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zoom RSS 「共謀」ほど面白く胸躍らせる作業はなかなか無い

<<   作成日時 : 2017/05/22 05:43   >>

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今更新たに頭に入れておくべき共謀罪に関する論点など…と思いつつ、問題点が多すぎて逆に困ってしまう。熊谷徹さんは、昨日のTwitterで<共謀罪法案・強行採決。G7(主要国)の中で強行採決を行う国は、日本だけ。他国が強行採決をどう見ているか。恥ずかしく思う。この法律によって言論の自由が制限されることを危惧する。新潮社と文藝春秋は広告のカンニング疑惑で喧嘩をしている場合ではないぞ>と。メディアもそれなりに批判し、全国各地で抗議行動等が行われているが、戦争法反対の動きよりはまだ弱い。あまりに酷い暴走故に、慣れが生まれ、怒りが呆れに風化しつつあるのかもしれず、諦めにさえなりかけている。

他の民主主義国では支配層の中にも必ず良心的な勢力があり、一定の歯止めの役割を果たすが、アベ暴走に対し、自民党内部でもやっと動きが見えてきた。しかし、まだまだ弱い。金子勝さんの5/19付けTwitterは<愚かで腐ったアベの登場によって「自由と民主主義を破壊する党」に完全に変わった。多くの人は、まだ昔の自民党の幻想に惑わされているが、ここにある自民党はもはや元の自民党ではない。日本会議に乗っ取られた極右政党です。日本社会の同調体質から全体主義になる危険性が異常に高まっています。官邸の中枢が原発利権集団と警察検察官僚で占められ、通貨高権を握り、皇帝ネロかルイ15世のごとくカネをバラまいてパンとサ−カスを演じ、未来の破綻を準備し、自らは「国家を私物化」し腐敗堕落する。そして批判を封じるために戦争を煽り、言論と民主主義を圧殺する装置をどんどん作り出している。>とあった。

昔話としてしかできないが、かつては労働組合内部にも政治工作を日常的に行うメンバーがいた。政党やメディア、官僚、経営者の間を泳ぐようにまわり、情報収集とマッチポンプを行い、巧妙に「流れ」をつくっていた。SNSなどない時代には、情報はそれぞれの頭の中に仕舞われ、信頼できるメンバーと日々交換しあう。余程のことでないと紙には出ない。下手なドラマよりはるかにスリリングであり、かみ応えのある仲間や先輩が多くいて、「共謀」が実に面白かった時代であった(もちろんその事実の多くは墓場にまでもっていく…笑)。

無い物ねだりをしても致し方なく、「共謀罪」に関して何本かアップして今週に備えたい。しかし、これでも少ないことに深く危惧する。

(天声人語)「共謀罪」、衆院委で可決(朝日新聞 2017年5月20日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12946445.html?rm=150
 心のなかを裁く法律ではないか。不安が消えたとはとても言えない。犯罪を計画の段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ法改正案をめぐり、あちこちで発せられてきた言葉がある▼共謀罪のある社会は、どこまで監視の目を広げるのか。作家の平野啓一郎さんの危惧は現代的である。「フェイスブックなどのSNSが発達した今、『友達の友達』は時にとんでもないところまでつながっていく。犯罪を漠然としたリスクとして『予防』しようとすると、捜査機関の監視は歯止めがなくなる」▼102歳の太田まささんは18歳のころ、共産党の機関紙を読んだことを理由に警察に拘束された。「時代を逆戻りさせちゃならん。足さえ動けば、反対を訴えるのに」。共謀罪の目的は組織犯罪の未然防止だとされるが、市民の活動がゆがめられ解釈されるおそれはないか▼「政府は言う、普通の人には関係ない しかし判断するのは権力を持つ者、警察だ ダメと言われたらそれでアウト」と歌手の佐野元春さんがフェイスブックに書いた。一般の人は対象ではないという政府答弁への疑念である▼日本ペンクラブの反対集会で作家の森絵都さんが語っていた。「日本人の心のなかには、何か起こったときには国が守ってくれるという依存や期待があるのではないか。そこを国につけ込まれるのでは」。そして庇護(ひご)と監視は必ず一緒に差し出されると▼本当にこのまま通していいのか。衆院本会議にのぞむ議員一人ひとりに問いたい。

