京都五山送り火薪事件を教訓としてほしい

夏休みになるということで、ネタ仕込みを始めたらあまりにも多すぎて倉庫がいっぱいになってしまった(冗談…実はストックしても半分以上は捨てている)。したがって、最近、心を痛めた話題から。しかし、一転して、受け入れとなったのは、正直、嬉しい。京都の方というのは、取っつきは悪いが、心根は優しく、東京人としては、大阪人よりもつきあいやすい。その京都で、風評差別事件が起きたことに、そして被災地や東北の皆さんをここまで悔しい思いにさせたことが、実に哀しかった。ぜひとも、良い方向に全力で進めていただきたい。まず、直近のニュースを掲げておく。

>被災地の薪、一転燃やすことに…京都・送り火(読売新聞 8月10日)
 東日本大震災の津波に遭った岩手県陸前高田市の松で作った薪(まき)を「京都五山送り火」の大文字で燃やす計画が中止された問題で、送り火の各保存会でつくる京都五山送り火連合会は9日、陸前高田市から別の薪500本を持ち込み、16日の送り火で燃やすことを決めた。中止に批判が相次ぎ、京都市の要請で連合会が協議。まずは大文字以外の四山の保存会が受け入れを了承、大文字保存会には今後打診する。
 新たな薪は陸前高田市のボランティアらの協力で調達、10日にも京都市に運ばれる。放射性物質が含まれないことを確認後、市民や観光客、京都を訪れた被災者らに、鎮魂や復興への思いを込めた言葉を書いてもらうことを検討している。


いや、ネット上には、凄まじい書き込みが多数書き込まれていた。日本人の、精神風土が荒んでいるとはいえ、ここまで言うか…と呆れかえった。以下の文章は、まだ上質と思われるので紹介。

>京都の被災地差別に抗議する(2011年08月08日)
 こんな無知な観光都市に行くのは、もう止めた方がいい。結局、被災地の風評被害を煽るだけだった。関西だって少なからず放射能に汚染されている訳で、そんなに嫌だったら料亭のように紹介状の無い人は全て断ればいい。
 薪よりも、放射能を理解できない京都の方がよっぽど怖い。東北出身者や関東の人々は、京都に行ったら差別されるかもしれない。無知ほど怖いものは無い。想像力の無い人間は哀れである。
 まして、観光で商売している京都がこういう対応を取るとは‥。好きで京都に行く事はないけれど、周りに京都に行く人がいたら止めるように話をしようと思う。自分自身でも行くのは止めようと思う。


とにかく、マスコミもどう評すればいいのか、悩んだらしく、ほとんど触れない間に改善方向に進んだが、これから、さらに恐るべき事態が起きる可能性すら感じる。風評差別の是正として、いい教訓とすべきかもしれない。マスコミ的には、滅多に紹介したことはないが読売のコラムを掲げておく。

>8月9日付「編集手帳」
 都々逸にある。〈松という字を分析すれば きみ(公)とぼく(木)との差し向かい〉。人と人とが寄り添う。差し向かいになるはずが、相手からツンとそっぽを向かれた松は気の毒である◆大津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松で作った薪(まき)を「京都五山送り火」(今月16日)で燃やす計画が中止になった。放射能汚染を心配する声に配慮し、大文字保存会(京都市)が判断したという◆犠牲者の名前や復興の願いが書き込まれた薪は、鎮魂の祈りとともに京都の夜空を焦がすはずであったが、それも残念ながら叶(かな)わない◆高田松原は原発から遠く離れ、検査でも薪から放射性セシウムは検出されなかった。それなのに、である。この一件は例外的な出来事であって、被災地の人々や産品を科学的根拠もなしに遠ざける心が知らず知らず、日本人の胸に根を張ったのではないと信じたいが、さて、どうか。一人ひとりが胸に手をあててみる機会になるなら、不幸な松たちも幾らかは浮かばれよう◆「大」という字を分析すれば、おのれ一人がいるばかり。寄り添う心を持てない世の中はさびしい。
(2011年8月9日01時28分 読売新聞)


