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zoom RSS 琉球大学などで不当な雇止めを撤回できたが…

<<   作成日時 : 2013/03/31 07:11   >>

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今日で年度が終わる。どれだけの労働者が雇い止めにあったか、恐怖を感じている。しかも不安定雇用を改善させようとした法律のおかげで、だ。「労働契約法」の改正によって、本来は有期雇用労働者の処遇改善と雇用の安定化がはかられる筈だったにもかかわらず、事態は、逆方向に向かっている。これまでは、有期といえども実質的に無期として雇用されていた事業所で、「無期の固定化」を避けるために早期の雇い止めがはかられているのだ。その典型的職場が、多数の非正規教員・職人によって成り立っていた教育現場で、特に大学は凄まじい状況になっている。その中で、雇い止めが通告されていた琉球大学における非常勤講師問題が、非常勤講師ユニオン沖縄とこの運動を支援した皆さんの力で、寸前に雇い止めが撤回された。沖縄タイムスの昨日の報道を紹介する(琉球新報はもっと長い記事だったが、書き起しが必要なので恐縮だがパス)。

>4月の改正労働契約法施行に伴い、雇用に関する基本方針で非常勤教員の雇用期間の限度を「通算5年」と提案していた琉球大学は29日までに、非常勤講師について適用しないことを決めた。非常勤職員には引き続き適用する。
 改正労働契約法はパートや契約社員らの雇用の安定が目的。同じ職場で5年を超えて働いた場合、無期限雇用に転換できることなどを盛り込んでいる。
 琉大は2月、文科省の補助金の減少による人件費不足を理由に、非常勤教員の雇用期間を原則5年とすることなどを盛り込んだ基本方針を通告。これに反対する非常勤講師らが大学側に再考を求めていた。
 非常勤講師の適用除外について、琉大の矢崎雅之総務部長は「弱い立場の人を守るという改正労働契約法の趣旨に乗っ取って決めた。詳しい労働条件などは今後の団交で決めたい」と話している。大学等非常勤講師ユニオン沖縄の新城知子書記長は「5年を上限とする雇い止めが撤回できた。全国の非常勤教員の方々に力を与える結果になった」と評価した。


自分の長女はある私学の助手をつとめていて、同様の悩みを抱えている旨、以前も書いた。きちんとした労働組合があれば、大学の中には民主的教員もいるなかで、あまりにも不条理な人事政策は回避できる可能性は多々ある。本来、教育における最高学府には正義が必要だからだ。しかし、現在の大学や教育を取り巻く財政状況は悪化の一途をたどっており、しかも良かれとして努力してきた一定の処遇改善が、重い負荷になりつつあるという。しかも、まわりを見れば雇用の買い手市場であり、募集すればいくらでも優秀な人材が雇用できる。長女の大学では、これまで最長5年の期間を3年に短縮したという。

法律はどのような事態を想定して想定されたのか、関係者に問いかけたい思いがある、大学は民主的だと思ったのか、それとも労働組合が要求すればきちんと対応すると考えたのか。残念ながらそう簡単な事態ではなかった。3月27日には議員会館で緊急集会が開かれ、田中龍作ジャーナルがきちんと報じてくれた。「大学で吹き荒れる『雇止め』の嵐 法改正のトバッチリ」とのタイトルの一部文章を紹介する。全文もぜひアクセスを。
http://tanakaryusaku.jp/2013/03/0006887

