米国の反テロは見習い、横で組織することを嫌悪する国
秘密保護法の強行採決の噂が拡がり、さらに反対の声が拡がっているのに、安倍政権は強行突破の構えだ。そこまで強引に成立させなければならない理由は何なのか、この法案が無いことで、どの様な切実な支障があるのか、まさにそこがヒミツとされている。公明党・創価学会がこの法律を必要としている背景も気になるが、やはり米国の存在がもっとも大きいのだが、不思議にそこはスルーされる。米国に関して、昨日に続いて書いてみるが、米国支配の安倍政権ゆえに「テロリスト」発言が出てくるのだ、と理解している。宗主国の意図が、米国の「愛国者法」から透けて見える。あまり指摘する文章が見当たらないので、少し古くなるが堤未果さんのレポートで紹介してみたい。
>いま、最も危険な法案とは? 「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」(週刊現代:4月14日連載「ジャーナリストの目」ジャーナリスト 堤未果 2013/4/18)
この法律が通ったら、ブログやツイッターでの情報発信、取材の自由など様々な規制がかかるでしょう。アメリカでも、大手マスコミが出さない情報を発信する独立ジャーナリストは真っ先にターゲットにされました。そして「原発情報」はまず間違いなく「軍事機密」のカテゴリーでしょう。
01年の同時多発テロ。あの直後にアメリカ議会でスピード可決した「愛国者法」がもたらしたものを、今ほど検証すべき時はないだろう。
あのとき、恐怖で思考停止状態の国民に向かって、ブッシュ元大統領はこう力説した。「今後、この国の最優先事項は治安と国会機密漏えい防止だ。テロリスト予備軍を見つけ出すために、政府は責任を持って全米を隅々まで監視する」
かくして政府は大統領の言葉を忠実に実行し、国内で交わされる全通信に対し、当局による盗聴が開始された。それまで政府機関ごとに分散されていた国民の個人情報はまたたく間に一元化され、約5億6千万件のデーターベースを50の政府機関が共有。通信業者や金融機関は顧客情報や通信内容を、図書館や書店は貸し出し記録や顧客の購買歴を、医師達は患者のカルテを、政府の要請で提出することが義務づけられた。
デンバー在住の新聞記者サンドラ・フィッシュはこの動きをこう語る。
「米国世論は、それまで政府による個人情報一元化に反対でした。憲法上の言論の自由を侵害する、情報統制につながりかねないからです。でもあのときはテロリストから治安や国家機密を守るほうが優先された。愛国者法もほとんどの国民が知らぬ間に通過していました」
だが間もなくしてその“標的”は、一般市民になってゆく。
ペンシルバニア州ピッツバーグで開催されたG20首脳会議のデモに参加したマシュー・ロペスは、武器を持った大勢の警察によって、あっという間に包囲された経験を語る。
「彼らは明らかに僕達を待っていた。4千人の警察と、沿岸警備隊ら2千5百人が、事前に許可を取ったデモ参加者に催涙弾や音響手りゅう弾を使用し、200人を逮捕したのです」
理由は「公共の秩序を乱した罪」。その後、ACLU(米国自由市民連合)により、警察のテロ容疑者リストに「反増税」「違憲政策反対」運動等に参加する学生たちをはじめ、30以上の市民団体名が載っていたことが暴露されている。
政府による「国家機密」の定義は、報道の自由にも大きく影響を与えた。愛国者法の通過以降、米国内のジャーナリスト逮捕者数は過去最大となり、オバマ政権下では七万以上のブログが政府によって閉鎖されている。
為政者にとってファシズムは効率がいい。ジャーナリストの発言が制限され国民が委縮する中、政府は通常なら世論の反発を受ける規制緩和や企業寄り政策を、次々に進めていった。
ブッシュ政権下に時限立法として成立した「愛国者法」は、06年にオバマ大統領が恒久化。その後も「機密」の解釈は、年々拡大を続けている。
