「分断」から「統一」へ シジフォス/BIGLOBEウェブリブログ
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