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zoom RSS 沖縄を脅し続ける政府に抗し大訪米団派遣

<<   作成日時 : 2011/11/08 07:31   >>

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各紙をチェックしているわけではないが、共同通信配信で琉球新報等には、実に興味深い米国CNNでの報道が紹介されている。それは日米関係や安全保障に詳しいマイク・モチヅキ米ジョージワシントン大教授とマイケル・オハンロンブルッキングズ研究所上級研究員による「日本での米軍基地計画の再考を」との共同寄稿であり、「在沖海兵隊、米本土に」との「後方展開」を主張している(11月6日)。両氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について、仲井真弘多県知事や稲嶺進名護市長が反対していることを挙げ実現性に疑問を示し、沖縄に前方展開している海兵隊員8千人の移転先をグアムではなく米カリフォルニア州に置き、その上で追加装備を積載した艦船を日本の領海に展開させることで、緊急時にも対応が可能としている。そして、続けてこう主張したという。

>辺野古移設計画について両氏は「重大な問題がある」と強調。2010年1月の名護市長選で辺野古移設に明確に反対する稲嶺進氏が当選したことや、仲井真知事が県外移設を求め再選されたことを挙げ、「(知事が)新空港建設に必要な埋め立て申請を拒否するのはほぼ確実」「建設を強行すれば、沖縄にある、より重要な米軍基地を抱える人々の意欲を損なう」と、実現性に疑問を示した。
 また「米国の予算緊縮の時代に計画はあまりにも高額過ぎる」と指摘。海兵隊の本拠地をカリフォルニアに戻し、日米が海兵隊のための追加装備を購入し、日本の領海の海兵隊艦船に事前集積する戦略にシフトすることで、日米がそれぞれ150億ドル(1兆1700億円)ずつ負担する現行計画から約100億ドルを節約できると主張している。
 さらに「(今後)避けられない広域的な海兵隊の縮小によって、既存基地に(沖縄から移る)海兵隊のためのスペースを造り出す」と指摘。事前集積艦に関し「日本の領海内だと有事に早急に出動できる」とし、東南アジアでの米国の能力が維持できると主張している。
 また、軍事技術の高度化を背景に、グアムに多くの攻撃型潜水艦や無人機などを配置できるなどとし、「提案が西太平洋に対する米国の深い関与を弱めるという誤った知見に反論できる」と強調している。


とにかく、異常なばかりの有力政治家の訪沖が続いている。しかし、誰一人として、辺野古を視察し、県民の声に直接耳を傾けようとの姿勢は見せていない。折角の仲井間知事の来京に対して10月28日の読売新聞は,以下のように「沖縄知事の初会談、物別れ承知で臨んだ首相」と報じた。

>野田首相は27日、首相官邸で沖縄県の仲井真弘多知事と初めて会談した。首相としては、知事の主張に真摯)に耳を傾ける姿勢を示すことで、沖縄県とのもつれた糸を少しでも解きほぐす狙いがあったとみられる。
 知事「普天間飛行場が辺野古へ(移設)というのを報道で知ったが、事実上不可能だ。極めて残念だ」
 首相「日米で環境影響評価書を提出する準備をしている。(県民と)よく意思疎通、意見交換してやっていきたい」
 会談は地元首長らの要請活動の一環として沖縄県側の求めに応じて行われ、仲井真氏のほか、稲嶺進名護市長を含む11市町村の首長らが同席した。出席者によると、8割以上は辺野古移設に反対する沖縄側が発言し、首相はほぼ聞き役に回ったという。
 政府内では、当初、首相と知事の初会談について、「普天間問題打開の最後の切り札」として温存すべきだとの意見と、「信頼関係を築くには早期にトップ同士が会った方がいい」との二つの意見があった。今回、沖縄側が大挙して上京したことで、「面会要請を断る理由もない」(首相周辺)として、首相は、物別れになることを承知のうえで、会談に臨んだようだ。政府は、今後もあらゆる手段を使って知事の軟化を促していく方針だ。


