シジフォス

アクセスカウンタ

zoom RSS 「退職代行」横行を労働運動は反省したい

<<   作成日時 : 2018/11/06 05:52   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 1

話題になりかけたが他の重要課題が多すぎて消えつつある「退職代行業」について頭に入れておきたい。聞いたときは唖然としたが、笑い話ではなかった。かつては「辞めさせてもらえない」との労働相談は少なかった。しかし、外国人以外でもタコ部屋同然の強制労働が横行し、簡単には辞められないという。労働力不足とブラック企業化がそこまで深刻になっているのに、労働条件改善で定着化・雇用の維持を図るという方向に向かえないことが深刻だ。もう20年以上も前になるが労働相談担当者の中で、使用者を含め劣悪極まりない労働環境で働く相談者に対し、我慢して働き続け労組の結成をめざすか、サッサと辞めて新たな職場で頑張るか、との「議論」があった。そして…現在は労働審判制度を含め、退職してからの賃金未払いやトラブル解決が相談の多数を占めている。労働基準法第二条にも定められた労働条件の労使対等決定原則(労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである)などは完全に空文化しているし、この条文自体が労働契約法で説明されている。自分が労働講座で冒頭に主張していた「労働法上では、労働組合があってこそ、労働者は生きていける」などは、ほぼ見当たらない。

清水直子さんがTwitterで<退職代行サービスの費用って5万円もするのか。高い!もめたら対応できないし。プレカリアートユニオンのような個人加盟のユニオン(労働組合)に加入すれば、しっかり相談して有給休暇を消化して、退職して、未払いの残業代もあれば請求して、転職先でも身を守れる。PUの組合費は月1000円から3000円>と書いていたが、今はもっと安い業者も次々に参入してきたようだ。しかし、本来「退職」には、年休清算などの未払い賃金や離職表などの諸手続が多々あるが、これら代行業は交渉を一切行わず、いわば「夜逃げ」同様に退職させるらしい。嶋ア量弁護士もTwitterで<単に辞める、という連絡の仲介にお金を払うのか? 連絡だけでなく、業務引継ぎ、退職時期、最後の給与、損害賠償の脅し、退職金、離職票交付や離職理由、退職後の競業避止、前借金の処理。こちらから請求できる残業代などのネタも埋もれている。交渉すべき事柄は満載ですけどね。退職代行なら、「ブラック企業」は大喜びだろう。労働弁護士や労働組合なら、退職したくなる職場の違法性を是正したり、被害回復を図るから>と指摘している。

とにかく「労働」という領域に「ビジネス」が凄まじい勢いで参入している現状が酷すぎるし、本来はあってはならない。しかし労働行政が国一元化され、地方自治体が東京都が労働相談情報センター(労政事務所)で行っていたようなきめ細かい対応を行えなくなってきた中で、金儲けの餌食にされている。そして、本来は自分の問題は自ら解決すべきなのに「代行」で済まそうという風潮も気に掛かる。自ら声をあげ、仲間と共に変える努力をしない限り、「変革」はできない…と思う。