日本の「秘密保全法」も、日米軍一体化を進めたい米国からの〈機密情報保護立法化〉要請が発端だ。その後、07年に締結した日米軍事情報包括保護協定を受け、米国から改めて軍事秘密保護法の早期整備要求がきた。だが米国の例を見る限り、軍事機密漏えい防止と情報統制の線引きは慎重に議論されるべきだろう。なし崩しに導入すれば〈愛国者法〉と同様、監視社会化が加速するリスクがある。
震災直後、テレビ報道に違和感を感じた人々は、必死にネットなどから情報収集した。だがもし原発や放射能関連の情報が国民の不安をあおり、公共の安全や秩序を乱すとして〈機密〉扱いにされれば、情報の入手行為自体が処罰対象になるだろう。
公務員や研究者・技術者や労働者などが〈機密〉を知らせれば懲役十年の刑、取材した記者も処罰対象になる。国民は「適正評価制度」により「機密」を扱える国民と扱わせない国民に二分されるのだ。
行き過ぎた監視と情報隠ぺいには私達も又苦い過去を持ち、国民が情報に対する主権を手放す事の意味を知っている。歴史を振り返れば〈言論の自由〉はいつも、それが最も必要な時に抑えこまれてきたからだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/bunbaba530/67754267.html
米国の意向には決して逆らうことのできない日本の政権…その哀れさを打破しようと内部から多くの政治家が火の手をあげてきたが、ことごとく消されてきた。そして逆らう者はほとんどいなくなっている。米国を見ると10年先の日本が見える、との言葉は実に昔から言われてきたが、そのスピードはどんどん速まっている。堤未果さんの一連の岩波新書は必読文献として、こんな記事も紹介しておく。
>米国、もう見過ごせなくなった格差問題 (2013年11月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
昨年の大統領選に向けた選挙戦で、バラク・オバマ氏が格差を強調した論陣を張っていることについて意見を求められたとき、ミット・ロムニー氏は、そのような議論を「階級闘争」として一蹴した。さらに「そうしたことは、静かな部屋で、租税政策などに関する議論の中で話すならいいと思う」と述べた。
ジェニファーさんの家族は低所得者向けに配られる食料配給券「フードスタンプ」を利用する。11月から配給券が削減された。4人家族だと月36ドル分の減額になる。
共和党の人であれ民主党の人であれ、高い地位を目指す候補が今、そのような立場を取るとは思えない。数十年にわたる中間層の賃金停滞によって定着した格差の問題は、政治論争の最前線に出てき始めた。
貧富の格差は昔からの争点だ。だが、危機後の鈍い景気回復のなかで、社会的地位の向上を目指す米国人の希望をそいでいる格差のトレンドは、好転するのが難しいことを物語る。
「現時点では、どちらの党も格差についてどうすべきか分かっていないという事実の元で政治の多くが動いている」。クリントン政権で政府高官を務めたブルッキングス研究所のウィリアム・ガルストン氏はこう言う。
■上位1%が富を享受
米国勢調査局の9月の報告書によれば、家計所得は5年連続で減少し、典型的な米国世帯は現在、実質ベースで1989年より所得が少ないという。同局は、家計所得の中央値は2012年に5万1100ドルから5万1017ドルに低下し、今では景気後退前の2007年のピークを8.3%下回っていると述べた。
それと同時に、上位1%が手にする富の割合は上昇した。カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授の論文によると、2012年までの3年間で、上位1%の人の所得が31%増える一方、残りの人たちは0.4%しか増えなかったという。
「要約すれば、上位1%の所得は(金融危機後に)ほぼ完全に回復し、下位99%はほとんど回復し始めてもいない状況だ」と教授は言う。
最も激しい議論が繰り広げられているのは民主党内だが、富裕層の成功は、共和党の有力者の街頭演説のテーマにもなった。テキサス州選出の上院議員で、2016年の大統領候補になる可能性があるテッド・クルーズ氏もその1人だ。