これらの対応を、琉球新報のコラムはこう皮肉った。

>「金口木舌」 2011年11月6日 
名護市の大浦湾を船で見学した際にもらったパンフレットがある。地元の自然保護に携わる人たちが協力して作った。鮮やかな写真を眺めていると海中を散歩している気分になる▼湾内の海草がジュゴンの餌場になっていることや地元の伝説、海と人の関わりも紹介している。森から川、集落、海へと続く命のつながりも見えてくる。題名通り「ジュゴンの棲(す)む海」の豊かさがひと目で分かる▼大浦湾といえば、普天間飛行場の代替施設建設予定地に面する海。パンフレットはジュゴンの海を守るために人が考えるべきことも挙げている。その一節に「埋め立てなどの大規模開発を避けること」ともある▼このパンフレット、実は環境省が発行元。政府が作ったせいか「基地」とは一言も出てこない。ただ全体に流れるメッセージは「豊かな海に基地は要らないよ」と言っているようだ▼10月には閣僚や防衛相経験者が相次いで沖縄を訪れたが、大浦湾を見たのはわずか。それもキャンプ・シュワブの中から目視しただけだ。船上から見る大浦の海は透き通って美しい。名護まで来ながらそれを見ずに帰るとはもったいない▼百聞は一見にしかず。次に来る大臣は、ぜひとも「政府公認」のパンフレットを手に大浦湾に足を運んでもらいたい。政府が基地を造ろうとしている海が豊かな自然に恵まれた所だと分かるはずだ。


しかし、本土のマスコミの中では読売・産経・日経を軸に、沖縄は「世界平和のために海兵隊基地を引き受けるべきだ」とのトーンを続けている。酷かったのは、読売の一昨日の社説で、ここまで言うかとあ然とした。未だに対立が続く八重山地区中学校の公民教科書・育鵬社強制問題で、文科省に同調しこう主張した。このアホらしい、現実をなんら把握していない感覚は、本土侵攻を防ぐために沖縄を犠牲とした戦前の感覚から何ら変わっていないことを示している。

>沖縄の教科書 混乱招いた竹富町の独自採択(11月6日付・読売社説)
 <前略>問題の発端は、八重山地区の教育委員らで構成される採択地区協議会が8月、育鵬社(東京)の教科書を選ぶよう3市町教委に答申したのに対し、竹富町教委だけが別の教科書を採択したことだ。
 公立学校の教科書の採択権限は市町村教委にあるが、教科書を国費で配布することを定めた教科書無償措置法は、複数の市町村からなる広域地区では同じ教科書の採択を義務づけている。教師が地域で教材の共同研究をしやすいことや、子供が近隣の市町村に転校しても同じ教科書を使える利点があるためだ。
 このため文部科学省は、八重山地区で同一の教科書を採択するよう求めてきた。しかし、竹富町は独自の採択を譲らなかった。文科省は先月末、現状のままでは竹富町に教科書を無償提供できないとの方針を明らかにした。竹富町の独自採択は、無償措置法に抵触するとの判断からだ。一方で文科省は、竹富町が町費で教科書を購入し、生徒に無償で配ることまでは法令で禁じられていないとの考えも示した。
 収拾策の意味合いがあるのだろうが、仮にこうしたやり方で竹富町の独自採択が容認されれば、「自費で賄うから」と追随する自治体が現れ、今後も同様の混乱が起きる可能性がある。文科省と沖縄県教委は竹富町に対し、現行法を順守するように強く働きかけるべきである。
 育鵬社の教科書は、「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが執筆している。国旗・国歌や日本の伝統・文化に関する記述が詳しいのが特徴だ。八重山地区は昨年、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で緊張が高まった。尖閣諸島など領土問題の記述の充実が、採択協議会が育鵬社版を選んだ大きな理由だった。
 「つくる会」の教科書の採択を巡っては、過去にも何度か反対運動が起きた。今回も、沖縄県内で一部の教職員組合や市民団体が強く反発した。大切なのは、今回のような事態が再発しないよう、文科省が必要な措置を講じることだ。教科書採択に関する法律や制度を点検し、改善すべき点がないかどうか、議論を始めてもらいたい。


とにかく、心ある本土の人間は、米軍基地撤去をはじめ、沖縄問題に注目し、声をあげ続けて欲しい。『労働情報』に「沖縄」を連載し続けている由井晶子さん(『沖縄 アリは象に挑む』著者)は、米国内で辺野古見直しの動きがあることを好機として、直接、米議会への直訴・米国世論へのアピールをしようと、市民連絡会など7団体を中心に全沖縄レベルで大訪米団を派遣する運動が起こっていると伝えている(『労働情報』11/1号)。わくわくする取り組みであり、日本政府のあわてふためく態度が目に見えるようだ。それでは、読売新聞の口直しに、いくつか優れた社説を紹介して終える。なお、連合沖縄は連合本部のスタンスとはことなり、教科書問題をはじめ抗議行動等を継続していることを付け加えておく。