>首都圏大学非常勤講師組合の志田昇委員長が現状を明かす―
 「いままでは10年、20年と同じ大学に勤めていた。関係ない話だと思っていたが、昨年大阪大学が5年雇い止めを打ち出して、これは大変だと一斉に各大学に申し入れした。国立大学はほぼ(雇い止めの)上限をつけるのを阻止できたが、大阪大学と神戸大学が撤回していない」。
 関西圏大学非常勤講師組合の新屋敷健さんは次のように話す―
 「日本の大学で一番悪質なのは大阪大学。学内説明会など一切なく、新しい就業規則を作った。労働基準法第90条(就業規則変更)違反で労基署に告発を考えている」
 非常勤教員よりもさらに劣悪な労働環境に置かれているのが、事務職などで働く非常勤職員だ。勤続27年という女性に聞いた―
 「大阪大学の事務職員の半数は非常勤職員だが、大学は2015年に長期非常勤職員を全員解雇する方針を固めた。対象は200人になる。大阪大学では9割の非常勤職員が手取り200万円を切る。時給制で交通費は時給に含まれる。教職員組合もあるが組合内でもヒエラルキーがある。私たちは最下層。自分たち数名は組合を飛び出して地域の労組に入った。大阪大学で就業規則を作成したのは小泉・竹中時代の規制緩和論者、小嶌典明教授だ」。女性は切々と訴えた。
 理工学系の研究所では、成果が芳しくないと思われる研究者はバタバタと切られ、失業しているという。
 かつては思想信条の自由を守る砦として政治権力と戦ってきた大学。今や拝金主義にまみれ、労働法制緩和のお先棒を担ぐ御用機関に堕してしまったようだ。


そんな厳しい状況下でも、きちんとした成果も見られる。いずれも労働組合の力だ。長文だが、重要なので全文掲載する。

徳島大1000人“無期雇用”へ 労組の運動実る 雇い止め改善「画期的成果」(しんぶん赤旗 2013年3月18日)
 徳島大学は4月1日から教員系を除く有期雇用職員について、雇用期限(契約更新回数の上限)を撤廃することにしました。約千人の有期雇用職員が対象となる見込みです(看護師は無期雇用に移行済み)。同大学教職員労働組合との労使協議で大学側が回答したもの。同組合は「組合の主張通りの結論であり、労働契約法改正を機に5年で雇い止めを徹底する方針の国立大学が多い中、画期的な成果」と歓迎しています。
 最初の5年間については単年度契約とし、契約更新の際に継続審査を行いますが、5年を超える労働期間となった場合には、労働者からの申し込みにより無期契約に転換するというものです。それまでは、1年ごとの更新で3年が経過すると雇い止め。再雇用の場合には1カ月間のクーリング期間を設けていました。
 同組合は、「国家公務員準拠」による賃金7・8%の削減・退職金の切り下げ撤廃の要求とともに、有期雇用の撤廃を要求していましたが、昨年12月の協議で大学側は「原則5年での雇い止め」を提案してきました。
 これに対して同組合は、昨年2月に行ったアンケート結果を大学側に提出。有期雇用のデメリットを示して交渉を続けてきました。
 アンケートは正規・有期雇用両職員を対象に実施。正規職員の約80%(回答数159)が「有期雇用職員の雇用期限は不都合」、正規職員・有期雇用職員を合わせた全体の約90%(回答数354)が「雇用期限撤廃」「延長」を選択しています。
 同労組の山口裕之書記長は「有期雇用職員の1カ月のクーリング期間には業務に支障が起き、正規職員の過重労働につながる。雇い止めで人がかわるたびに指導業務が増えるなど正規職員の多くが不都合を感じている。今回の決定は、有期雇用職員はもとより、正規職員にとってもいいこと」と強調。「徳島大学は、経済規模でいえば徳島県で最大級の事業所で、国の機関でもある。労働者を切り捨てるようなことをしてはいけない。正しいことは率先してやるべきだ。今後は引き続き、賃金の引き上げなどを要求していく」と話しています。