「皆さんご存じの上位1%の人、大統領が常に好んで話題にする邪悪な百万長者、億万長者が手にする所得の割合は1928年以降のどの時期よりも高い」。クルーズ氏はワシントンでの最近のスピーチでこう語った。
共和党は賃金停滞をオバマ大統領の政策のせいにしているが、同党が格差拡大を認めたことは、この争点が有権者に対して訴える力があることを浮き彫りにした。
■両立困難な格差是正と成長政策
貧富の差の軽減に向けた課題は、現在の政策論争、特に最低賃金を引き上げ、貿易自由化を拡大し、金融規制を強化する取り組みに直接的な影響を及ぼす。
民主党、共和党の多くの人は、環太平洋地域および欧州との大規模な協定の交渉を含む、貿易自由化に関する現政権の野心的な政策課題に慎重だ。オバマ政権は迅速かつ修正なしで両協定を議会で可決させるために特別な議会の承認が必要だが、今年に問題を克服できる見込みが薄くなっている。
クリントン政権とオバマ政権に助言を与えてきたジョン・ポデスタ氏は、より自由な貿易が米国に良い結果をもたらしたかどうかを巡る左派の長年の葛藤は「未解決」であり、貿易協定を議会で通すためにオバマ大統領は「政治的資本を使う」しかないと述べる。
格差問題を是正する政策の不足に対する懸念から、ポデスタ氏は「Washington Center for Equitable Growth(公平な成長のためのワシントンセンター)」という名前の小さなシンクタンクの設立を決め、先週発足させた。「世論を刺激し、この問題に向けようとする試みは今までもあったが、散発的だった」と同氏は言う。
ポデスタ氏は、所得再配分を可能にする政策は成長を抑制するとして頻繁に片付けられてしまったと指摘し、ワシントンセンターの調査研究がこの2つ(格差是正と成長)を両立させられることを期待する。
■民主党内でも意見対立
格差に関する議論は、民主党内により大きな意見対立があることを示す。新しい経済政策が必要かどうか、そしてロバート・ルービン氏の政治的後継者たちが今ほどに幅をきかせない政策立案チームが必要かどうか、という問題だ。ルービン氏はクリントン政権で財務長官を務めた人物で、彼の弟子たちはオバマ大統領の1期目のホワイトハウスにあふれかえっていた。
新たにマサチューセッツ州の上院議員に選出されたエリザベス・ウォーレン氏は既に左派にとって、特に金融に関する方向転換のシンボルになった。民主党の内部関係者らは今、経済政策に関して割れる党内の2つの陣営を「ルービナイト(ルービン主義者)」「ウォーレナイト(ウォーレン主義者)」と、当たり前のように呼んでいる。
左派は今月、ビル・デブラシオ氏がニューヨーク市長に選出されたことに気をよくしている。同氏は市内の貧富の差の縮小を政策要綱に掲げて、民主党の支配層が後押しする候補を破った。
だが、規制を強化し、社会のセーフティーネット(安全網)を拡大しようとする民主党内左派の取り組みは大きな障害にぶつかる。今後何年か続くといわれる厳しい財政見通しと、新たな成長の源泉を見つける難しさだ。
ガルストン氏は、伝統的に富を称賛してきた米国でさえ、格差を巡る議論が転換点を迎えた可能性があると考えている。「この議論は人々がもうたくさんだ、我慢できないと言っている段階にあるようだ。限度を超えたら米国人でさえ納得しなくなる」
昨日も紹介したように、米国には日本にはない民主主義が確立されており、労働組合を含め改革や反抗する努力は失われていない。しかもオルガナイズすることが最も重要視され、組織的に横に横に拡がっていく。しかし、日本では個に分断され、「横」は忌み嫌われる言葉とされている。横やり、横死、横着、横暴…。労働組合の世界でもタテ型のトップダウンが横行し、すぐ隣にいる困っている労働者の姿も見ようとしない。それどころか経営者と一体になって迫害するケースも多い。そこに「横」の思想はない。ぜひとも米国における「横」の運動を見習いたく、このような取り組みを紹介する。おそらくレイバーネットだと思うが、出典を失念してしまった。申し訳ない。