実は、放射能被害は、さらに想像を絶している可能性があり、さらに拡がる危険性もある。福島中から子供たちが避難しているが、ホットスポットは福島だけではなく、凄まじいレベルの放射能が拡散し、染みついている可能性もある。東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授が「福島第一原発の事故で漏出した放射性物質は広島原爆の約二十個分」と証言した衝撃は実に大きいものだった。そして、8/9のブログ「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」によれば「1,2,3号機あわせれば広島原爆4000発分相当の核分裂生成物 」が福島第一原発にはあったとある。そこまで原発が怖ろしいものであることを認識していなかった、といえばそれまでだが、無知ゆえに、知ったリアクションは怖いとおもう。知らない人向けの説明として、児玉さんと小出さんの説明を(小出さんのは長文ゆえ要約してある)、紹介して、ブログとしては手抜きの感もあるが今日は終了。

>児玉龍彦 衆議院厚生委員会説明資料
100kmで5μ、200kmで0.5μの意味。広島原爆の20−30倍の放射性物質の飛散
福島原発放出量の熱量からの概算
広島原爆は、63兆ジュールの熱
福島原発は爆発した4つの炉で1日でこの18倍の熱(東電)。燃料棒が3年持つとして、19710個に相当する。
今回その0.15%が放出(原子力保安院)とすると29.6個分の放出となる。
福島原発放出量の放射線量からの概算
チェルノブイリ  5.2-14エクサベクレル
福島        0.77エクサベクレル
チェルノブイリはウラン235で換算200kg相当、広島が1kg相当とみられ、その十分の一の福島は20個分のウラン235換算20kg相当の放出が想定される。
2011.7.27


