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zoom RSS あの大内さんが松下ディスプレイ最高裁判決を批判?

<<   作成日時 : 2016/12/06 07:09   >>

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12/1のhamachanブログで紹介されていた『労働判例百選』第9版を購入。濱口桂一郎さんが「計110件の労働判例のうち、何を措いても読むべきは、大内伸哉さんによる例のパナソニックプラズマディスプレイ事件最高裁判決の解説です。ん?ん?ん?・・・・・こ、こ、これは一体何なんだ?誰かの生き霊が大内さんに憑依して書かせているんじゃないのか?」とまでコメントされていた故(苦笑)。第8版発行の2009年から7年経って、紹介される判例も変ってきたことにまずは驚く。「非典型雇用」の章が初めて設けられたということも驚きで、その中に松下ディスプレイ事件も納められている。他にはパート労働者のへの差別的取扱い禁止のニヤクコーポーレーション事件や事業場外労働みなし制を断罪した阪急トラベルサポート事件、さらにはブルームバーグ事件まで紹介されていて、嬉しくなった。

その一方、集団的労働法関係は旧態依然のままで、数も40件で何ら新たな判例はなく、あらためて肩を落とした次第。労働判例百選は1981年の第4版から持っているが、そこでは半数以上の約80件が労組法関係だった。いかに労働組合運動が変化(凋落!)しているのかを如実に表している。

それはともかく、大内さんは確かに「黙示の労働契約の成立」を主張されていた。あの大内さんがそんなはずはないと思ったら、濱口さんもブログに追記として、後日、大内さんのブログを紹介していた。「そもそも判例百選は自説を書くところではないので,あえて自説と逆の立場から書いてみて,私の以前に書いたものと照らし合わせて,読者に考えてもらいたいということにしました。・・・私は本音では,高裁には反対,最高裁には条件付き賛成の立場ですが,それとは逆に,高裁賛成,最高裁反対という見解も,違った理論体系の下では理論的には十分にありうると思っています。そして,それが通説(あるいは多数説)であるとみられる以上,私としても,それを尊重して書いたほうが百選の趣旨に合うと思ったのです」とのこと。

いや、実はこのコメントも驚きで「高裁賛成,最高裁反対」が「通説(多数説)」とは!? 知らなかった。濱口さんもそのあとさらに追記し、「そもそも、高裁賛成,最高裁反対が通説(多数説)なのかという問題はさておいても、これを読んでニヤリとできるのは、あるレベル以上の人であるように思います。・・・ただし若い研究者の方はマネをしないように。まあ,マネをするような人はいないでしょうが」と書いている。

とにかく、実に刺激的なので、それぞれ原本で全文を読んでいただきたい。以下に添付しておく。 

>パナソニックプラズマディスプレイ最高裁判決by大内伸哉@『労働判例百選(第9版)』(hamachanブログ 2016.12.1)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/by9-81fc.html

>労働判例百選第9版(アモーレと労働法 2016.12.1) 
http://lavoroeamore.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/9-fc30.html

旅行に行く際に、判例集を携行し、楽しく読んでいた時代もあった。しかし、年を重ねるとその判例コメントに怒りを覚える時も増え、最近は持って行かない。時代が移れば大幅に見直されるべき判例なのに、未だその内容を批判していない法学者がいて、今回もいくつか注目したが、同様だった。もちろん、新たに争っていない組合側にも多大な責任があるのだが、この百選は今も労働審判員には配布されると思うと悩む次第。さて労契法20条違反の判断はどのような判例として残るのか…。

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