>米国最低賃金値上げの住民投票で相次ぐ勝利...生活賃金へ ワシントン州シータック15ドル...ニュージャジー州8.25ドル値上げ可決(チョン・ウニ記者 2013.11.07)
米国の労働者たちによる最低賃金引き上げ運動が続々と実を結んでいる。住民投票で、ワシントン州シータック(シアトル・タコマ)市では、15ドルに当たる生活賃金への最低賃金引き上げ、ニュージャージー州では最低賃金8.25ドルに引き上げが可決された。
11月6日、米国の独立言論ポピュラーレジスタンスによれば、シアトルの南にあ る人口12万人の小都市シータック(シアトル・タコマ)市で、11月5日(現地時間)に 行われた住民投票の結果、約54%の住民が最低賃金を15ドルに引き上げることに 賛成した。最終的な結果が判明するのは8日頃になるが、可決される展望だ。
▲シータック市住民投票の支持者が賛成優勢という結果に歓呼している。[出処:http://www.popularresistance.org/]
これにより来年の1月1日から、シアトル-タコマ国際空港に隣接するこの市の低 賃金レストランとホテル産業に従事する約6300人の労働者は、現在の7.25ドル から2倍以上高い月15ドル以上の賃金を受け取ることになる。最低賃金引き上げの 他にも、これをインフレに連動させ、病暇とチップ保護のための措置も用意される。
発議案の支持者は最低賃金引き上げが労働者を貧困から抜け出させ、地域産業 への支出を増大させ、地域社会経済を復興させると話す。反対者はサービスの 価格を上げさせる一方、雇用を縮小し、企業が低賃金労働力を購入するために 都市を離れると反対した。
しかし結局、有権者は最低賃金を生活賃金水準に上げる案を選んだ。ニュージャジー州の有権者も11月5日、現在の時間7.25ドルの最低賃金を8.25ドル に上げ、インフレに連動する住民発議案を61%の賛成で承認した。
相次いで可決された最低賃金引き上げの住民発議案は全米サービス労組(SEIU) などの労働組合と地域社会運動の結実だ。彼らは「良い雇用キャンペーン」を 通じ、所得の不平等と政府の役割を提起して最低賃金を生活賃金水準に上げよ うという運動を展開してきた。
デビット・ロルフ全米サービス労組(SEIU)副議長は住民投票の結果について、 「この30年間、CEOの報酬は725%増加したが、労働者の賃金は足踏み」とし、 「有権者は労働者に対して正しいことをするCEOと議会を待つのに疲れた。もう われわれ自らの手で問題を処理する時だ」と話した。
他の都市もこの結果に注目している。シアトルのエド・マレー市長候補は最近、 シアトルの最低賃金も時間15ドルに上げることを約束した。< 原文(チャムセサン) 翻訳/文責:安田(ゆ)Created byStaff. Last modified on 2013-11-08 07:59:06 Copyright: Default>
最後に、面白そうな本を紹介して終わる。読みたいが、年金生活者にとっては困難ゆえ、紹介のみ。 しかし朝日新聞は、社説という最も重要な記事を会員しか読めないようにしておきながら、これは全文読める…理解できない。
>(書評)『トップシークレット・アメリカ 最高機密に覆われる国家』(朝日新聞 2013年12月1日)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311300463.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201311300463
あっあと1本。今日の朝日のちばてつやさんのコメントがよかったのでこれも紹介しておく。
>桜や紅葉の美しさを楽しめる時代が終わり、白黒だった戦前・戦中に逆戻りする。鳥肌が立つほど日本の将来が暗く見え、子どもたちがそんな時代を生きることになる――。特定秘密保護法ができた社会を想像すると、漫画家なので、つい視覚的に考えてしまう。