>2011年8月9日、小出裕章氏がたね蒔きジャーナルに出演されました。内容は、原爆と原発メカニズムの説明でした。その内容を文字に書き起こしました。
○今日は長崎で66回目の原爆の日を迎えております。そこで今日は、原爆と原発の事故というのはそもそも科学的にどう違うのかと、いうメカニズムを教えていただきたいと思います。
小出「原爆というのは、むき出しの原子炉だと思っていただければいいですけれども。核分裂をしたときに強烈な放射線が飛び出して きますし。その時に核分裂生成物という放射性物質ができます。原爆の場合には、核分裂をしたときの強烈な放射線がまず降り注ぎますし、その時にできた核分裂生成物という放射性物質があとあとまでも影響を及ぼすという形になります。原子力発電所の場合には、核分裂自身は原子炉の中で起きているわけで、強烈な放射線はほとんどはエネルギーという形に変換されて電気になる、あるいは海を温めるという形になっているわけです。ただできた放射性物質、まあ核分裂生成物という放射性物質自身は、原爆でできるものと同じ物で、それが今回の事故のようなことになると、大量に吹き出してきて環境を汚すということになります。」
○今おっしゃった、核分裂してできる放射性物質というのは、核兵器としての原爆の時には死の灰という言葉がありますが。それのこですか?
小出「それのことです。ただし原爆の場合には核分裂した直後に全てが、その場から放出されるのですね」
○つまり一瞬のうちにこの死の灰を含めて全部外に放出されるんですね
小出「そうです。ですから短い寿命の放射性物質も、全てがその場で放出されてくる。ただし原子力発電の場合には、核分裂してできた放射性物質、核分裂生成物のうち短い寿命の放射性物質は原子炉の中にある間にある程度なくなってくれているわけですね。ですからある程度寿命の長い放射性物質だけが事故の時に吹き出してくるという形になります。」
○原発の場合、その強烈なエネルギーを1箇所の原子炉の中に閉じ込めるという技術が、原爆よりはかなり難しく思われるんですが…
小出「強烈な放射線とは、アルファー線、ベーター線、ガンマー線、あるいは中性子線 という形でそれが吹き出してくるわけですが、原子炉の炉心と呼ばれてる部分で、アルファー線やベーター線は簡単にエネルギーに変換されますし、ベーター線のかなりの部分はエネルギーに変換され、中性子もそれなりに変換されながら周辺のものを放射化させるという形に なってしまいます。それらを全てまあ制御しながらやっているのが原子力発電という技術です。」
○それは例えば、原爆の被害にあわれた人にとっては、凄まじい熱線が来たと…。この熱線が今おっしゃったエネルギーに変換されたものですか
小出「そうです。熱線と爆風にほとんどのものは変換されています。」
○それが原子力発電所の場合は?
小出「その発生した熱を使って、水を沸騰させて、出てきた蒸気でタービンを回すというのが原子力発電です。タービン発電機がつながっていて、電気が起きるというそういう仕組みになっています」
○じゃ、エネルギーの大きさは核兵器の原爆と比べてどうなんでしょうか。
小出「広島の原爆の場合には、ウランが800グラム燃えました。大量の放射線と熱線と爆風がまずは起きて、核分裂生成物という放射性物質が周辺を汚染して、また人々を被ばくさせました。原子力発電所の場合には、100万キロワットというのが標準になっていますが、その場合には1日に3キログラムのウランを核分裂させます。つまり広島原爆約4発分のウランを毎日毎日核分裂させながら電気を起こして海を温めて、そしてできた死の灰は原子炉の中に溜まっていくという、そういう機械が原子力発電所です。」
○今回、福島の事故でよく使われてる比較があって、広島型原爆の20発分とか…先生は当初もっと大きい単位のことをおっしゃられた気がするんですけど、今までわかってるデーターでは例えば何発分という言い方が近いんですか
小出「多分100発を超えてると思います。広島原爆がばらまいた、核分裂生成物。その中の代表的な核分裂生成物はセシウム137という核分裂生成物です けれども。その広島原爆がばらまいたセシウム137の100発分を越えるセシウム137を福島第一原子力発電所の事故で、すでに環境にばらまいたというこ とです。」
○え、100発分のセシウムがもうすでにばらまかれたんですか。中にまだ格納容器の中にあるんではないんですか?
小出「違います。大気中にばらまかれました。そして今12万トンの汚染水として、多分それを越えるものが汚染水の中に存在しています。福島第一原子力発電所の第一基は46万キロワット、第2、第3は78万キロワットですので3基合わせ ると200万キロワット分あります。1日3キログラムのウランを燃やします。つまり1年間に約1トンのウランを燃やしています。で、広島原爆は800グラムですから、ゆうに1000発分を超えます。そしたら200万キロワット分あるわけですから1年間に2000発分を超える核分裂生成物を生み出しています。そして原子炉という のは1度動き出しますと、約3年経たないと燃料を取り出しませんので、平均すれば、約2年分くらいは原子炉の中にたまってるはずです。ですから、1号機2号機3号機を合わせれば広島原爆4000発分に相当するぐらいの核分裂生成物が、炉心の中にあったのです。そのうちわずか100発とか200発あるいは300発と私は言っているわけですから、えーまだまだ大量の放射能は、閉じ込められた形で残っています。」
○4000発のうちの100発というような大雑把な言い方をするとそういう事ですね。それがさらに出ていく恐れっていうのはあるんですか?
小出「もちろんそれがないことを願っていますが、完全に無いと断言できない状態に私はいます。東京電力も今現在炉心を冷やそうと作業員の方々が大量の被曝をしながら作業してるということは、その破局的な被害を防ごうとしているからです。」
○完全に無いと言えるにはどうしたらいいんですか?
小出「原子炉をこれ以上溶かさないことです。なんとか作業員のかたに頑張って欲しいと願いますし。多分東京電力もそうしようと思っていると思います。」
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