> 研究者論文 米本国移転は合理的だ(球新報社説 2011年11月7日)
 米国の研究者が論文を発表し、在沖米海兵隊の米本土移転を主張した。しかも米大手メディアCNNのサイトでの掲載だ。従来の米軍再編計画に懐疑的な見方が米国内でも主流であることを物語る。
 論文は、現下の米国の財政事情、米軍の能力・役割、沖縄の政治・社会情勢を踏まえて合理的に論じており、説得力がある。
 野田佳彦首相や関係閣僚はこの論文を読むべきだ。外務・防衛官僚ら「安保マフィア」の振り付け通りの「思考停止」から脱し、こうした合理的思考を取り戻してもらいたい。
 発表したマイク・モチヅキ米ジョージワシントン大教授とマイケル・オハンロン米ブルッキングズ研究所上級研究員は、日米関係・安全保障論で有数の専門家である。
 両氏は、在沖海兵隊員8千人の移転先をグアムではなく米本国の西海岸にすべきだと主張する。戦争時またはその直前に配備すべきだという「有事駐留論」に近い。
 論拠は二つ。一つは沖縄の政治情勢だ。「仲井真弘多知事が埋め立て申請を拒否するのは確実」と述べており、9月訪米での知事の講演が実を結んだ感がある。
 2点目は「計画はあまりに高額過ぎる」ことだ。米政府監査院(GAO)の見積もりによると、従来計画は最低291億ドル(2兆2756億円)を要する。日米それぞれ1兆円以上もの負担だ。
 これに対し、両氏の主張通り事前集積船を日本近海に展開する戦略だと、それぞれ3900億円で済む。どちらが合理的か、誰の目にも明らかだろう。
 そもそも米軍再編は、軍事技術革命(RMA)を踏まえた米軍の合理的な再配置が目的だった。
 近年の軍事技術の飛躍的発達により、軍の配置は必ずしも限定されなくなった。戦車を装甲車に変えるなど軽量化して機動力を高め、世界中どこでも96時間内に展開できるストライカー旅団はその象徴だ。高速輸送艦の存在もある。
 技術発達で、無人機による爆撃など、空軍が鍵を握るようになったという事情もある。これらにより軍の海外展開は最小限にするのが可能、というのが出発点だったはずだ。
 論文はその出発点を思い起こさせる内容だ。戦費負担に苦しむ米国、震災復興需要を抱える日本と、巨額の財政支出を避けたい事情は両国に共通する。合理的結論に早く目を見開くべきだ。

>[米国防長官来日]泥沼化させるつもりか(沖縄タイムス社説  2011年10月26日 )
 来日したパネッタ米国防長官は野田佳彦首相、玄葉光一郎外相、一川保夫防衛相と相次いで会談した。玄葉氏、一川氏は辺野古を埋め立てるための環境影響評価(アセスメント)の最終手続きとなる「環境影響評価書」を年内に県に提出する方針を伝えた。野田首相がオバマ大統領から圧力を受けた結果だ。パネッタ氏もアセスの「前進を促したい」と求めていた。
 仲井真弘多知事はじめ、沖縄が明確に反対する中での日米両政府による辺野古移設推進の確認である。露骨な県民無視であり、到底受け入れることはできない。
 沖縄本島には米軍飛行場が二つもある。宜野湾市に普天間飛行場、中部3市町にまたがって嘉手納基地が居座る。普天間は約2800メートルの滑走路が1本、嘉手納は4000メートル級の滑走路が2本ある。在日米軍の飛行場は本土に横田(東京)、厚木(神奈川)、三沢(青森)、岩国(山口)があるが、二つも抱えている自治体は沖縄のほかにどこにもない。
 飛行場を減らすのならまだしも、辺野古への移設が「在沖米軍の影響を低減させる」(パネッタ氏)、「最も大きな軽減策」(一川氏)というからあきれ返る。沖縄の実情を知らない者の言葉である。普天間の代わりに辺野古に、機能強化した最新の飛行場が建設されるのである。約1800メートルの滑走路が2本のV字形である。どこが負担軽減なのかとても納得できない。
 しかも安全上の問題をはらむMV22オスプレイが配備されるのだ。普天間、嘉手納の実態を見るまでもなく、米軍飛行場は国内法の制約をほとんど受けず、日米合意した騒音防止協定も守られていない。民間地上空を飛行し、爆音をまき散らす。通告なしに外来機が頻繁に飛来し、爆音は激化するばかり。住民が司法に訴えても「第三者行為論」を持ち出して、飛行の差し止めは実現しない。司法は逃げ、米軍には口を出さない姿勢だ。
 パネッタ氏は米軍兵士らを前に日米同盟の重要性を強調し、「今後、50年も同じように変わることはないだろう」と述べた。沖縄をさらに基地に縛る考えと受け止めざるを得ない。沖縄戦終結から数えると優に100年を越える。沖縄を半永久的に軍事要塞(ようさい)化するつもりであると言っているのに等しい。日本本土に基地を分散させることは何ら考慮しない。とても容認するわけにはいかない。
 鳩山由紀夫元首相が主張した「少なくとも県外」が失敗し、政権を投げ出した「鳩山トラウマ」が民主党には残っている。米国の虎の尾を踏んだとの思いが強く、菅直人前首相は何もせず、野田首相は米側の圧力を受け、辺野古移設を進める考えだ。
 なぜ沖縄か。海兵隊が沖縄でなければならない特段の理由はないというのは、もはや常識である。
 米軍基地を沖縄に閉じ込めておけばいいという考えはおかしい。思考停止は戦後ずっと続いている。国会議員も国民も対米関係を真正面から問い直す気概を見せてほしい。