政府が恣意(しい)的に情報を隠せる恐ろしい法案には絶対に反対だ。国民の意見を尊重し、国民が望むことを実行するのが政治家の役割のはず。それなのに説明を尽くさず、慌ただしく法案を通そうとしている。
なぜ、これほど国民を軽視するのか。自分たちの思い通りに国を動かす意図があるのではないか。戦前のような不気味さと平和が終わる予兆を感じる。<漫画家・ちばてつやさん>
>いま、最も危険な法案とは? 「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」(週刊現代:4月14日連載「ジャーナリストの目」ジャーナリスト 堤未果 2013/4/18)
この法律が通ったら、ブログやツイッターでの情報発信、取材の自由など様々な規制がかかるでしょう。アメリカでも、大手マスコミが出さない情報を発信する独立ジャーナリストは真っ先にターゲットにされました。そして「原発情報」はまず間違いなく「軍事機密」のカテゴリーでしょう。
01年の同時多発テロ。あの直後にアメリカ議会でスピード可決した「愛国者法」がもたらしたものを、今ほど検証すべき時はないだろう。
あのとき、恐怖で思考停止状態の国民に向かって、ブッシュ元大統領はこう力説した。「今後、この国の最優先事項は治安と国会機密漏えい防止だ。テロリスト予備軍を見つけ出すために、政府は責任を持って全米を隅々まで監視する」
かくして政府は大統領の言葉を忠実に実行し、国内で交わされる全通信に対し、当局による盗聴が開始された。それまで政府機関ごとに分散されていた国民の個人情報はまたたく間に一元化され、約5億6千万件のデーターベースを50の政府機関が共有。通信業者や金融機関は顧客情報や通信内容を、図書館や書店は貸し出し記録や顧客の購買歴を、医師達は患者のカルテを、政府の要請で提出することが義務づけられた。
デンバー在住の新聞記者サンドラ・フィッシュはこの動きをこう語る。
「米国世論は、それまで政府による個人情報一元化に反対でした。憲法上の言論の自由を侵害する、情報統制につながりかねないからです。でもあのときはテロリストから治安や国家機密を守るほうが優先された。愛国者法もほとんどの国民が知らぬ間に通過していました」
だが間もなくしてその“標的”は、一般市民になってゆく。
ペンシルバニア州ピッツバーグで開催されたG20首脳会議のデモに参加したマシュー・ロペスは、武器を持った大勢の警察によって、あっという間に包囲された経験を語る。
「彼らは明らかに僕達を待っていた。4千人の警察と、沿岸警備隊ら2千5百人が、事前に許可を取ったデモ参加者に催涙弾や音響手りゅう弾を使用し、200人を逮捕したのです」
理由は「公共の秩序を乱した罪」。その後、ACLU(米国自由市民連合)により、警察のテロ容疑者リストに「反増税」「違憲政策反対」運動等に参加する学生たちをはじめ、30以上の市民団体名が載っていたことが暴露されている。
政府による「国家機密」の定義は、報道の自由にも大きく影響を与えた。愛国者法の通過以降、米国内のジャーナリスト逮捕者数は過去最大となり、オバマ政権下では七万以上のブログが政府によって閉鎖されている。
為政者にとってファシズムは効率がいい。ジャーナリストの発言が制限され国民が委縮する中、政府は通常なら世論の反発を受ける規制緩和や企業寄り政策を、次々に進めていった。
ブッシュ政権下に時限立法として成立した「愛国者法」は、06年にオバマ大統領が恒久化。その後も「機密」の解釈は、年々拡大を続けている。
日本の「秘密保全法」も、日米軍一体化を進めたい米国からの〈機密情報保護立法化〉要請が発端だ。その後、07年に締結した日米軍事情報包括保護協定を受け、米国から改めて軍事秘密保護法の早期整備要求がきた。だが米国の例を見る限り、軍事機密漏えい防止と情報統制の線引きは慎重に議論されるべきだろう。なし崩しに導入すれば〈愛国者法〉と同様、監視社会化が加速するリスクがある。
震災直後、テレビ報道に違和感を感じた人々は、必死にネットなどから情報収集した。だがもし原発や放射能関連の情報が国民の不安をあおり、公共の安全や秩序を乱すとして〈機密〉扱いにされれば、情報の入手行為自体が処罰対象になるだろう。
