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zoom RSS 労契法20条裁判でJPの春闘回答を問題にすべき

<<   作成日時 : 2018/06/09 06:30   >>

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6/7夜に連合会館で「ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件 最高裁判決報告集会」が開催。主催は全日建運輸連帯だが、内容にやや不満。労契法20条適用の最高裁判断ということで、6/1は全メディアが大きく取り上げたが、そのメディアが参加していない。また4/26に同じ場所で開催された決起集会には、同じく20条裁判闘争を闘っている郵政・メトロコマースなどの仲間が決意表明するなど、他労組との共闘が模索されていたが、6/7はほぼ運輸連帯だけの取り組み・決起集会に限られてしまった。今回の最高裁判決は全労働組合・労働者に関わる問題であり、ハマキョウではほぼ全面勝利した画期的な内容だったのに…だ。長澤の定年後再雇用労働者への差別だって問題は多々あるが成果だって見られる。もちろん自分も強く指摘しているように、メディアもほとんど労働組合運動としては取り上げていない。唯一当日会場でも放映されたが、NHKが密着取材し、労組による活用に焦点を当てていたが、この判決を波及・活用させていく取り組みこそが求められている…と思う。

そんな中、全労連や全労協がスルーしている中、連合は事務局長談話を発した。ここでも労組名が出ていないなど不満の側面は多々あるが、発したことに意義はある。なお赤旗報道でも労組名は出ていない(苦笑)。

労働契約法20条に関する最高裁判決についての連合事務局長談話(2018.6.4)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=978
◆労働契約法20条に関する初めての最高裁判決
 去る6月1日、最高裁判所第2小法廷(山本庸幸裁判長)は、有期契約労働者が、無期契約労働者との待遇の相違は、期間の定めによる不合理な待遇差を禁じた労働契約法20条違反であるとして是正を求めた2つの事件(ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件)の判決を下した。「労働条件の相違は、労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」とした労働契約法20条についての初めての最高裁判決であり、不合理性の判断の枠組みを示したことは意義があるものとして受け止める。
◆待遇差の不合理性判断は、個別の賃金項目ごとに判断
 運送の仕事に従事する契約社員が正社員との待遇の差の不合理性を争っていたハマキョウレックス事件では、待遇差の不合理性の判断の枠組みが示された。判決は、不合理性の判断にあたって、考慮要素を「職務の内容」「職務の内容及び配置の変更の範囲」「その他の事情」の順に判断した。また、不合理か否かを、賃金総額か個別の賃金・手当項目それぞれで判断するのかという点では、判決は賃金項目ごとにその趣旨に照らして判断した。他方、労働契約法20条違反の効果は、不法行為による損害賠償に留まり、不利益取扱いがなければ処遇されていたと考え得る待遇にする「補充効」は認められなかった。
◆定年後再雇用の事案では、「その他の事情」を考慮
 定年退職後の再雇用において、定年前と同様の仕事を行う嘱託社員が正社員との待遇差の不合理性を争っていた長澤運輸事件の判決においては、定年後再雇用の事案であっても労働契約法20条の適用を肯定した。その上で、不合理性判断にあたり、職務の内容及び変更範囲は同一としたが、「その他の事情」として、老齢厚生年金の支給や退職金等を考慮して、一部の手当についてのみ不合理性を認めるに留まった。なお、本判決は、定年後再雇用の場合に賃金を引き下げることを広く認めたものではなく、判決の射程と内容の正確な理解が必要である。
◆非正規雇用で働く者の労働条件改善に向け、職場の取り組みを一層力強いものに
 連合は、これまでも同じ職場で働くパートや契約社員などの労働条件の改善に取り組んできたが、2018春季生活闘争においては、同一労働同一賃金の法整備に先行し、非正規雇用で働く者の待遇改善の方針を掲げ、成果を勝ち取ってきている。連合は、今回の最高裁判決を受けた動向を注視するとともに、構成組織・地方連合会と一体となって、非正規雇用で働く者の組合加入と労働条件改善に向けて、職場の取り組みを一層、力強いものにしていく。