[大弦小弦]「多数派は常に間違っている。自分が多数派にまわったと知ったら、それは必ず・・・(沖縄タイムス 2017年5月18日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/97962
 「多数派は常に間違っている。自分が多数派にまわったと知ったら、それは必ず行いを改めるか、一息入れて反省する時だ」。米国の小説家、マーク・トウェインが残した警句である
 ▼組織論にも通じる話で、全員が賛成する事業や方針は危うい。異論や少数意見にこそ耳を傾けるべきで、多数派には謙虚さが求められるとの戒めなのだろう
 ▼世間は広いもので、「多数派は常に正しい」と先の警句と逆を行く方々もいる。安定した内閣支持率を背景に、野党の質問にまともに取り合わない安倍晋三首相、失言を繰り返す閣僚、「数こそ力」と言わんばかりの国会運営をする与党を見て思う
 ▼不思議なのは、「安倍1強」の政治状況下で、多数派の自民党から異論や少数意見が出てこないことである。トップの顔色をうかがい、沈黙を貫く方が得だと思っているのだろうか
 ▼与党が採決を急ぐ「共謀罪」法案の審議でも多数派の慢心がちらつく。野党が厳しく指摘する捜査当局の判断次第で取り締まりの範囲が広がる危険や懸念も、権力に近いわれらには関係なしと勘違いしてはいまいか
 ▼少数意見に真摯(しんし)に耳を傾け、どれだけ取り入れていけるかが民主主義の成熟度を測るバロメーターである。「数の力」に酔いしれるトップと物言わぬ取り巻きの方々に、冒頭の警句を贈りたい。(

筆洗(東京新聞 2017年5月20日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017052002000124.html
 おととい生誕百五十年を迎えた知の巨人・南方熊楠(みなかたくまぐす)は、刑事被告人になったことがある。地元熊野の新聞に寄せた「人魚の話」が、新聞紙法が禁じる風俗壊乱とされたのだ▼超人的な博覧強記の人らしく、人魚伝説を古今東西の文献・伝承を使い躍動的に論じた随筆だが、性的な伝承の紹介が罪にあたると告発された▼裁判で南方は「風俗壊乱などは、こじつければどんなものでも罪になる」と恣意的(しいてき)な法の運用を論難したが、検事は開き直った。「事実が同一でも、見様(みよう)と手心とがある。その職にある者の手心によって罪になるのである」。そして、有罪判決が下された(『南方熊楠百話』)▼この事件には裏があった。政府が進める神社統廃合のために聖なる森が伐採された。貴重な生物や村人の暮らしが損なわれる一方で、木材売却で役人らが甘い汁を吸っていた。それを暴露された当局が意趣返しで告発したとされるのだ▼当局の恣意的な運用を許す法律がいかに危険かは、歴史が繰り返し教えるところだが、政府与党は、異論を封じ込めるかのように、「共謀罪」の導入を急ぐ▼鶴見和子さんの名著『南方熊楠』によると、硬骨の人・南方もこんな言葉を漏らしたという。「中国との戦争はよくない…しかし、なにかいうとぶちこまれる。ぶちこまれると時間がおしいから、できるだけ官憲にはたてつかないことにした」

斜面(信濃毎日新聞 2017.5.20)
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170520/KT170519ETI090014000.php
国会で答弁する金田勝年法相は「二人羽織」とやゆされた。後ろでささやく役人とのコンビを指している。無能呼ばわりされた“迷答弁”の数々を好意的に解釈すれば、理屈の通らない共謀罪法案の説明はどだい無理だ―ということか
   ◆
この法律は計画段階から処罰ができる。日本の法体系では特異な形だ。条文を読むと規定はあいまいで分かりにくい。問題は何か。国会で意見を述べた高山佳奈子・京都大教授の説明が参考になった。まず安倍首相が訴える「テロ対策」とは関係がない
   ◆
国際条約に入らないと五輪が開けないと言うが、条約はマフィア対策が狙いだ。今のままでも参加はできる。しかもテロ関連の条約は加入済み。日本は銃でもドローンでも規制が厳しく、現行法で対応可能という。テロ対策と言われれば早合点しがちだが、「看板に偽りあり」だ
   ◆
高山さんは対象になる犯罪の絞り込みも問題と見る。なぜか政治家や企業、警察の関係する重い罪が除かれている。条約が主眼とする犯罪組織の収益源を断つなら、利権や賄賂の絡むところが有効なはずだが、保安林での盗みや著作権侵害などが対象だ
   ◆
所得税や消費税の違反は含まれるのに、お金持ちが関心事の相続税は対象外。これもちぐはぐだ。本当の狙いは何か。警察がその気になれば捜査対象は限りなく広がり、着手しやすくなるだろう。監視社会の扉を開く心配がここにある。誰が“共謀”して進めたのか、知りたいのはそこだ。