公務員や研究者・技術者や労働者などが〈機密〉を知らせれば懲役十年の刑、取材した記者も処罰対象になる。国民は「適正評価制度」により「機密」を扱える国民と扱わせない国民に二分されるのだ。
行き過ぎた監視と情報隠ぺいには私達も又苦い過去を持ち、国民が情報に対する主権を手放す事の意味を知っている。歴史を振り返れば〈言論の自由〉はいつも、それが最も必要な時に抑えこまれてきたからだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/bunbaba530/67754267.html
米国の意向には決して逆らうことのできない日本の政権…その哀れさを打破しようと内部から多くの政治家が火の手をあげてきたが、ことごとく消されてきた。そして逆らう者はほとんどいなくなっている。米国を見ると10年先の日本が見える、との言葉は実に昔から言われてきたが、そのスピードはどんどん速まっている。堤未果さんの一連の岩波新書は必読文献として、こんな記事も紹介しておく。
>米国、もう見過ごせなくなった格差問題 (2013年11月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
昨年の大統領選に向けた選挙戦で、バラク・オバマ氏が格差を強調した論陣を張っていることについて意見を求められたとき、ミット・ロムニー氏は、そのような議論を「階級闘争」として一蹴した。さらに「そうしたことは、静かな部屋で、租税政策などに関する議論の中で話すならいいと思う」と述べた。
ジェニファーさんの家族は低所得者向けに配られる食料配給券「フードスタンプ」を利用する。11月から配給券が削減された。4人家族だと月36ドル分の減額になる。
共和党の人であれ民主党の人であれ、高い地位を目指す候補が今、そのような立場を取るとは思えない。数十年にわたる中間層の賃金停滞によって定着した格差の問題は、政治論争の最前線に出てき始めた。
貧富の格差は昔からの争点だ。だが、危機後の鈍い景気回復のなかで、社会的地位の向上を目指す米国人の希望をそいでいる格差のトレンドは、好転するのが難しいことを物語る。
「現時点では、どちらの党も格差についてどうすべきか分かっていないという事実の元で政治の多くが動いている」。クリントン政権で政府高官を務めたブルッキングス研究所のウィリアム・ガルストン氏はこう言う。
■上位1%が富を享受
米国勢調査局の9月の報告書によれば、家計所得は5年連続で減少し、典型的な米国世帯は現在、実質ベースで1989年より所得が少ないという。同局は、家計所得の中央値は2012年に5万1100ドルから5万1017ドルに低下し、今では景気後退前の2007年のピークを8.3%下回っていると述べた。
それと同時に、上位1%が手にする富の割合は上昇した。カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授の論文によると、2012年までの3年間で、上位1%の人の所得が31%増える一方、残りの人たちは0.4%しか増えなかったという。
「要約すれば、上位1%の所得は(金融危機後に)ほぼ完全に回復し、下位99%はほとんど回復し始めてもいない状況だ」と教授は言う。
最も激しい議論が繰り広げられているのは民主党内だが、富裕層の成功は、共和党の有力者の街頭演説のテーマにもなった。テキサス州選出の上院議員で、2016年の大統領候補になる可能性があるテッド・クルーズ氏もその1人だ。
「皆さんご存じの上位1%の人、大統領が常に好んで話題にする邪悪な百万長者、億万長者が手にする所得の割合は1928年以降のどの時期よりも高い」。クルーズ氏はワシントンでの最近のスピーチでこう語った。
共和党は賃金停滞をオバマ大統領の政策のせいにしているが、同党が格差拡大を認めたことは、この争点が有権者に対して訴える力があることを浮き彫りにした。
■両立困難な格差是正と成長政策