多々言いたいことはあるが、個人的に最も不満があるのは、連合談話を含め、今春闘でJPが行った、正規の待遇を非正規の水準にあわせるという「是正」方法への批判が見当たらなかったこと。朝日新聞は6/2の時々刻々で<■非正社員水準に下げる例も>とし、以下の通り記述した(全文は6/3の本ブログに添付)。

>大企業の中にはすでに、働き方改革関連法案の動きを見据え、正社員と非正社員の手当の格差を見直す動きが出ている。
 非正社員が数万人規模で働くNTTグループは、正社員に支給してきた食事補助を廃止。代わりにフルタイムの契約社員も対象に加え、生活支援を名目とする手当を昨年新設した。さらに今年5月からは福利厚生制度も、健康管理のメニューを中心に正社員の制度にそろえた。
 こうして正社員の水準まで非正社員の待遇を引き上げることを政府は想定するが、逆のケースも出てきた。
 全社員の半数近い約20万人の非正社員がいる日本郵政グループは、一部の正社員を対象に今年10月から住居手当(年間最大32万4千円)を10年かけて廃止すると決めた。住居手当を受け取れなくなる正社員は約5千人。転居を伴う転勤のない「一般職」と呼ばれる人たちだ。非正社員には転勤がなく住居手当もない。
 連合傘下の労組幹部は「経営側が正社員の手当を下げ、非正社員に合わせる不利益変更を持ち出さないか、今後は注視していく必要がある」と指摘する。


今朝は、このJPの話しを一本だけ読んでおく。おがたけいこさんは昨日のTwitterで<日本郵便の一般職として働く、前出のAさんが最も憤っているのは、日本郵政グループ労働組合(JP労組)の対応だ。いまだ何の説明も受けておらず、勤務先の局にいる労組の社員に経緯の説明を求めても、報道にあるような事実関係を説明されただけだった><労働組合は本当に交渉をしてくれたのか疑問です。総合職ではなく、僕たち弱い立場の一般職がどうして犠牲になったのか、不信感がぬぐえません。この年齢では転職も難しいので、会社を辞めることは考えていませんが、お金さえあれば裁判を起こしたいですよ。たとえ負け戦でも構わない>とのコメントをそのままアップした。とにかく労働組合運動全体に関わる最重要問題として把握したい。

