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zoom RSS 有給休暇を取れない国の体質が原発再稼働を許している

<<   作成日時 : 2012/06/24 06:49   >>

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CNNが「有給消化しない米国人が多数派に、人員削減で仕事量増大」とのニュースを5/21に報じていた。さて日本と比べるとどうだろう、との疑問が生じるかもしれないが、まったく「制度」と「環境」が違うことを書いてみたい。というのも、すでにレイバーネットでも掲載されていたので、多くの方が読まれたと思う東京東部労組の<「有給休暇」関連相談事例から=2012年4月にNPO法人労働相談センターと東部労組に寄せられた「有給休暇」関連相談>に描かれた現実は、ほとんどが「法違反」であり、是正されなければ経営者は刑事罰ともなり得る「犯罪」だということが認識されなければならない。ここに書かれている現実は先進国ではあってはならない。政・労・使とも、本来は猛省すべきなのだが、何ら反省も自覚もないところがこの国の劣化の深刻さを現している。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/8522e07db9eeb1d0c1f7203d84b88658

なお、監督官庁はこの現実を十分把握しており、東部労組の石川さんもツイッターで掲げていたが、6/25付けの労働新聞は、こんな記事を掲げていた。

本社事務所へ集中監督――上野労基署
東京・上野労働基準監督署(眞鍋克裕署長)は今年度、一定規模以上の本社事務所に対し集中的な監督指導を実施する。9割近い事業場で36協定の超過や割増賃金の不払いを中心とした労働基準関係法令違反が発覚したためで、年末にこれまでの監督指導結果に基づく集団指導を行う考えである。本社事務所の労働者からの労働相談がめだち、件数全体に占める割合は15%、申告においても14%に上っていることから取組み強化が急務となっていた。


もっとも労基署の指導に対する違反隠しという「いたちごっこ」は、さらに巧妙になっており、「集団指導」ではない抜き打ち査察や悪質企業への刑事罰適用等も必要なのだが、いかんせん監督官が足りないのもジレンマだ。

さて、冒頭に掲げたCNN記事の内容は以下の通りだ。

>ニューヨーク(CNNMoney) 米国の勤労者の約57%は2011年末の時点で未消化の有給休暇があり、未消化日数は与えられた日数の約70%に当たる平均11日に上っていることが、米調査会社ハリス・インタラクティブの調査で分かった。
 一方、従業員1人当たりの利益は過去10年で最高に達しているという別の調査もある。景気後退で企業が人員削減に踏み切る中、残った従業員の仕事量が増え、休暇を取る余裕がなくなったことも背景にあるようだ。
 調査会社ケルトンリサーチの調査に対し、回答者の1人は「仕事を代わってくれる人がいない。もし長期休暇を取れば、戻ってきた時に大量の仕事が手つかずのまま山積みになり、メールが何百通もたまっているだろう」と打ち明けた。
 5人に1人は旅行をするだけの金銭的余裕がないことを挙げ、雇用が不安定な中で休暇を取るのは不安だという回答も9%を占めた。
 米国にはほかの先進国のように、従業員に有給休暇を与えることを義務付ける法律が存在しない。英国では従業員に28日以上の有給休暇を与えることを雇用主に対して義務付け、フィンランドとフランス、ギリシャでは25日、日本では20日の有給付与を、一定の条件の下義務付けている。


日本の年次有給休暇取得は、2009年、平均8.5日で取得率47.1%(厚生労働省の就労条件総合調査結果=常用労働者が30人以上の企業4406社の回答)となっている。なお、企業が付与した年次有給休暇日数は、労働者1人平均17.9日だとされているが、不思議にそこからは「繰越日数」が除かれている。本来は、繰越日数を含めてこそ有給日数であり、それを除いて取得率を出すことが意図的であり、実際ははるかに取得率は低いと思うのだが、そんなことはお構いなしに、政府は2020年までに取得率を70%に引き上げるとの目標を掲げている。なお取得率を企業規模別にみると、1000人以上が53.5%(同53.7%)、300〜999人が44.9%(同44.1%)、100〜299人が45.0%(同46.0%)、30〜99人が41.0%(同40.0%)とされている。ここでも30人未満の数字が掲げられていないことに?。政府統計はこれだから信用できない。産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業が74.2%で最も高く、宿泊業・飲食サービス業が31.4%で最も低くなっているとされており、小零細事業所がもっとも劣悪なのは見え見えだ。