貧富の差の軽減に向けた課題は、現在の政策論争、特に最低賃金を引き上げ、貿易自由化を拡大し、金融規制を強化する取り組みに直接的な影響を及ぼす。
民主党、共和党の多くの人は、環太平洋地域および欧州との大規模な協定の交渉を含む、貿易自由化に関する現政権の野心的な政策課題に慎重だ。オバマ政権は迅速かつ修正なしで両協定を議会で可決させるために特別な議会の承認が必要だが、今年に問題を克服できる見込みが薄くなっている。
クリントン政権とオバマ政権に助言を与えてきたジョン・ポデスタ氏は、より自由な貿易が米国に良い結果をもたらしたかどうかを巡る左派の長年の葛藤は「未解決」であり、貿易協定を議会で通すためにオバマ大統領は「政治的資本を使う」しかないと述べる。
格差問題を是正する政策の不足に対する懸念から、ポデスタ氏は「Washington Center for Equitable Growth(公平な成長のためのワシントンセンター)」という名前の小さなシンクタンクの設立を決め、先週発足させた。「世論を刺激し、この問題に向けようとする試みは今までもあったが、散発的だった」と同氏は言う。
ポデスタ氏は、所得再配分を可能にする政策は成長を抑制するとして頻繁に片付けられてしまったと指摘し、ワシントンセンターの調査研究がこの2つ(格差是正と成長)を両立させられることを期待する。
■民主党内でも意見対立
格差に関する議論は、民主党内により大きな意見対立があることを示す。新しい経済政策が必要かどうか、そしてロバート・ルービン氏の政治的後継者たちが今ほどに幅をきかせない政策立案チームが必要かどうか、という問題だ。ルービン氏はクリントン政権で財務長官を務めた人物で、彼の弟子たちはオバマ大統領の1期目のホワイトハウスにあふれかえっていた。
新たにマサチューセッツ州の上院議員に選出されたエリザベス・ウォーレン氏は既に左派にとって、特に金融に関する方向転換のシンボルになった。民主党の内部関係者らは今、経済政策に関して割れる党内の2つの陣営を「ルービナイト(ルービン主義者)」「ウォーレナイト(ウォーレン主義者)」と、当たり前のように呼んでいる。
左派は今月、ビル・デブラシオ氏がニューヨーク市長に選出されたことに気をよくしている。同氏は市内の貧富の差の縮小を政策要綱に掲げて、民主党の支配層が後押しする候補を破った。
だが、規制を強化し、社会のセーフティーネット(安全網)を拡大しようとする民主党内左派の取り組みは大きな障害にぶつかる。今後何年か続くといわれる厳しい財政見通しと、新たな成長の源泉を見つける難しさだ。
ガルストン氏は、伝統的に富を称賛してきた米国でさえ、格差を巡る議論が転換点を迎えた可能性があると考えている。「この議論は人々がもうたくさんだ、我慢できないと言っている段階にあるようだ。限度を超えたら米国人でさえ納得しなくなる」
昨日も紹介したように、米国には日本にはない民主主義が確立されており、労働組合を含め改革や反抗する努力は失われていない。しかもオルガナイズすることが最も重要視され、組織的に横に横に拡がっていく。しかし、日本では個に分断され、「横」は忌み嫌われる言葉とされている。横やり、横死、横着、横暴…。労働組合の世界でもタテ型のトップダウンが横行し、すぐ隣にいる困っている労働者の姿も見ようとしない。それどころか経営者と一体になって迫害するケースも多い。そこに「横」の思想はない。ぜひとも米国における「横」の運動を見習いたく、このような取り組みを紹介する。おそらくレイバーネットだと思うが、出典を失念してしまった。申し訳ない。
>米国最低賃金値上げの住民投票で相次ぐ勝利...生活賃金へ ワシントン州シータック15ドル...ニュージャジー州8.25ドル値上げ可決(チョン・ウニ記者 2013.11.07)
米国の労働者たちによる最低賃金引き上げ運動が続々と実を結んでいる。住民投票で、ワシントン州シータック(シアトル・タコマ)市では、15ドルに当たる生活賃金への最低賃金引き上げ、ニュージャージー州では最低賃金8.25ドルに引き上げが可決された。