「僕は正社員になってよかったのか」日本郵政ショック、住居手当削減で削ったのは父への仕送り(Business Insdier Japan 2018/6/6)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180606-00010000-binsider-bus_all
◆正社員の待遇を引き下げて、非正規社員の条件を引き上げる“郵政ショック”とは。
 日本郵政グループは、2018年の春季労使交渉で、日本郵政グループ労働組合(JP労組)の要求に応える形で、正規社員と非正規社員の待遇格差の是正に乗り出したが、その手段として「正規社員の待遇を下げる」が含まれたことが報道されると、議論を巻き起こした。政府が今国会での成立を目指す働き方改革関連法案の柱の一つである「同一労働同一賃金」の「悪い見本になるのでは」といった声が、Twitter上でも相次いだ。
 Business Insdier Japanは、一般職という転勤が伴わない職種で、実際に待遇が下げられる日本郵政傘下の、日本郵便で働く男性に現状を取材すると同時に、日本郵政に真意を尋ねた。日本郵政は「そもそも、法律に抵触するような不合理な待遇格差があるとは思っていない」として、同一労働同一賃金が目的という意図は否定した。
◆怒りと不安で一睡もできず 「生きていけるかな」
 日本郵便で働くAさん(男性、40代)は、思わずそうつぶやいた。勤務先である日本郵政グループが正社員のうち一般職約5000人の住居手当を廃止することを知ったのは、何気なく開いたTwitterだった。朝日新聞が「異例の手当廃止」という見出しで報じた記事がトレンド入りしていたからだ。その日は怒りと不安で一睡もできなかったという。
 Aさんは郵便物を配達したり、切手や年賀ハガキなどを一般家庭に営業する「一般職・郵便コース」で働いている。引越しを伴う異動のない一般職、つまり住居手当廃止の対象者だ。
 家賃約5万円のアパートに一人暮らし。住居手当は月約2万4500円を支給されている。月給は約45時間の残業をして手取り約23万円、年収では手取り約300万円。Aさんが働く局は残業が多いそうだが、残業が少ない局の一般職の知人の中には、手取りが月20万円を下回る人もいると聞いている。この状況で最終的に住居手当の年間約30万円が減るのはかなりの痛手だという。
◆削ったのは、父親への仕送り
 Aさんは約15年前から日本郵便の非正規として働いてきた。正社員への登用試験は何度も挑戦したが受からず、諦めかけていたときに一般職の登用が始まり、(正社員として)採用された。
 「正社員になったら住居手当があるから」、面接で言われた言葉だ。当時は実家暮らしで家の近くの郵便局に勤務していたが、そこから15キロ以上離れた局に配属され、一人暮らしを始めた。通勤距離が伸び、朝早く出勤し夜遅くに帰宅するようになったため、高齢の親の生活リズムを乱したくないと思ったのも理由の一つだ。こうした経緯もあり、今回の住居手当削減は「話が違う」と感じている。
「必死に営業して年賀状5000枚などのノルマも全て達成し、やっとつかんだ正社員の職です。他の局に異動したくないからずっと非正規で働いている友人もたくさんいますが、今回のようなことがあると、彼らの選択が正しかったのかなと考えてしまいます」(Aさん)
 残業が多く忙しい非正規の職員が「手取り30万円以下になったことがない」と自慢げに話すのを聞いたこともある。Aさんは車が買えないため中古のスクーターで通勤しているが、非正規の職員が海外メーカーの大型バイクに乗っていたり、バイクを複数台所有しているのを見るたびに、言葉にできない気持ちがこみ上げてくる。
 Aさんと同じように住居手当削減の対象になっている既婚者は、家賃の支払いが厳しくなるからと、両親の実家で同居することを検討している人もいるそうだ。
 自分は何の出費を削ろう……考えた末にAさんは、一人で年金暮らしをする80歳過ぎの父親に連絡した。これまで月約2万円を仕送りしてきたが、住居手当の段階的な削減に合わせて金額を減らすことになるかもしれないと相談したのだ。「老い先短いんだから、心配しないで」、父親にはそう言われたが、情けなく申し訳ない思いでいっぱいだという。
◆日本郵政側の回答は
「現状の、正社員と非正規社員の待遇については、労働契約法20条や(政府が公表した)同一労働同一賃金ガイドライン案と照らしても、不合理な格差があると思っていません。ですから、春闘の決定について『同一労働同一賃金が目的』と報道されたが、こちらとしては、そもそもその前提となる不合理な格差がないとの認識なので、そうした目的ではない」
 日本郵政人事部担当部長の安瀬龍一さんは、まず、これまでの「同一労働同一賃金の解消のため、正社員の待遇を引き下げた」との報道のされ方について、違和感を示した。