昨年は、こんな報道も話題になった。有給休暇制度の法的保証制度を抜きにした調査自体の問題性はありつつも「権利行使」という「使い切る労働者性」を見ると、日本の低さは図抜けている。

有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位(2011年8月9日 配信 ロイター)
 ロイターと調査会社イプソスが有給休暇を使い切る労働者の割合を国別で調査した結果、フランスが89%でトップ、日本が33%で最下位であることが分かった。
 調査は24カ国の約1万2500人を対象に実施。フランスに続き、アルゼンチンが80%、ハンガリーが78%、英国が77%と高かった一方、日本のほか、南アフリカとオーストラリアが47%、韓国が53%と低かった。
 イプソスのジョン・ライト上級副社長によると、所得の高低に関わらず世界の労働者の約3分の2が有給休暇を使い切っている。また、年齢別では50歳以下の若い人の方が有給を使い切る人が多く、「経営幹部クラスでは60%が使い切っていなかった」という。
 同氏は「有給を使い切らない理由はさまざまだろうが、仕事に対する義務感の強さが主な理由だろう」と話している。
 国別の有給休暇を使い切る労働者の割合は以下の通り。
フランス89%、アルゼンチン80%、ハンガリー78%、英国77%、スペイン77%、サウジアラビア76%、ドイツ75%、ベルギー74%、トルコ74%、インドネシア70%、メキシコ67%、ロシア67%、イタリア66%、ポーランド66%、中国 65%、スウェーデン63%、ブラジル59%、インド59%、カナダ58%、米国57%、韓国53%、オーストラリア47%、南アフリカ47%、日本33%


この有給未消化問題には、二つの側面がある。一つは「ブラック企業問題」であり、もう一つは「社畜問題」で、根は日本特有の性格で類似しているが、異なったアプローチになるかもしれない。「ブラック」の問題は、「原子力村」の体質にも共通しており、要は「個人の尊厳や民主主義を否定」し、権力ある者の意志が上から支配する、この国のどうしようもないシステム、「1%」に「99%」が屈していることとも共通している。「原子力村」に入っている、政・財・官・学・大手メディア・労働組合は、自らの意志と政策を金科玉条のものとして、下に押しつける。逆らうことは許されず、抵抗は徹底的に排除される宿命となる。困ったことにこれだけの原発事故被災があっても、「1%」の方々は何ら反省もせず、巧妙に「99%」を丸め込もうとし、「長いものには巻かれろ」「右へ習え」「付和雷同」体質を根強くもつ「99%」が巧妙に誘導されてしまうことだ。そして「ブラック企業」の「アメとムチ(鞭でもあり、無知にも通じる)」は、「有給休暇」という労働者の基本的人権ともいえる権利さえも奪い取っていく。これは、労基法の問題というよりも、憲法18条「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない」違反といえる。

もう一つの「社畜問題」も奥が深い。「労働調査会」レポートの「労働あらかると」(2011年5月)では「“年休の取得”−思考回路が違う日本の常識、世界の常識」と題して、飯田康夫さん(労働ジャーナリスト 日本労働ペンクラブ前代表)が一文を掲載していた。そこによればこう書いてある。

>では、なぜ(日本人は)年休を取得しないのだろうか。その答えは、今も昔も変わらない。
 「年休を取得すると、職場の仲間など周りに迷惑を掛けるから」、「仕事の量が多くて、年休取得どころではない」、「(本人や家族の)病気への備えのため、年休を残しておきたい」というのが3大理由である。中には、年休を可能な限り残し、残った日数分を金銭で買い取ってほしいという声もある。
 4月25日、労働政策研究・研修機構(JILPT)が発表した最新の「年次有給休暇の取得に関する調査」によると、年休を取得せず、残す理由として上がったのは、やはり上記の3つだった。もっとも多かったのが「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」が64.6%。次いで「休むと職場の他の人に迷惑を掛けるから」が60.2%。「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がないから」が52.7%。「休みの間、仕事を引き継いでくれる人がいないから」が46.9%。「職場の周囲の人が取得しないから年休が取りにくい」が42.2%。「上司がいい顔をしないから」が33.3%。「勤務評価などへの影響が心配だから」が23.9%などだ。
 そこから年休は取得しないもの、取得できる雰囲気にないなどの理由が読み取れる。
 かつて、労働界のトップリーダーたちが先進国を訪問した際、「あなたの国では、年休の取得率は、どの程度でしょうか」と質問を投げかけたことがある。それに対して相手側は、怪訝な顔をする。日本側が、何をクエッションしているのか、分からなかったという。
 先進国では、年休は、労働者の権利として、ほぼ完全に取得するのが当たり前。だから、年休の取得率などといった概念、思考はないのだ。年休をなるべく残そう、あるいは取得しにくいという日本人の思考回路とは、相容れないものがあることが分かった。