11月6日、米国の独立言論ポピュラーレジスタンスによれば、シアトルの南にあ る人口12万人の小都市シータック(シアトル・タコマ)市で、11月5日(現地時間)に 行われた住民投票の結果、約54%の住民が最低賃金を15ドルに引き上げることに 賛成した。最終的な結果が判明するのは8日頃になるが、可決される展望だ。
▲シータック市住民投票の支持者が賛成優勢という結果に歓呼している。[出処:http://www.popularresistance.org/]
これにより来年の1月1日から、シアトル-タコマ国際空港に隣接するこの市の低 賃金レストランとホテル産業に従事する約6300人の労働者は、現在の7.25ドル から2倍以上高い月15ドル以上の賃金を受け取ることになる。最低賃金引き上げの 他にも、これをインフレに連動させ、病暇とチップ保護のための措置も用意される。
発議案の支持者は最低賃金引き上げが労働者を貧困から抜け出させ、地域産業 への支出を増大させ、地域社会経済を復興させると話す。反対者はサービスの 価格を上げさせる一方、雇用を縮小し、企業が低賃金労働力を購入するために 都市を離れると反対した。
しかし結局、有権者は最低賃金を生活賃金水準に上げる案を選んだ。ニュージャジー州の有権者も11月5日、現在の時間7.25ドルの最低賃金を8.25ドル に上げ、インフレに連動する住民発議案を61%の賛成で承認した。
相次いで可決された最低賃金引き上げの住民発議案は全米サービス労組(SEIU) などの労働組合と地域社会運動の結実だ。彼らは「良い雇用キャンペーン」を 通じ、所得の不平等と政府の役割を提起して最低賃金を生活賃金水準に上げよ うという運動を展開してきた。
デビット・ロルフ全米サービス労組(SEIU)副議長は住民投票の結果について、 「この30年間、CEOの報酬は725%増加したが、労働者の賃金は足踏み」とし、 「有権者は労働者に対して正しいことをするCEOと議会を待つのに疲れた。もう われわれ自らの手で問題を処理する時だ」と話した。
他の都市もこの結果に注目している。シアトルのエド・マレー市長候補は最近、 シアトルの最低賃金も時間15ドルに上げることを約束した。< 原文(チャムセサン) 翻訳/文責:安田(ゆ)Created byStaff. Last modified on 2013-11-08 07:59:06 Copyright: Default>
最後に、面白そうな本を紹介して終わる。読みたいが、年金生活者にとっては困難ゆえ、紹介のみ。 しかし朝日新聞は、社説という最も重要な記事を会員しか読めないようにしておきながら、これは全文読める…理解できない。
>(書評)『トップシークレット・アメリカ 最高機密に覆われる国家』(朝日新聞 2013年12月1日)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311300463.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201311300463
あっあと1本。今日の朝日のちばてつやさんのコメントがよかったのでこれも紹介しておく。
>桜や紅葉の美しさを楽しめる時代が終わり、白黒だった戦前・戦中に逆戻りする。鳥肌が立つほど日本の将来が暗く見え、子どもたちがそんな時代を生きることになる――。特定秘密保護法ができた社会を想像すると、漫画家なので、つい視覚的に考えてしまう。
政府が恣意(しい)的に情報を隠せる恐ろしい法案には絶対に反対だ。国民の意見を尊重し、国民が望むことを実行するのが政治家の役割のはず。それなのに説明を尽くさず、慌ただしく法案を通そうとしている。
なぜ、これほど国民を軽視するのか。自分たちの思い通りに国を動かす意図があるのではないか。戦前のような不気味さと平和が終わる予兆を感じる。<漫画家・ちばてつやさん>
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