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zoom RSS 優生保護法…命があまりに軽すぎるこの国

<<   作成日時 : 2018/02/02 05:58   >>

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降雪で不安になるのはまた重要な報道がネグレクトされること。相撲協会の話もムダの極みだが、重大な問題から目を背けさせるには不倫問題同様、格好のネタなのだろう。労働課題も大事だが、何よりも命が軽視されている。札幌で生活保護を受ける高齢者が入居している施設が焼け11人が亡くなったという。道新によれば施設は路上生活者らを支援する札幌の合同会社「なんもさサポート」が運営。生活困窮者が新たな住居や就職先を見つけるまで一時的に受け入れていた、というが「貧困ビジネス」なのだろう。施設は旅館だった建物を利用しており、築50年近くたっていた…。道内では10年3月にも、札幌市北区の認知症グループホーム「みらい とんでん」から出火、60〜90代の入居者7人が死亡したが、同様の施設は増加し続けており法違反は無い、という。命に軽重はないのだが、生き続ける価値のない年寄りは死んでも構わないとの空気が日本中を覆っている。

個人的に改めて深く悩んだのが、優生保護法により15歳で不妊手術を受けさせられた宮城県の60代女性が、慰謝料など1100万円を求める国家賠償請求訴訟を起したとの記事。1/31の朝日新聞<不妊手術強制、最年少9歳 過半数が未成年 宮城県記録>によれば<かつての優生保護法(1948〜96年)の下、知的障害などを理由に強制的に不妊手術を受けさせられた人が、宮城県内で記録に残る限り、63〜81年度で859人おり、このうち448人は未成年だったことが分かった。女性の最年少は9歳、男性は10歳だった>ことが国に手術費用を請求するため、対象者の名前や年齢、理由などを記した「優生手術台帳」で判ったという。

>手術を受けた859人のうち男性は320人、女性は535人。年齢・性別の記録がない人が4人いた。未成年は男性が191人、女性は257人で、合わせて半数を超えた。最年少は男性が65年度と67年度の10歳、女性は63年度と74年度の9歳だった。当時の台帳で「遺伝性精神薄弱」とされた人が、745人で最も多かった。
 この問題に詳しい市野川容孝・東京大大学院教授(医療社会学)は「旧優生保護法に年齢制限の規定がなかったとはいえ、9歳の女児が強制不妊手術を受けていたのは予想外で驚いた」と話した。
 市民団体「優生手術に対する謝罪を求める会」によると、旧優生保護法下で、約1万6500人が強制不妊手術を受けた。年齢や性別、理由の内訳は明らかになっていない。都道府県別では北海道の2593人が最多、宮城県は1406人で2番目に多かった(朝日)。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13339847.html

ナチスでも同様の手術がもっと大規模に行われ、それがユダヤ人大虐殺に発展していったという。強制的な抹殺が行われる愚を、人類は死刑や戦争で継続している現実を阻止できていない。その根底に在る命への軽視の歴史を改めて脳裏に刻んでおきたい。他の全国紙はきちんと報じたのだろうか。このような訴訟が初めてであることにも慄然とする…。

<社説>旧優生保護法提訴 謝罪と補償を求める(琉球新報 2018年2月1日)
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-657092.html
 日本政府の人権感覚が問われている。
 旧優生保護法に基づき、知的障がいを理由に不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県内の60代女性が、損害賠償を求めて政府を提訴した。
 旧法が個人の尊重や幸福追求権を規定した憲法13条、法の下の平等を定めた同14条に反していることは明らかだ。
 そもそも、子どもを産むか産まないか、いつ産むのか、何人産むのかを決めることは、全ての個人に保障されている権利である。国家の干渉を受けず、自由意思によって決められるべきだ。政府は裁判の行方にかかわらず、実態調査と被害者に対する謝罪、補償をすべきだ。
 旧法は「不良な子孫の出生防止」を掲げて1948年に施行された。ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身で、知的障がいや精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人の同意がなくても不妊手術を容認している。国の通知は身体拘束やだますことも認めていた。
 日弁連によると、旧法により不妊手術を施された障がい者らは全国で約2万5千人、うち1万6500人は強制だったとされる。県内では本人の同意なしに不妊手術を行った事例が2件ある。
 旧法は「障がい者差別に当たる」と指摘され、96年に差別に該当する部分を削除し「母体保護法」に改正された。政府は当時は適法だったとして、いまだに補償や救済をしていない。
 日弁連が指摘するように、法が憲法に違反していれば、法としての効力を有しないので、実施当時適法であったとの主張は根拠を失う。不妊手術が国家的な人口政策を目的として実施され被害を与えた以上、被害を放置することは許されない。救済するのは当然だ。2年前には障害者差別解消法も施行されている。
 問題なのは、不妊手術を受けたとされる約2万5千人の9割近くは関連資料が保存されていない可能性があることだ。共同通信の調査によると、知的障がいなどを理由に不妊手術を施されたとみられる個人名が記された資料が19道県に約2700人分現存している。各自治体を通じて早急に実態調査するよう政府に求める。
 政府は国際的な批判も無視している。国連の自由権規約委員会は98年、強制不妊の対象となった被害者の補償について、日本に必要な法的措置をとるよう勧告した。国連女性差別撤廃委員会も2016年3月、強制不妊手術を受けた被害者への補償を勧告した。
 しかし、政府は「当時は適法に行われていたため、補償は困難」との立場をとり続けている。同様の法律があったスウェーデンやドイツは誤りを認めて、正式に謝罪し補償を実施している。国連の勧告に向き合わない政府の姿勢は不誠実だ。