>アセス年内要求 脅せば言いなり、は誤りだ(琉球新報社説 2011年10月17日)
 手を替え品を替え、沖縄側を脅迫している印象がある。米軍普天間飛行場をめぐる日米両政府の対応のことだ。脅せば言いなりになるという見立ては誤りだと、何度繰り返せば気付くのだろうか。
 辺野古移設の環境影響評価(アセスメント)の「評価書」について、米政府が日本政府に対し、沖縄県への年内提出を確約するよう求める方針という。
 それが事実なら、心理的圧力をかけることで日本国民が焦り、焦るあまり「なぜ移設に応じないのか」と沖縄側に迫る、そんな構図を米側は描いているのだろう。沖縄に対する国民的包囲網の構築、という図式だ。
 米政府の意向というこの情報を流したのは、おそらく日本の外務・防衛官僚だ。日米の「安保マフィア」の情報操作の一環と見るべきだろう。野田佳彦首相にオバマ米大統領が移設実現を迫ったという話をキャンベル米国務次官補が「捏造(ねつぞう)」したことが先日明らかになったが、それとも通底する。
 県外移設を模索した鳩山由紀夫首相(当時)を尻目に、米側に「早計に柔軟さを見せるべきでない」と「助言」した高見沢将林防衛政策局長(同)らのごとく、政権党や国民より米国の利益を優先する官僚の姿が浮かび上がる。
 財政悪化で、米政府は議会から軍事費の大胆な削減を迫られており、11月にもその方針を示さざるを得ない。今の日米合意は風前のともしびだ。加えて、県民の辺野古移設拒否の意志は固い。移設実現を本気で信じている人は日米両政府でも今や少数派だ。
 日米合意が崩壊し県外・国外移設に至ってしまうと、交渉当事者だった自分たちの外交的無能力がさらけ出される。「安保マフィア」はそれを恐れているのだろう。彼らの焦りから生まれた「心理的圧力」を、真に受ける必要はない。
 沖縄が要求しているのはほんのささやかなことだ。嘉手納より南の米軍基地一部返還に加え、普天間の県内移設を断念しても、米軍専用基地の沖縄への集中率は74%から73%へ、わずか1ポイント下がるだけにすぎない。
 他の都道府県には一度たりとも正式に打診したことなどなく、沖縄には県議会決議も知事の意見も無視して移設を押し付けようとするのは、明らかに差別だ。基地集中率1ポイント低下というわずかな願いすら踏みにじるのは理不尽だと、早く政府に自覚してもらいたい。

