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zoom RSS 日本はILO87号批准国で団結権を認めない唯一の国

<<   作成日時 : 2010/06/24 10:10   >>

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いよいよ参議院選挙が始まりました。問われている問題は山積していますが、日本のゆがみとひずみ(漢字にすると同じ字です!)は簡単に解決できるはずはなく、政治家と官僚に丸投げしてきた私たち国民の姿勢をどう変え、責任をもって政治とむきあっていくシステムをどう創り上げていくか…「政権交代の先」がまさに問われています。とにかくEUを見れば歴然としていますが、一寸先は闇のようです。労働組合は、労働組合としてのスタンスをきちんと踏まえ、労働者にとって何が必要なのか、きちんと要求し、見極めていくべきなのですが、残念ながら、どこまで政治に反映できているのか確信がもちきれません。例えば昨日書いた全消協のHPのひとつにこのような表現がありました。「私たち消防職員の団結権(労働組合の結成)は、国内法ではまだ認められていません。永年国際的な問題となっていましたが、ついにILO87号条約を批准している国では、団結権を認めていない唯一の国になってしましました」。哀しい話です。情けない話です。しかも、日本の労働組合をあげて大闘争を繰り広げてきたのに、なんら継承されていません。ぜひともきちんと認識すべきです。なお、連合と民主党との政策協定では「『新しい公共』を踏まえた行政改革の推進、労働基本権を保障した民主的な公務員制度の実現」と記載されています。またILO条約については「中核8条約のうち未批准の第111号・第105号の早期批准」と書かれていますが、「105号(強制労働の廃止)、111号(雇用及び職業における差別待遇)」と書かないと誰も判らないでしょう…。

なお、ILO87号条約を簡単に説明すると−。
結社の自由及び団結権保護条約(第87号)
国際労働機関憲章がその前文において「結社の自由の原則の承認こそ労働条件を改善し、平和を確立する手段である」と宣言し、フィラデルフィア宣言が、表現と結社の自由は不断の進歩のため不可欠であると述べていることを考慮して採択されたものであり、1949年の団結権及び団体交渉権条約(第98号)とともにILO基本条約とされている。条約で決められている主な内容は「労働者及び使用者は、事前の許可を受けないで、自ら選択する団体を設立し、加入することができる。労使団体(連合体も含む)は、規約を作り、完全な自由のもとにその代表者を選び、管理・活動を決めることができる。行政機関はこれらの権利を制限したり、その合法的な行使を妨げたり、また、労使団体を解散したり、活動を停止させたりしない。労使団体は以上の権利を行使するに際してはその国の法律を尊重しなくてはならない。他方、その国の法律は、この条約に規定する保障を害するようなものであってはならない。」というまさしく基本中の基本の条約である。

日本では1965年5月17日、批准され国内関連法が成立しました。(発効は1966年6月14日) しかし、ここに至る過程では、大きな努力と闘いがあったことが忘れられています。どこかの説明文を借用し、成立だけを説明すると−

ILO87号条約批准闘争
ILO87号条約をめぐっては、わが国官公労組合への労働基本権の制限が同条約に違反しているとして、1958年以降、公労協などがILOへ提訴していたもので、日本政府も1960年に続いて、1961年、62年にILO87号条約の批准案件を国会に提出したが、いずれも廃案となっていた。そうした中、1965年1月10日、ILOの結社の自由に関する実情調停委員会がドライヤー調査団を派遣、当時の石田労相ら政府首脳や総評の岩井事務局長、日教組、国労、自治労ら委員長と会見するなど官公労組の労働基本権について実情を調査した。1965年8月に提出されたドライヤー調査団の報告書では、官公労のスト権の一律禁止など日本政府の措置の不当性を批判した内容となっていた。総評は、同報告書について、日教祖、自治労などの中央交渉権を支持していること、官公労働者のスト権禁止とそれによる大量処分とが不正常であると述べていることなど総評の主張が大部分支持されていると評価した。その後、総評は、日教組の中央交渉権の成文化又は保障、公務員制度審議会で審議される団交権・スト権についての政府の前向きの姿勢の2点が保障されない限り、ILO87号条約の批准は流れてもしかたがないことを確認した。一方、政府・自民党は衆参両院にILO特別委員会を設置して条約批准と国内関連法の成立を急いだ。一時、社会党の抗議で混乱したが、船田衆議院議長の斡旋案で修正協議が成立し、5月17日ILO87号条約批准と国内関連法が成立した。87号条約では日本は70番目の批准国となり、1年後の1966年6月14日に発効した。成立した国内法は、国労、全逓など公労協各組合が要求していた非職員でも組合員や組合役員になれるとする規定は盛り込まれたが、スト権や公務員の交渉権については公務員制度審議会に先送りされた。また、3年間の在籍専従制度など労働組合の組織体制に影響を及ぼす規定も盛り込まれた。


とにかく2002年11月20日、ILOは公務員のスト権を奪っているわが国の現行法令は、ILO87号条約(団結権)、98号条約(団体交渉権)に違反しており、結社の自由原則に合致させる方向での法改正を日本政府に勧告しており、以来、毎年のように強く問題視されています。なおILOが採択した183条約(失効5条約を除く)のうち、日本が批准しているのは48条約で、わずか四分の一に過ぎません。 特に労働時間関連の1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号(週40時間制)、132号(年次有給休暇)、140号(有給教育休暇)の条約は一つも批准していませんし、雇用形態についての条約に関しても消極的です。また、たぶん94号(公契約における労働条項)、148号(作業環境)、151号(公務労働者)、 155号(労働安全衛生)、158号(使用者の発意による雇用の終了)、171号(夜業)、173号(労働者債権の保護)、175号(パートタイム労働)、177号(在宅形態の労働)、183号(母性保護)なども未批准です。「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」とILO憲章に書かれているとおり、日本も世界中から早期批准を求められています。



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