<社説>共謀罪法案可決強行 成立させてはならない 解散して国民に信を問え(琉球新報 2017年5月20日)
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-499167.html
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案が衆院法務委員会で強行採決され、与党や日本維新の会の賛成多数で可決された。
 捜査機関が団体や市民生活のあらゆる分野を常時監視し、取り締まりの対象とする監視社会を招く恐れがある。
 安保関連法によって憲法9条をねじ曲げ、特定秘密保護法によって国民から情報を隠し、共謀罪法案によって国民を監視する。安倍政権は、日本をこれまでとは違う社会に変質させようとしている。議会制民主主義が機能しない中で、憲法違反の悪法を成立させてはならない。この際、解散して国民に信を問うべきである。
◆監視社会はごめん
 沖縄県民は戦中と米国施政下で監視社会を経験している。そんな社会の再来はごめんだ。
 元県議で沖縄社会大衆党の委員長を務めた瑞慶覧長方さんの父長真さん(当時48歳)は1944年5月、糸満の海で、溺死体で見つかった。投身自殺だった。
 44年の初めごろから「長真はそういう(社会主義の)本を持っているらしい」とのうわさが流れてきた。ある日、2人の特別高等警察官(特高)が突然自宅に現れた。本棚をひっくり返し、裏の小屋にあった種まき用の大豆が入った大きなかめに手を突っ込んで、社会主義に関する本を徹底的に探し回った。抜き打ちで数回家宅捜索が行われたが「本」は見つからなかった。
 特高による尋問で長真さんは日ごとに憔悴(しょうすい)していった。当時11歳の長方さんはなすすべがなかった。ある晩、父はふらりと家を出たまま帰らぬ人となった。治安維持法によって家族の日常が奪われてしまった。
 米国統治下の56年、琉球大学の学生らが「ヤンキー・ゴー・ホーム」とシュプレヒコールを上げながらデモ行進したとして、米国の圧力によって退学処分になった。大学は当時、米軍によって監視されていた。表現、思想信条の自由はなかった。
 安倍晋三首相は1月の国会答弁で、処罰対象は「そもそも犯罪を犯すことを目的とする集団」としていたが、2月には「そもそもの目的が正常でも、一変した段階で一般人であるわけがない」と説明を変えた。線引きが曖昧だ。
 対象は際限なく広がり、労働組合など正当な目的の団体であっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」として認定すれば処罰対象になる可能性がある。かつて石破茂氏が秘密保護法案への反対運動をテロになぞらえたことがある。辺野古新基地建設に反対する市民運動も対象になる恐れがある。
◆現代の治安維持法だ
 治安維持法の下で言論や思想が弾圧された反省を踏まえ、戦後日本の刑法は犯罪が実行された「既遂」を罰する原則がある。
 しかし共謀罪法案は、実行行為がなくても犯罪を行う合意が成立するだけで処罰する。捜査機関が恣意(しい)的に運用する恐れがあり、日本の刑法体系に反する。犯罪実行前に自首した場合は刑を減免する規定があり、密告を奨励する社会になりかねない。
 対象犯罪を676から277に絞ったとしても、拡大解釈される可能性は否定できない。治安維持法も拡大解釈され、全く歯止めが利かなくなった。
 安倍政権は安保法によって、自衛隊による海外任務を拡大させ、憲法違反の集団的自衛権行使を認めた。秘密保護法によって国に不都合な情報を隠し国民の知る権利を侵している。今度は共謀罪法案によって国民を監視する。おとり捜査や潜入捜査、室内盗聴、GPS捜査など捜査手法の拡大を合法化する可能性もある。
 これだけの重要法案でありながら30時間の審議だけで議論が深まるはずがない。強行採決した法務委の責任は重い。主権者の国民を代表する国権の「最高機関」という自覚が足りない。委員会審議のやり直しを強く求める。