 「そもそも正社員と非正規社員の間で、仕事の中身も違うし、育成の仕方も責任も違う。その違いに基づく待遇の差はもちろんありますが、それは法には抵触していない」というのが、日本郵政としての認識だという。
 それならなぜ今回の春闘で、
・正社員のみ寒冷地手当、遠隔地手当の削減(↓)
・一般職正社員を対象に、年間30万円程度の住居手当の廃止(↓)
・年始勤務手当(1日4000円)を非正規社員にも新設(↑)
・非正規社員のボーナス引き上げ(↑)
・非正規社員に病気休暇の新設(↑)
といった、正社員の待遇を下げ、非正規社員の待遇を上げる措置をとったのか。
◆なぜ正社員の待遇を見直したのか
「政府が非正規の労働条件を引き上げようという、働き方を改善する大きなうねりに沿った判断。郵政グループには約20万人の非正規社員がいて、大きな戦力であり、必須の人材。そういう意味で、上げないという選択肢はなかった。待遇の改善はモチベーションの向上につながる」(安瀬さん)
 その一方で、正社員側の引き下げについてはこう説明する。
「郵政グループとして社会、経済環境の変化を踏まえて、今日的観点から、待遇の見直しは定期的に行なっている。これまでも評価基準の変更で給与にメリハリをつけて、大きな引き下げがあった社員もいる。そうした流れの一環として今回、政府の家計調査を参考に寒冷地手当を引き下げたり、2014年に一般職採用が始まってから4年経ってみて、必要性を見直したりした。住居手当は転居を伴う転勤のある人のためのものであり、受給者も5000人で一般職の4分の1程度。本当に手当を一般職に支給する必要があるか考えたときに、必要性が薄いと判断した」
 とはいえ、事実として前出のAさんのような、待遇の引き下げにより生活が困窮するとの声をどう考えるか。
「確かに住居手当の引き下げで、年間30万円下がるという決定はしたが、10年間かけて段階的に引き下げる経過措置を取っている。引き下げ対象者(一般職)は2017年度の給与水準を下回らないように当面、差額保障を行う。10年の間にコース転換や持ち家に移るなど動きもあるだろうし、30万円がただ消えることはない」と、安瀬さんは説明する。
 待遇改善のための持ち出しは、グループ全体で370億円、それとは別に経過措置で140億円。寒冷地手当や住居手当の見直しなど、手当の引き下げによるコストカットは50億円強と、相殺するような金額でもないという。
 ただし、引き下げに伴う差額保障などについて「理解できていない社員もいるし、理解のための説明も足りない面が多々ある」と、認めた。
◆なぜ正社員の待遇を見直したのか
「政府が非正規の労働条件を引き上げようという、働き方を改善する大きなうねりに沿った判断。郵政グループには約20万人の非正規社員がいて、大きな戦力であり、必須の人材。そういう意味で、上げないという選択肢はなかった。待遇の改善はモチベーションの向上につながる」(安瀬さん)
 その一方で、正社員側の引き下げについてはこう説明する。
「郵政グループとして社会、経済環境の変化を踏まえて、今日的観点から、待遇の見直しは定期的に行なっている。これまでも評価基準の変更で給与にメリハリをつけて、大きな引き下げがあった社員もいる。そうした流れの一環として今回、政府の家計調査を参考に寒冷地手当を引き下げたり、2014年に一般職採用が始まってから4年経ってみて、必要性を見直したりした。住居手当は転居を伴う転勤のある人のためのものであり、受給者も5000人で一般職の4分の1程度。本当に手当を一般職に支給する必要があるか考えたときに、必要性が薄いと判断した」
 とはいえ、事実として前出のAさんのような、待遇の引き下げにより生活が困窮するとの声をどう考えるか。
 「確かに住居手当の引き下げで、年間30万円下がるという決定はしたが、10年間かけて段階的に引き下げる経過措置を取っている。引き下げ対象者(一般職)は2017年度の給与水準を下回らないように当面、差額保障を行う。10年の間にコース転換や持ち家に移るなど動きもあるだろうし、30万円がただ消えることはない」と、安瀬さんは説明する。
 待遇改善のための持ち出しは、グループ全体で370億円、それとは別に経過措置で140億円。寒冷地手当や住居手当の見直しなど、手当の引き下げによるコストカットは50億円強と、相殺するような金額でもないという。
 ただし、引き下げに伴う差額保障などについて「理解できていない社員もいるし、理解のための説明も足りない面が多々ある」と、認めた。

>“日本郵政ショック”非正規の待遇改善に正社員の手当削減は「悪い見本」か(Business Insider Japan 2018.4.13)
https://www.businessinsider.jp/post-165630

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