「労働」という領域においては、「日本の常識」は「世界の非常識」であり、「世界の常識」は「日本の非常識」であることを、何度も強調してきた。しかも、それが改善されるのではなく、悪化している。毎回のように書いているが「明日お休みをいただいてよろしいでしょうか」と有給行使をお願いする国など世界的にはありえない。「社畜」も「奴隷労働」と変わらない。飯田さんは前述の文章でこう続けた。

>イタリアの憲法には、「年休を労働者の権利」と規定するだけでなく、ただし書きがついているとのこと。その文言は「この権利(年休取得)は、放棄することができない」とある。
 これをどう解釈すればいいのだろうか。年休を取得しなければ、イタリア人として自国の憲法違反になりかねない。そこまでには至らないにしても、年休の取得を権利として、しっかり国民の中に根付かせているといえる。
 バカンスの国フランスでは、労働者がゼネストに訴えて勝ち取った長期休暇の権利を行使しない、年休を取得しないなどは、考えられないといわれる。夏場のパリに残るフランス人は、僅か。あの街の賑わいは、圧倒的に多い外国人観光客だとのことである。
 ILOの年休条約132号は、年休を権利と定めている。同時に、先進国の多くは、年休の期間が最低3週間だ。日本のように10日間の付与から始まって、長くて20日から25日。それも長期間の勤務実績のある場合だ。年休の取得率も全国平均で50%を切り、付与された年休の半分強を残している。しかも、半日、1日の細切れ年休取得が主流である。先進国のように、30日連続休暇などは日本では考えられない。
 こうみてくると、年休取得に当たっての日本人的発想は、「ある程度、残しておきたい。取得するにも遠慮気味」という常識が職場に浸透しているといえる。先進国では、「年休は、労働者の権利で、完全取得、しかも30日連続休暇が当たり前」が常識といえる。


調子に乗って書いていたら、かなりの長文になっている。冒頭に記した米国の有給休暇について、「JMN」というブログに肥和野佳子さんという方が書かれていたので、これもさらに長文だが紹介して終える。自分ではストレスを感じない人間だと思って36年間この業界で過ごしてきたが、実は多大なストレスが蓄積された結果、ガンを発症したのかもしれない。アッ、これも責任転嫁という悪習になる。とにかく紹介。