〈無期・正規に転換した職場は今〉上/病院技士の流出が止まった/熊本大学教職員組合(連合通信 3/26)
 雇用の上限が5年の特定有期雇用職員390人全員を2010年に正職員化した国立大学法人熊本大学付属病院。今では、臨床工学技士など「コメディカル」(医師や看護師を除く医療専門職)で人材の流出が止まり、中期計画を立てられるほど職場は落ち着きを取り戻した。一方、看護師には効果が表れていないという。背景には、世間相場に比べて低い賃金が横たわる。
●路頭に迷わず安心
 特定有期雇用職員の制度は2006年にスタート。1年有期、最長5年とするフルタイム勤務で、賃金、一時金で正職員との差はなかったが、退職金の支給はなく、育児・介護休暇を取得できる日数は正職員の半分とされていた。
 07年に、看護体制をより手厚くする「7対1」看護の導入を機に人数を増やしたが、5年でクビになる制度では人材が定着せず、導入から4年で全員を正職員にした。
 あれから3年――。熊本大学教職員組合(全大教加盟・日本医労連オブ加盟)の伊藤正彦書記長は「特に技師などコメディカルの人材流出が止まった。高度医療を担う病院がいくつもある大都市と違い、(母数の少ない)地方では人材確保が難しい。管理側にとって最も頭を痛めていた問題が解決したのではないか」と語る。2〜3年で仕事に慣れた頃に辞めていく悪循環に一定の歯止めがかかったのである。
 臨床工学技士の小原大輔さん(40)は勤続5年。人工心肺装置の保守・管理を担う。東京の医療機関での勤務を経て、郷里の熊本にユーターン。その時見つけた一年有期の特定有期雇用職員の求人に応募し、採用された。
 「就職した年、『生まれたばかりの三男が5歳になる頃に無職になるのか』と心配していた。家族が路頭に迷わずに済んでよかった」と振り返る。
 高度医療の質を維持するための職場の中期計画が立てられるようにもなった。職員が透析や呼吸器などさまざまな設備をローテーションで担当し、専門性を究めようという教育プランが行われ始めている。2〜3年で人が辞めていった以前の職場では考えられなかったことだ。
●賃下げは死活問題 
 一方、効果が及びにくい職種もある。看護師だ。伊藤書記長は「労働はきついのに、同じ地域の民間病院と比べて給与が格段に低い。大学で看護師を養成しているのに、新卒が来ないほどだ」。国家公務員(=100)との人件費の比較をみるラスパイレス指数は82・9と低い。
 さらに人材確保に水をさすのが、国家公務員給与の7・8%マイナスに伴う賃下げ。04年の独立行政法人化で「民間職場」となり、職員の処遇は労使交渉で決めるはずの、全国の国立大学法人で吹き荒れている。熊大付属病院では、看護師など医療職には波及させないことで労使が合意したが、事務職も含めれば人材確保にとって「死活問題」となりかねない。
●組合に恩義 
 病院の労使関係はかつてなく良好だという。2010年の正職員化では、「働く実態は正職員と同じ」という認識を病院・管理側と組合が共有し、大学本部に対し「雇用期限の見直し」を求めていくことで足並みをそろえた。
 組合は大学本部からの09年度の賃下げ提案に対し、賃下げで生じた原資を正職員化のための退職金積み立てに使うことで合意。病院労使が協力して正規化のレールを敷き、職場に落ち着きを取り戻せたことが、その後の労使関係にプラスに作用しているという。
 組合活動でも嬉しい変化が。レクリエーションへの若手の参加が増えるなど、組合活動への姿勢が随分変わってきた、と同書記長は語る。
 現在、組合の副委員長を務める小原さんも次のように話す。
 「正職員化を求めた団体交渉に参加し、組合が自分たちのために頑張ってくれたことへの恩義を強く意識している。人手不足を解消するためにも、人が辞めないで済む職場環境をつくっていきたい」


今日のテーマに直接の関係はないが、琉球大学の闘いを常にバックアップしてきたのが琉球新報・沖縄タイムスの記事だ。地方紙の頑張りが、地方では民主主義と正義を支えている。そして政治は、その構造に手をつけようとしてきた。すでに大手紙の多くがその軍門に下り、原子力ムラの一員となり、かつて日本を戦争に駆り立てた原動力の一つとなった歴史が繰り返されようとしている。そんな本音が明らかとなった発言を最後に紹介して終える。直接関係ないと思われるが、こうでもしないと沖縄問題を紹介するチャンスがない−。