木村草太の憲法の新手(56)テロ等準備罪法案 問題山積、いったん廃案に(沖縄タイムス  5/21)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/98423
 テロ等準備罪法案は、一定の犯罪(法案別表第三規定)を目的とした組織の活動として、二人以上で重大犯罪(法案別表第四規定、ほぼ別表第三と重複)の計画を立て、その準備行為を行った者に刑罰を科すものだ。この法案には、多数の問題が指摘されている。
 第一は、立法理由への疑問だ。政府や法案賛成派の有識者は、この法案が、マフィアなどによる犯罪の防止を目的とした、国連国際組織犯罪防止条約を参加するために必要だと言う。
 確かに、同条約は、加盟国の義務として、共謀罪か犯罪組織参加罪を法定することを要求する(条約5条)。しかし、多くの専門家は、現行法のままでも、日本は条約を締結できるはずだと指摘する。なぜなら、条約全体の体系からは、必ずしも共謀罪・参加罪を法定せずとも、マフィアや暴力団などの犯罪組織による重大犯罪を効果的に防止する措置が取られていれば、加盟国の義務は果たせると解釈できるからだ。
 実際、2004年に出された同条約についての『立法ガイド』では、共謀罪・参加罪の法定は必須ではないとされており、いずれも設けないで条約を批准した国も多いという。また、12年の国連文書でも、必ずしも条約の文言通りの法制をとらないカナダやフランスなどの立法例が紹介されている。条約の認める選択肢は広く、批准後に、問題が指摘されてから対応することもできよう。
 第二は、「テロ等」という名称の欺瞞(ぎまん)だ。法案は、テロ集団だけでなく、詐欺や著作権侵害、業務妨害、贈収賄など、さまざまな犯罪の計画に適用される。他方で、個人によるテロは全く対象になっていない。立法理由である条約が、組織犯罪防止、すなわちマフィアや暴力団の対策であることからも明らかなように、この法案はテロ対策にはならない。テロの名称を使うのは、国民の不安を利用して、国民の目を欺こうとしているとしか思えない。
 ちなみにテロ対策としては、「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の処罰に関する法律」が既に制定されており、テロのための資金準備や下見などは処罰される。テロ対策なら、今回の法律は不要である。
 第三は、捜査権限の野放図な拡張だ。これまでは、逮捕や捜索・電話傍聴などの強制捜査は、犯罪が実行に移された疑いがある場合にのみ許された。この法が成立すれば、共謀の疑いがあるだけで、強制捜査ができてしまう。しかも、「組織的犯罪集団」は、構成員が過去に犯罪をしたことなどは要件とされていない。つまり、犯罪計画をしたとの嫌疑があれば、政党、サークル、労働組合、会社など、一般の団体にも適用されうる。恣意(しい)的な捜査の危険は大きい。
 第四は、憲法原則への抵触だ。刑罰は重大な人権制約を伴うから、謙抑性が求められる。加害の危険がごく小さい段階で刑罰を科すことは許されず、刑罰法規の内容の適正を要求する憲法31条違反となる。今回の法案は、憲法違反の可能性もあろう。
 このように、テロ等準備罪法案には、問題が多すぎる。いったん廃案として、再検討すべきだろう。 (首都大学東京教授、憲法学者)

衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明(共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会 2017/5/19)
http://roudou-bengodan.org/topics/4745/
 本日,衆院法務委員会において、共謀罪(「テロ等準備罪」)法案を含む組織犯罪処罰法改正案の採決が強行された。来週にも本会議への上程を計画していると伝えられる。私たちは,この暴挙に対し,満腔の怒りをもって強く抗議する。
 そもそも、刑法は、どの行為が犯罪とされるかを定めているが、裏返せば、犯罪とされずに自由に行動できる範囲を定めているといえる。犯罪とは人の生命や身体自由名誉財産に被害を及ぼす行為と説明され、法益の侵害又はその現実の危険性が生じて初めて事後的に国家権力が発動されるというシステムは,我々の社会の自由を守るための制度の根幹である。
 約300もの多くの犯罪について共謀の段階から処罰できることとする共謀罪法案は、既遂処罰を基本としてきた我が国の刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介入する際の境界線を、大きく引き下げるものである。
 私たちは沖縄ですでに弾圧の道具に使われている威力業務妨害罪の共謀罪が法案化されていることに警鐘を鳴らしたい。1999年に制定された組織犯罪処罰法によって、組織的威力業務妨害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪が作られ、法定刑が長期3年から5年に引き上げられ、廃案となった2003年法案で共謀罪の対象犯罪とされた。これらの犯罪は、もともと構成要件があいまいで、労働運動などの弾圧法規として使われてきた問題のある犯罪である。この共謀罪はひとつだけでも治安維持法に匹敵する著しい危険性を持っている。自民党の2007年小委員会案では、これらの犯罪は共謀罪の対象から外されていたのに、これを何が何でも共謀罪の対象としようとしている安倍政権には、市民の異議申し立て活動に対する一網打尽的弾圧の意図を疑わざるを得ない。
 「組織犯罪集団」の関与と「準備行為」を要件としても、法案の適用範囲を厳しく限定したものとは評価できない。首相は、一般人は処罰の対象にならないと説明しているが、同法案では、原発反対運動や基地建設反対運動などに適用され得る組織的威力業務妨害罪や、楽譜のコピー(著作権法違反)や節税(所得税法違反)など市民が普通の生活の中で行う行為が犯罪に問われかねないものも,対象犯罪に含まれている。そもそも、同法案には一般人を対象としないなどという文言はなく、「計画」と「準備行為」があれば、条文解釈上、誰でもが処罰対象となり得る規定となっている。現在の審議状況では、到底、私たち市民が納得できるだけの充分な説明が尽くされたとは言えない。
 警察は今でも,市民運動に関わる人の情報を収集したり,イスラム教徒だというだけで調査の対象とするなどの違法なプライバシー侵害を繰り返しているが,共謀罪が制定されれば、今以上に,市民の行動や,人と人との会話、目配せ、メール、LINEなど、人の合意のためのコミュニケーションそのものが広く監視対象とされる可能性が高い。
 政府は,共謀罪の制定が国連越境組織犯罪防止条約(TOC条約)の批准のために不可欠であるかのように主張するが,諸外国の例を踏まえれば、このような広範な共謀罪法案を成立させることなく国連条約を批准しても、国際的な問題は全く起きるものではない。また,この条約の目的はマフィアなどの経済的な組織犯罪集団対策であり、テロ対策ではない。日本は、国連の13主要テロ対策条約についてその批准と国内法化を完了している。法案には「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」という言葉は入れられたものの、テロリズムの定義もなく、法の適用範囲を限定する意味はない。
 共謀罪法案をめぐる衆議院法務委員会の審議・運営は,政府が野党議員の質問にまともに答える姿勢を放棄して「一般市民は捜査の対象にもならない」など根拠のない答弁を機械的に繰り返したり,野党議員が大臣に答弁を求めたにもかかわらず政府職員が勝手に答弁するなど,異常かつ非民主的という他ないものであった。5月17日,野党議員が金田法務大臣の解任決議案を提出したことは,道理にかなったものである。
こうした異常な審議の挙句,いまだ審議すべき重要問題が多数積み残されたまま,本日,採決が強行されたことは,暴挙といわざるを得ない。
 5月16日報道された朝日新聞の世論調査では、共謀罪法案を今国会で成立させる必要はないという意見は64%に達し、必要とする意見18%を大きく上回った。共謀罪法案反対の世論は急速に広がっており,国民の多数は、この間の審議を通じて浮かび上がってきた法案の多くの問題点について,審議を深めることを願っている。
私たち共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会は、我が国の人権保障と民主主義の未来に大きな禍根を残す共謀罪法案の成立を阻止するため、引き続き全力を尽くす決意である。
 共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会
社会文化法律センター 代表理事 宮里邦雄/自由法曹団 団長 荒井新二/青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 原 和良/日本国際法律家協会 会長 大熊政一/日本反核法律家協会 会長 佐々木猛也/日本民主法律家協会 理事長 森 英樹/日本労働弁護団 会長 徳住堅治/明日の自由を守る若手弁護士の会
共同代表 神保大地・黒澤いつき
 以上>


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