>普天間移設 辺野古案は実現困難だ(毎日新聞社説 2011年10月17日)
 野田内閣の閣僚による「沖縄訪問ラッシュ」である。先週の川端達夫沖縄担当相に続き、16日には一川保夫防衛相が沖縄入りし、17日に仲井真弘多知事と会談する。玄葉光一郎外相も19、20両日、訪沖する。
 米軍普天間飛行場を名護市辺野古に「県内移設」するとした日米合意の履行に向けて、米政府に真剣に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるのだろう。野田佳彦首相の年内訪沖の地ならしの意味もある。
 しかし、「県外移設」を求める沖縄が政府に歩み寄る展望はない。実現の道が見いだせない辺野古への移設にしがみつくのは、もう限界である。野田政権は、日米合意を見直して、米国、沖縄双方が合意できる方策を検討すべきである。
 野田政権は、沖縄・米空軍嘉手納基地の戦闘機訓練をグアムに一部移転することで米政府と合意し、沖縄側が要望する使途を限定しない一括交付金制度創設を打ち出した。沖縄との関係改善を図りつつ、辺野古への移設に向けた突破口を開きたい、というのが野田政権の考えなのだろう。が、沖縄側は一連の施策が辺野古移設の「取引材料」となるのを強く警戒している。
 一方で、政府は、辺野古移設に向けた環境影響評価の評価書を年内にも沖縄県に提出する考えだ。辺野古に新たな滑走路を建設するのに必要な埋め立てを知事に申請する作業の一環である。「具体的な進展」を求める米側の意向を踏まえた動きでもある。だが、このまま辺野古移設への手続きを進めれば、沖縄側の態度を一層硬化させかねない。
 沖縄に米軍基地が集中する現状が本土による「差別」ととらえられ、強い不満と不信が渦巻いている現状では、新たに県内に基地を建設するのは容易でない。日米合意の見直しなしに、民主党政権下でこじれきった沖縄との関係を修復し、普天間問題を解決するのは困難だ。
 米議会は、普天間移設と連動する在沖縄海兵隊のグアム移転費に対する削減圧力を強めている。議会内には、普天間の嘉手納基地への統合を模索する動きもある。嘉手納に限らず、現存する米軍基地に統合するのも一つの方策かもしれない。地元住民に危険性や生活被害が増大することに強い懸念があることを考慮すれば、現存基地への統合は、騒音など住民の負担が現在より軽減されることが前提になるのは言うまでもない。
 普天間移設の原点は周辺住民の危険性除去である。辺野古への移設か普天間の継続使用(固定化)か、と二者択一を沖縄に迫り、辺野古移設に同意を求める手法では展望は開けない。野田首相は、現実を見据えて取り組んでもらいたい。

>[評価書年内提出]民主主義が泣いている(沖縄タイムス社説 2011年10月19日)
 沖縄の米軍基地は、嘉手納飛行場のように旧日本軍の飛行場を整備拡張して継続使用しているものと、復帰前、絶対権力を背景に土地を接収し、新規建設したものがほとんどである。米軍統治下の軍事優先政策と、復帰後の基地維持政策の結果、沖縄は今なお、「小さなかご(島)にあまりにも多くの卵(基地)を詰め込んでいる」(米国務省高官)ような状態だ。
 この過重負担をどのように解消するかが普天間問題の出発点である。市街地のど真ん中にあって米軍の安全基準さえ守られていないような飛行場をこれ以上放置することは許されない。
 もう一つの普天間問題の原則は、地元自治体や住民の意向を無視して頭越しに移設作業を進めてはならない、ということだ。だが、野田政権は、米国政府から具体的な進展を求められ、この原則さえ、踏みにじろうとしている。
 一川保夫防衛相は、県庁で仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場の辺野古移設に向け、年内に環境影響評価(アセスメント)の評価書を県に提出する方針を伝えた。
 評価書を受け取った場合、県知事は90日以内に意見書を提出することになるが、知事意見に沿って修正を加えれば政府は知事に埋め立てを申請することが可能になる。県知事、名護市長をはじめ自治体、議会、政党そして大多数の県民が反対しているにもかかわらず、これを無視して評価書を提出するのは、原則からの重大な逸脱だ。政府には再考を促したい。
 環境影響評価は(1)方法書の提出、公告・縦覧、意見書送付(2)準備書の提出、公告・縦覧、意見書送付(3)評価書の提出、公告・縦覧、意見書送付―などの手順を踏む。政権交代後、移設先をゼロベースで検証していた鳩山政権は、評価書の提出を「当面先送り」する方針を確認。現在に至るまで凍結状態が続いていた。
 この時期に凍結解除に踏み切るのはなぜか。理由はただ一つ。具体的な進展を求める米国の圧力に抗しきれなくなったからだ。オバマ政権はなぜ今、圧力を強めているのか。これも理由はただ一つ。海兵隊のグアム移転をめぐる米議会での審議が12月にヤマ場を迎えるからである。米議会が米政府に圧力をかけ、米政府が日本政府に要求し、沖縄の民意を背負って米政府と交渉すべき日本政府は逆に、米国の便益を優先して沖縄の頭越しにことを進める。こんなあべこべがまかり通っていいのだろうか。
 海兵隊のグアム移転経費は、当初の想定を大幅に超えて膨らんでいる。米議会が現行計画の見直しを求めているのは、財政負担が大きいことが主な理由だ。
 巨額の復興財源を必要とする日本も、台所事情は変わらない。復興増税に消費税増税、年金の支給開始年齢引き上げも検討されている。このような時期に、国は一体、どれだけの国費を辺野古移設に投入するつもりなのか。


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