第34回 「米国の休暇制度」 配信日:2010-10-28
  「僕、あさって誕生日だから会社休みますね。」「あ、そうなの。おめでとう。楽しんでね。」米国ではごく普通の会話だ。しかし、ニューヨークで初めて働き始めた時、私はこれを聞いて「え?誕生日だからって休暇を取るの?」と不思議に思ったものだ。
 けれど少なからずの人が誕生日に限らず、たとえば、娘のバレエの発表会、息子のサッカーの大事な試合の日、自分がどうしても見たい野球のデーゲーム、恋人の誕生日などなど、いろんなときに休暇を取るので、なるほどねと思った。たしかに日本と比べるとずいぶん雰囲気的に休暇は取りやすい。
 実は米国は先進国の中ではめずらしく、有給休暇が法律で保証されてはいない国だ。しかし、有能な従業員を確保するために、事実上多くの会社には有給休暇の制度は存在する。経済的に余裕のある企業のほうが有給休暇の制度を持つことが可能となるので、一般的に大企業のほうが中小企業より有給休暇の日数が多い。有給休暇が全くないという会社ももちろん存在する。
 従業員の休暇の制度は会社によって異なる。米国の一般的な大企業の休暇の制度はどうなっているのか、たとえば、私が過去にクライアントの一つとして接することのあったA社の例を見てみよう。
 A社では週に20時間以上働くすべてのフルタイム従業員及びパートタイム従業員が有給休暇を受け取ることができる。職位と勤続年数によって、その年度に使える有給休暇(Paid time off)の日数が決まる。一定の有給休暇日数のほかに、別途Paid Sick Day(有給病欠)の日数を、たとえば年間5日とか決めている会社もあるが、A社の場合は、病欠も含めて理由を問わず休める有給休暇として一本化している。
 1年間(1月1日から12月31日)に受け取ることのできる有給休暇の日数は以下のように職位で異なり、年の途中で新規雇用となった場合は何月何日から雇用されたかで有給休暇の日数は按分される。
Non-exempt(残業すれば残業代がつく非裁量労働の職位の従業員)  20日
Exempt(残業しても残業代はつかない裁量労働のAVP未満の職位の従業員)  25日
Assistant Vice Presidentの職位、または Vice Presidentの職位にある従業員  30日
Senior Vice President以上の職位にある従業員  35日
 男女とも5年未満で辞職する従業員は多いので、かなり多くの人は上記の日数だが、勤続年数が長くなると有給休暇が少し増えて、勤続年数を勘案した有給休暇日数は以下のようになる。
_______________________________Non-exempt_____Exempt_________AVP__________VP___________SVP
5年未満__________________________20_______________25_____________30_____________30_____________35
5年以上10年未満_____________25_______________25_____________30_____________30_____________35
10年以上15年未満___________25_______________30_____________30_____________35_____________35
15年以上20年未満___________30_______________30_____________35_____________35_____________35
20年以上25年未満___________30_______________30_____________35_____________35_____________35
25年以上________________________35_______________35_____________35_____________35_____________35
 A社では就業規則によると、新規採用の初年度でも、職務内容によって有給休暇を5日または10日連続してとることが義務付けられている。週末があるので、5日連続して有給休暇をとるということは1週間の休暇、10日連続なら2週間の休暇をとることが義務付けられているということだ。これは一定の期間連続して休ませることにより、特定の人物による職務の独占化を避け、不正な行為を防ぐことを目的としている。
 使わなかった有給休暇は翌年に繰り越すことができる。ただし、もともとその従業員が年間に許された有給休暇の日数以上に繰り越すことはできない。たとえば、有給休暇30日の従業員が1年目に15日しか使わず、翌年に15日繰り越すと、2年目には合計45日有給休暇がある。2年目に10日しか使わず、その翌年に35日繰り越そうと思っても、それは許されず、30日までしか繰り越すことはできない。3年目は合計で60日の有給休暇となる。A社では上記のようなルールだが、有給休暇の繰り越しのルールは会社によってかなり違う。消化しなかった有給休暇は1年は繰り越せるが2年は繰り越せず、消えてしまうという会社も多い。
 有給休暇を使わなくても有給で休むことが許される特別休暇がある。たとえば、家族や親族の死亡にともなう特別休暇がある。その日数は通夜や葬式、その準備やあとかたずけ、移動時間に使われる。配偶者、婚約者、事実婚のパートナー、子ども、配偶者の連れ子、親、配偶者の親、兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹、同居の近親の親族が亡くなった場合は、上司が認めれば連続して最長5日間まで有給で休むことができる。祖父祖母・孫、配偶者の祖父祖母・孫の場合は最長3日間までだ。他に、Jury Duty(陪審員としての務め)の日数は有給特別休暇扱いとなる。
 Maternity / Paternity leave(産休)は、有給で8週間。それを超過して休む場合は無給。養子をもらうときも同じ。ちなみに米国では生まれたばかりの赤ちゃんを養子に貰うことが多いため、養子に対しても出産時と同等の扱いを受ける。米国では日本のように法令で義務付けられた産休は存在しない。当然、育児休暇もない。A社には有給の産休があるが、有給の産休が全くない会社も多い。
 FMLA leaveというものがある。これはFamily and Medical Leave Actという連邦法で決められた休暇で12カ月の間に最高12週間まで無給で休むことができる。本人・配偶者・子供・本人の親の深刻な病気や怪我の場合や、本人や配偶者の出産、養子をもらうときなどに適用となる。条件があって、12か月以上雇われている、直近の12カ月に1250時間以上働いている、特別な事情がない限り30日以上事前に休みを取る旨通告するという要件を満たさなければならない。そして、A社ではまず有給休暇を消化したのちにFMLA leaveが適応となる。
 Leave of absence(休職)は、A社では、フルタイムの従業員で入社6カ月以上の者は24カ月の期間のうち6カ月まで無休で休職することリクエストすることができる。状況によって却下される場合もある。
 Short-term disability / Long-term disabilityの補償というものがあり、これは病気や怪我などにより短期または長期の勤務不能になったときの給与補償のシステムだ。このシステムは会社によってかなり異なるが、A社の場合は、短期の場合は勤続年数により給与が補償される割合が異なる。たとえば、勤続年数1年以上3年未満の場合、最初の4週間は100%の給料が補償され、その後22週までは60%の給与が支払われる。3年以上5年未満の場合では、最初の8週間は100%の給料、その後18週までは60%の給料が支払われる。180日を超える長期の勤務不能の場合は、月額給与の50%で月額1万ドルを最高限度額として支払われる。

 このほか、A社ではNon-exemptの従業員の場合、残業時間を休暇で受け取ることもできる。残業代は時間給の150%のレートと法令で決められているが、お金で受け取らずに、休暇で受け取ることもできる。すなわち40時間残業したら40時間を限度に休みを取ることができる。休みは時間単位でとることもできる。
 残業時間をお金がほしい人はお金で受け取り、休みで受け取りたい人は休みで受け取るというのは実際よいシステムと思う。休みで受け取る場合は所得は増えないので、その分、連邦所得税や州の所得税や、ソーシャル・セキュリティー・タックス(社会保険料的なもの)を支払わなくて済む。企業としても残業代を支払う代わりに、忙しくないときに従業員が休んでくれるのは助かる。
 以上がA社の場合の休暇制度の概要だ。実際にはニューヨークのワーカーはどのように休暇を取っているかといえば、一般的には、夏休みをだいたい土日を含め1週間から2週間程度連続でとる。それから、祝日などで3連休になるときなどに有給休暇を3〜4日足してまた別に、週末を含め5日から1週間くらいの休暇を2回くらい取る。あとは、最初にあげたように、さまざまな理由で単発的な休みを時々とる。
 米国の祝日は日本と比べるとかなり少ない。祝日といっても日本のように必ずしも会社が一斉に休みとは限らない。会社では、どの祝日に会社が休みになるか、毎年1回Holiday ListがHR(人事部)からわたされる。New Year's Day、 Memorial Day、Independence Day、 Labor Day、 Thanksgiving Day、 Christmas Dayはデパートやホテルなどの特殊な業界を除いて、ほぼ、どの会社も休みとなるが、Martin Luther King Jr. Day、 Presidents' Day、 Columbus Day、 Veterans' Dayは会社によっては、休みになる会社とならない会社がある。ちなみに学校も同じで、どの祝日は学校が休みになるか学校によって多少違うので、はっきりさせるために学校からHoliday Listをもらう。
 何年も前のことだがこんなことがあった。私の同僚の一人は米国の会社で働くのは初めてで、ニューヨークに来たばかりの日本人。ある日彼女は会社に現れない。無断欠勤などするとも思えない。ニューヨークではなんでも起こりうる。強盗に襲われることだってありうるし、心配して自宅に電話をした。
「どうしたの?病気?」
「え、今日はColumbus Dayよ。休みでしょ?」
「ははは、Columbus Dayだけど、この会社は休みじゃないのよ。」
「えー!きのうイベット(秘書の名前)に、あしたはホリデーかって聞いたらホリデーだって言うから・・・。」
「そりゃ、ホリデーにはちがいないわよ。でも、この会社はColumbus Day(10月の第2週の月曜日)は休みじゃないの。会計事務所はね、秋から春まではビジー・シーズンだからその間会社が休みになるホリデーは、サンクスギビングとクリスマスと元日の3日だけなの。世間が休みでもここは休みじゃないの。」
 彼女はその後あわてて出勤してきた。こういうことはたまにあることだけれど、これは毎年Columbus Dayになるたびに思い出されて、同僚の間で笑えるネタになった。日本の常識とは違うことがいろいろあるものだ。


何度も繰り返し強調してきた。こと労働者の権利に関しては、日本という国は世界最悪の「後進国」であることが、有給休暇問題ひとつをとっても明らかだ。…かくいう自分も、労働組合オルグという「仕事」が、趣味と実益を兼ね備えていたため(仕事という意識さえもったことがない)、代休や夏休・年末年始休暇以外に、有給休暇を取った経験がほとんどない。こんなオルグがいるから現状が改善されなかったわけでもないが、今となっては遅いが、一応反省している。偉そうなことは本来、決して言えない。


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