昨年末のTBSドラマ「コウノドリ」でもこのテーマを取り上げていたが、今でも続いている課題として「出生前診断」がある。取り上げた沖縄タイムスに敬意を表したい。

社説[新出生前診断]当たり前の検査を懸念(沖縄タイムス 2018年1月31日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/202904
 「命の決断」に向き合い、支える体制はできているのか。
 妊婦の血液を採取し胎児の染色体の病気を調べる新出生前診断について、日本産科婦人科学会は一般診療として実施施設を拡大する方針を固めた。受診できる年齢や対象となる病気の要件緩和も検討している。
 2013年に始まった新出生前診断は、臨床研究として大学病院など限られた医療施設で実施されてきた経緯がある。手軽さを理由に広がると「命の選別」につながりかねないことから、学会は結果の説明や妊婦の相談に応じる遺伝カウンセリング体制を重視してきたのだ。
 対象も35歳以上の高齢妊娠や過去に染色体異常の赤ちゃんを妊娠したことのある人に限定。判定は胎児の先天性疾患のうちダウン症など3種類の染色体異常にとどめてきた。 
 本格実施に向けた議論は、高齢出産の増加によるニーズの高まり、認定を受けないクリニックの問題が相次いだことなどを背景としている。
 無認定施設で、遺伝カウンセリングを行わず、年齢制限も取っ払い、性別判定の実施を宣伝したりするケースがあったという。
 無認定クリニックに対し厳正に対処するのは当然だが、認定施設を増やし一般診療化すれば、検査の流れが一気に加速するのではないか。「受けることが当たり前」という雰囲気が生まれないとも限らない。
 慎重な議論を求めたい。
■    ■
 各地の病院でつくる研究チームによると、開始から4年間で検査を受けた妊婦は4万4645人。染色体異常の疑いがある陽性と判定され、おなかに針を刺す羊水検査に進んで異常が確定したのは605人だった。うち94%に当たる567人が人工妊娠中絶を選択している。
 結果として「命の選別」につながったという批判は強い。
 しかし検査を受ける受けない、産む産まないは、妊婦と家族が悩み抜いた末の結論である。責任を負わない第三者が口をはさむべきではない。
 ただ「障がいのある子どもを育てる自信がない」という漠然とした不安が意思決定に影響を与えたとしたら、問題は医療や福祉、教育分野の支援体制にもある。
 カウンセリングで病気の知識だけでなく、生まれた後の生活や支援などの情報がどの程度届けられたのか、課題を一度整理する必要がある。
■    ■
 日本ダウン症協会のホームページにダウン症の子どもを授かった家族に向けてと題し、「発達の道筋はほぼ同じですが、全体的にゆっくり発達します」「子育ても特別でなく、少しゆっくり」などのアドバイスが並ぶ。
 障がいがあっても大きく成長する可能性を秘めていて、同じような体験をした人の声を聞くことは重要だ。
 一人一人の決断は重く、この問題に明快な答えはない。だからこそ産む決断を後押しできる「共生社会」をつくる努力を重ねなければならない。


労働から離れて綴ってしまったが、早朝に読んで頭を抱えたのは東洋経済オンラインの記事。札幌で派遣のプログラマーをしている男性はフルタイム勤務でも毎月の手取りは10万円ほど。<住まいは、札幌市内の高級住宅街にあるシェアハウス。といっても、家族向けマンションを仕切り板などで5つに区切っただけの物件で、一部屋の広さはおよそ5畳。中には窓のない部屋もあり、シェアハウスとは名ばかりの脱法ハウスである。家賃は光熱水費込みで約3万5000円>。このシェアハウスが入っているマンションは築40年を超えており、その地域における家賃相場は9万円前後。家賃3万5000円を5人分徴収すると計17万5000円になる<非正規労働者らの足元を見た貧困ビジネス>だ。この彼が自民党に投票しているという理由に絶句した。今週も悩み続けている。

>27歳「派遣プログラマー」が貧困に苦しむ事情(東洋経済オンライン 2018/2/1) 5:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180201-00206339-toyo-soci&p=1

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