小池百合子元防衛相が沖縄メディア批判 「言っていることが県民を代表していると思わない」(J-CASTニュース3月27日)
小池百合子元防衛相が異例のローカルメディア批判を繰り広げた。矛先を向けられたのは、沖縄のメディアだ。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移転問題をめぐり、現地メディアが辺野古移設に反対する世論を煽っているとの見方を披露した。
沖縄のメディアで大きな影響力を持つとされるのが、琉球新報と沖縄タイムスの2大県紙。産経新聞などの保守系メディアが両紙を批判することはしばしばだが、閣僚経験者が特定地域の地元メディアを批判するのは珍しい。
●県紙は20万部ずつ、日経新聞は7000部
両紙の発行部数はそれぞれ20万部弱だとされる。全国紙の中では、ビジネス需要が多い日経新聞が琉球新報の工場で印刷されているが、それでも7000部程度だ。沖縄県民が紙媒体で触れるニュースは、ほぼこの2大県紙に依存していると言ってもよい。
小池氏の発言は、2013年3月26日に開かれた自民党の国防部会・安全保障調査会合同会議の中で出た。沖縄県選出の自民党議員は、基地負担の軽減という観点から辺野古移転を進めようとする党の方針と、県外移設を求める県民感情との板挟みになる形で、複雑な立場に立たされている。県選出の議員がこのような背景を説明する中で、小池氏は、「沖縄の先生方が何と戦っているかというと、沖縄のメディアなんですよ」「あれと戦って当選してきたということは、沖縄のメディアが言っていることが本当に県民をすべて代表しているとは、私ははっきりいって思わない」などと発言した。
12年12月の衆院総選挙では、県内に4つある小選挙区のうち、2区の照屋寛徳氏(社民)以外は、いずれも自民党の候補が当選している。小池氏の発言は、自民党が掲げる辺野古移転の方針を地元メディアが強く批判する中でも3人も当選者が出たことを根拠に、メディアの論調と実際の有権者の意見とは距離があるという見方だ。
●「低投票率そのものが、基地問題に対する『批判的意志の表れ』」?
この発言の様子は、朝日新聞、沖縄タイムスなどが報じており、沖縄タイムスによると、国場幸之助衆院議員(沖縄1区)が、「(闘っているのは)沖縄のメディアじゃない。日本国民として安全保障を真剣に考えていただきたい」と反論したという。
小池氏の批判について、何らかの反論を行う予定があるかについて両紙に問い合わせたところ、琉球新報からは「コメントしません」と返答があり、沖縄タイムスからは、27日夕までに回答が得られなかった。
ただし、自民党議員が3人も勝利した事実と県民の民意との関係性については、衆院選の投開票日翌日の12年12月17日の社説で論じられている。
沖縄タイムスは、県内の投票率が56.02%で、前回から9ポイント近く下がって過去最低だったことを挙げ、「県内の投票率低下は、民主党に裏切られた上に、自民党が政権に復帰しても基地問題の解決が見込めない、という閉そく状況を反映したものだ。過去最低の投票率そのものが、基地問題に対する『批判的意志の表れ』だと見ることもできる」と独自の解釈を示した。
 琉球新報も、「県内の自民党衆院議員も選挙後が本番だ。過去、党中央の基地政策の過ちを改められなかったことを反省し、今度こそ党中央を正しい方向に旋回させてほしい」とクギをさしていた。

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0327/jc_130327_4760269667.html

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内 容 ニックネーム/日時
分かります。弱い立場から首切りせずに、国税使って風船テロ呼びかけるような教授らから首を切るべきですよね www( ̄∀ ̄)( ̄∀ ̄) あなたには、北朝鮮の暴走も支那の強権(by稲嶺氏)覇権主義も頭にはないみたいですね?サヨクナイチャー?は沖縄に関わらんで下さいねェ沖縄タイムスと琉球新報とQABとRBCとOTVをあなたの地域で引き取って下さい。3日と持たず潰れますから。沖縄の「根腐れ」政治屋も引き取って下さい。いらないです。
モンゴル800w
2013/04/05 12:20

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