非弁行為ではないか、との問題については嶋アさんも良くまとまっていると評価した「弁護士 深澤諭史のブログ」を読んでおきたい。

退職代行と非弁行為〜退職代行利用のリスク (弁護士 深澤諭史のブログ 2018.11.3)
xhttps://xn--zqs94lv37b.club/archives/13077852.html
 以下は,格別の事業者を個別に,その事業内容までレビューしたものではありません。あくまで,退職代行業を,「代わりに退職の意思表示を勤務先にしてもらうサービス」と把握して,一般論を検討したものです。特定の業者について法的にレビューしたものではありません。
◆まとめ
@ 退職代行は,その全てが非弁行為になるわけではない。しかし,そうなる可能性・リスクは極めて高い。
A 非弁行為にならない退職代行では,利用者のニーズに応えられるかは疑義がある。
B 退職代行を利用しても,結局自分自身で対応する必要が出てくる可能性も高い。
C 退職代行を利用すると,利用者が会社に賠償責任を負うリスクがある。
D 退職代行を利用すると,未払残業代などの権利を失う可能性がある。
1.退職代行とは?
 最近,退職代行なるサービスが流行っているそうです。
 これはどういうサービスかというと,退職をしたい場合に,退職の申入れを文字通り「代行」してもらえるというものです。
 退職妨害があるとか,退職を言い出しにくいとか,あとで退職を言った言わないで揉めたくないとか,そういうことで,相当な需要があるようです。
2.退職代行の非弁行為のリスク
 もっとも,退職代行については,非弁行為に該当するのではないか,という指摘があります。これに対して,退職代行業者は非弁行為に該当しないと主張しているようです。
 非弁行為とは,以前解説した通り,弁護士でない者が弁護士業務を行うことをいいます(ただし,他士業やサービサー等,法律の定める範囲で弁護士業務の一部が取り扱える資格は沢山あります。)。
 さて,退職代行は非弁行為に該当するのでしょうか。
 これについて,一般論としては,(依頼者期待するような全部お任せのサービスをする)退職代行は非弁行為に該当する可能性が極めて高いと思います。債権回収代行などと同様の理屈がいえるのではないかと思います。
 退職という行為は,法律関係,権利義務を発生変更する案件であり,それを実行し,あるいは,その効果を保全明確化する行為だからです。これは,近時の裁判例上,概ね一致して弁護士法72条にいう法律事件に関する法律事務に該当します。
 もうすこし,理論的に詳しい話をしてもいいのですが,今後,セミナーや法律雑誌の解説に掲載予定ですので,今のところ,ここでは深く踏み込まないことにします。
3.非弁にならない退職代行業とは
 一方,非弁行為に該当しない退職代行という行為も想定できないわけではありません。
 それは法律事務に該当しないような退職代行ということになります。
 そのためには,業者自身が法律関係の変動に関与していると実質的には判断できない,ということが必要でしょう。
 具体的には,退職代行をするにあたり,いかなるメッセージを勤務先に伝えるか,それを決めるにあたって退職代行業者が定型的なセリフを教示するが,選択には関与しないという工夫は必要でしょう。有給の問題などもありますが,それについて,計算をしたり,法的リスクを教示することにも問題はあるでしょう。
 まとめると(詳細な検討をすれば,さらに正確には異なるかもしれませんが),退職代行業が適法であるのは,次の要件は必須だと思います。
 まず,依頼者から指示を受けた言葉だけを話し,かつ,その内容について相談や提案をしないことが必要です。そして,情報提供するにしても,予め定まった候補退職文言を示す程度に限られることも必要です。
その上で,会社からの応答については,それに臨機応変に応じることは許されず,一方で,依頼者に伝言として伝えるだけに留めるべきでしょう。
4.退職代行と非弁に関する誤解
 この点,交渉をしていないから大丈夫,という意見があります。しかし,法的な根拠はありません。弁護士法72条本文を読めば分かることですが,交渉は非弁行為に該当しますが,交渉に限られるものではありません。
 紛争性がないから大丈夫,という意見もありますが,近時の裁判例の大勢は,それを要求していません。また,退職代行を利用したいような案件で潜在的にも紛争の可能性がない,というケースは珍しいでしょう。
 仲介をしているだけだから問題はない,という意見もあるようです。ですが,仲介であれば法律事務に該当しない,などという見解は見当たりません。そもそも,弁護士法72条本文は,「仲裁」を例示しています。
5.弁護士を紹介すればいいのか
 更に,必要な場合は弁護士を紹介するということが免罪符になるかのような誤解があります。
ですが,無免許医が難しい患者が来たら医師に紹介する,無免許運転者が,難しい道にきたら免許のある者に代わるような話で,適法になるわけがないという他ありません。
 加えて,弁護士法72条本文はそういう紹介行為(等)も禁じています。弁護士向けの規制は更に厳しく,このようなケースでは,無料で紹介を受けることもできません。
6.本当に退職になるのかどうか
 更に,退職代行業者は,その代理権(あるいは代行する権限)があるかどうか,明らかではありません。それを証する書面もありません。代理人にしろ代行する使者にしろ,それが本人の意思に基づくか,代理なら委任状が,使者でもそれを証する書面が必要なのが原則です。
 それを用意して郵送するなどすれば,即日で退社の意思を示すということは難しいでしょう。
また,そもそも法律上,即日の退社ができるケースは限られています。
 会社としても,真意を確認しないといけません。間違えると違法解雇になりかねないからです。逆に,退職妨害になるかも知れません。
7.従業員が加害者になる可能性も
 別の側面の問題としては,退職代行業が非弁行為であった場合,利用者つまり従業員の責任が問われる可能性があります。非弁行為は犯罪です。犯罪を依頼して元勤務先に対して行うのですから,それについて責任を問われて賠償請求される可能性もあります(なお,教唆犯は成立しないという見解が有力です。)。
 また,非弁行為は無効と扱われる,つまり,代行してもらった退職の申入れが無効と扱われるリスクもあります。
 そうなった場合,無断欠勤として,懲戒解雇される,損害賠償も請求される可能性があります。
 特に,いわゆるブラック企業といわれるところは,元従業員に対して損害賠償請求を好んで行うところがあります。退職代行をしてもらいたい様な会社は,それに該当する可能性も高いでしょう。わざわざ弱みを握られてしまう可能性も大きいです。
8.権利を失ってしまう可能性も
 加えて,未払残業代などの問題があった場合,それを看過することになります。本来であれば,場合によっては,100万200万円といった残業代が手にはいったのに,それを看過して時効で失ってしまうリスクもあります。
 ついては,退職代行であれば,全て非弁行為になると断言するものではありませんが(そもそもやっている行為を全て把握しているわけではないので,その判断は不可能です。),法的にも事実上も,リスクがあると考えます。
 退職トラブルは退職トラブルに限られないことが多いです。未払残業代や賠償請求の問題も含まれている可能性があります。その場合は,これらを一挙に解決しないと解決になりません。
 多くの著名な労働弁護士が,「退職代行」を標榜しない理由はここにあるのではないかと思います。
 「風邪です」といって来た患者を診察せずに風邪薬だけ出す医師はいません。それは,本人が風邪だと思っていても,他の重大な病気である可能性もあるからです。
 法律問題も同じ事がいえます。退職代行イコール非弁行為と,断言をできるものではありませんが,退職代行を利用するなら,以上の一切のリスクを踏まえるべきだと思います。


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
労組が労組としての本分を果たさず、
辺野古「ごとき」、ヘリパッド「程度」でわざわざ沖縄まで行き、
労組幟を掲げながら現地でお遊びオコチャマ反戦ごっこなんぞやらかしているから、
そうした"業者"風情にしてやられるんだよ(一笑一笑)

少しは反省して、自称連帯おふざけと縁を切ったらどうなんだ?
韓国人と仕事して困ったことまとめ
2018/11/06 12:25

コメントする help

ニックネーム
本 文
「退職代行」横行を労働運動は反省したい シジフォス/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる