シジフォス

アクセスカウンタ

zoom RSS 無期転換権も組合加入も放棄する正社員労組とは

<<   作成日時 : 2017/08/09 06:10   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

口外できないが、驚くべき「事実」を次々に聞かされた。その多くは企業別労働組合ゆえの「理屈」であり、「経営にさからえない…」というよりも「会社・労組は運命共同体」の「会社ファースト」の労組役員による態度だった。そのスタンスが産別にももちこまれ、業界にも波及し、労組の無い企業に蔓延する悪循環が続く。今回の連合は内部批判が珍しくあったが、ほとんどは意見もないまま決まる会議がほとんどで、トップダウンが日常化している。ある産別では、素晴らしい委員長が2代続き、画期的な運動方針がつくられたが、大手組織から批判が入りその後次々に修正かなされているという。「脱原発」「非正規の組織化」などの常識的な方針までもが削られたそうで、少数派労組の役員が悲憤慷慨していた。もっとも連合を含め日本のほとんどの労組はユニオンショップで、労組自体が会社機構の一部と化しており、「運命共同体」こそが「常識」となっている。

その連合が先日行った有期契約労働者への調査によると、一定の条件を満たす場合に無期契約に転換できる改正労働契約法のルールについて、内容を「知らない」と答えた人の割合が8割を超えたという。民主党政権の数少ない成果の一つとも言われる改正労契法では「勤続5年を超えると見込まれる有期契約労働者が希望する場合、使用者は無期契約に転換しなければならない」とされており、施行から5年を超える来年4月に転換が始まる。

連合通信から引用させてもらうが、調査では、ルールの内容を「知っていた」は15・9%で、「ルールができたことを知っているが、内容は知らなかった」が32・9%、ルール自体を「知らなかった」が51・2%に上った。内容を含め、知らなかった割合は計84・1%となる。ルールの存在や内容をどこで知ったかという問いには「マスコミ」が50・7%で、「勤務先からの説明」は35・9%にすぎない。

>ルールの発動を前に、脱法的な雇い止めの発生が今秋以降懸念される。
 一方、「契約期間が無期になるだけで待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い」との設問に同意した人は54・5%にも上る。4年前の調査より約14ポイント減っているとはいえ、半数強が冷めた目で見ていることが分かる。
 働き手をつなぎとめ人手不足を解消するには、無期転換だけでなく、処遇の改善が必要ということを示している。
●一時金、退職金で大差
 改正法で新設された「不合理な労働条件の禁止(第20条)」との関わりで、格差の現状も聞いている。
 ボーナス(一時金)の支給が「正社員と同じ内容・基準」で行われているのはわずか4%で、「異なる内容・基準」は25%、支給対象外は71%にも上る【グラフ2】。政府の「同一労働同一賃金ガイドライン案」では、一時金は正社員と同じ基準で支給されなければならないとされている。退職金については、支給割合が1割強に過ぎず、88%が支給対象外だ。
 福利厚生関連で「利用できない」と答えた割合は、それぞれ項目ごとに、食堂36%、駐車場45%、休憩室17%、慶弔休暇取得45%、教育訓練51%、健康診断32%となっている。いずれの項目も職場に労組が「ある」と答えた人ほど、利用できない割合はおおむね1〜2割程度少ない。(連合通信 2017.8.3)


調査自体は連合HPにアップされているので、参照されたい。読めば読むほど脱力するが…
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20170720.pdf

しかし、制度を周知させる努力を労働組合がしていないことにもあらためて呆れる。企業別労組にとって、それは会社の役割だと認識している。有期の社員が労働組合員であっても…だ。格差の実態もそれを示している。当然ながら「5年」を前に雇い止めにする動きも拡がっており、そこにもきちんと対応すべきなのに…だ。

なお、連合として労組役員・企業担当者(!)及び有期契約労働者むけの「無期転換ルール 労働者・経営者のためのお悩み解消セミナー -労働契約法改正(無期転換ルール)への対応-」イベントを8/28,9/5の2回開催するとHPに案内されている。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/event/20170828/

嶋ア量弁護士も7/20のTwitterで<労働契約法の5年超更新での無期転換ルール制定に、5年は長過ぎ(もっと早く転換させるべき)と反対した労働組合は、制度周知はもとより、5年超過前の早期無期転換の要求を使用者に求めて欲しい。そうでないと対応が一貫しない。社会的責務です。まだまだ労働組合の取組が鈍いのです>と指摘していた。嶋崎さんいわく<残業代ゼロ法案を成果型賃金とする誤報が止まらない理由の1つに、労働側が残業代貰える正社員男性労働者目線で捉え、成果型賃金にプラスイメージをもつ労働者が多数いることに思いが至らないからというのもあると考えている。今も残業代と無縁な労働者は、成果型賃金に幻想を抱き勝ち>とも。

簡単に説明はできにくいが、東京新聞の解説記事も添付しておく。

【暮らし】5年超えたら無期契約 契約社員・パート・アルバイトなど(東京新聞 2017年7月10日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201707/CK2017071002000163.html
 アルバイトやパートなど有期契約の労働者が会社に申し込むと、無期雇用となる「無期転換ルール」。対象は五年を超えて働く契約をした労働者で、制度導入から満五年となる来年四月以降、多くの有期労働者が正社員と同様、定年まで働けるようになる。しかし使用者側に説明義務がないため、制度を知らない労働者が多い。また五年を前に使用者側から契約更新を拒まれる「雇い止め」を心配する声もある。
 有期労働者は働く期間を決めた上で契約を結んでいる。ただ雇用期間が半年や一年など短いことが多く、不安定な働き方だ。
 無期転換ルールは雇用の安定などを目的に、2013年施行の改正労働契約法で導入。13年4月以降、通算五年を超える労働契約を結んだ段階で申し込める。図のように、13年4月から一年契約を切れ目なく更新していれば、来年4月の契約更新時に申し込み権が発生する。申し込みを使用者側は拒めない。
 現在の労働市場は人手不足が続く。そんな中、人材確保のため、制度を先取りして導入した企業もある。
◆「年を重ねても働き続けられる安心感があります」
 東都生活協同組合(東京都世田谷区)の人事・労務政策部で働く伊東久美子さん(48)は今年2月、一年更新の有期雇用から無期になった。
 無期になっても正規職員ではなく、時給制のまま賃金も変わらない。だが「年配になって雇い止めの状況に陥るといった不安が減った」と歓迎する。
 というのも、毎年二月の契約更新では、「業績によって更新しない可能性」という文言が契約書にあったからだ。有期労働者の立場の弱さを感じたという。
 東都生協が無期転換ルールを導入したのは14年3月から。その時点で五年働いていた従業員が対象。約320人すべてが無期に転換したという。無期は正社員の定年である60歳まで更新なく働ける。
 有期労働者にとって無期転換はメリットも多い。しかし都が15年に実施した調査では、都内で働く契約社員の六割が制度を知らないと回答。会社に説明義務はなく、権利を知らないまま置き去りにされる労働者がいる懸念がある。
 無期転換ルールに詳しい梅田和尊弁護士は「直前の雇い止めや、無期転換後の待遇などに注意してほしい」と指摘する。
 無期転換を申請できる通算五年を超える契約を結ぶ直前に契約を打ち切ったり、五年を超えない範囲に契約期間の上限を決めたりするケースもありうる。
 無期転換後の労働条件にも注意が必要だ。無期労働になった後、賃金が下がったり、勤務時間が変わったりするケースがないとも限らない。梅田弁護士は「業務が同じなのに賃金が下がるのは合理的でないとみなされ、無効となる可能性がある」とする。更新する際の条件に不明・不審な点があれば、その場ですぐ判断せず、都道府県労働局の総合労働相談などに相談することを勧める。
 梅田弁護士は「諸外国と比べて、無期転換ルールの期間五年は長く、もっと短いのが適切。さらに五年も勤めていながら、給料は非正規の時と同じ、正社員との格差を残したままというのは望ましくない。会社には正社員の給料に近づける努力が求められる」と話す。


なお、連合総研の月間DIO6月号に「有期雇用の無期転換への実務対応と期待される労働組合の取組と課題 〜無期転換は組織化の好機、現場対応が今後の方向を左右する!}と題する 棗一郎弁護士の論文も掲載されているので、添付しておく。ほとんど連合役員は読んでいないと思う…苦笑。
http://www.rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio327.pdf

AEQUITAS /エキタスがリツイートした7月23日のTwitterに<Nで始まる系の通信大手会社に勤務すると、ボイスレコーダーどころか携帯・スマホも室内に持ち込めないし、紙1枚持って出られない。そういう会社に勤めたら、どうやってパワハラの証拠をつかめばいいんだろう><ぱっと見分からないですよね。拘束時間も責任度合いも正社員と変わらない非正規社員はたくさんいます。取引先ですら区別つかないと思います。〇〇社の〜さんが実は派遣労働者と知らないパターンが多い。それぐらい非正規社員は器用な人が多いということなのだと思います>とあり、さらにこんなツイートも…。

●<非正規労働者に対して、正規労働者以上の結果を求められる場合も多いのでは?(現実的に私はこの立場だったので)当然、労組も私とはかかわり合いもないし、コンプライアンス相談室も…
○今問題になっている様々なことは、今年齢がいって発言権がある人間達が経験したことがない領域の話。だから労組幹部が非正規社員を救えないのは当然なのかもしれない。居酒屋や小売りのブラック正社員の問題は周知されてきたがやはり私はホワイト企業の中における正社員と非正規社員の給与…日本は福祉国家ではない代わりに、終身雇用制度が国民の生活を担保した。労働と雇用が国や社会保障に直接頼ることが嫌いな日本人の唯一のライフラインだった。
●政治家はこの層の人達と付き合いがないから全く想像もついていない。小泉純一郎ですら、自分がやったことの顛末を知らないまま死んでいくんだろう。竹中はまだ暗躍する。とにかく派遣会社の搾取を無くすのは国が動かない限り無理。一度甘い汁を吸った人間を正常に戻すのは至難の技である。
○当事者として言いたいのは、一見小綺麗なオフィスで綺麗な服を着て働いている女性達が実は派遣労働者というのが当たり前の時代で、彼女らは貯金もない、食事代すら削り健気に働いている。休みの日は旅行にすら行けないから家でじっとしていると言う。
●しかし、オフィスワーク全般に派遣労働が解禁となると、新卒で就職した会社を事情があり退職した人が、非正規市場に流れる。新卒至上主義の考え方が、正社員過重労働から逃れられない人、不本意非正規社員の両方を蝕んでいる。だから、終身雇用制度が当たり前の人の中に正解が全くないのは当然



あらためて日本の大企業正社員クラブと揶揄される労働組合の責任は大きいと思う。法改正があっても、付帯決議などできちんと書き込まれても、その後、きちんとフォローアップがされていない。それどころか、日経が8/6に「派遣事業の許可基準緩和 厚労省、条件付きで資産要件撤廃」という許しがたい報道をしたのに、労組側からの反応がほとんど見えない。派遣法と闘っている方々との共同行動も組織されなければならないのだが…。 忘れてはならないので、この日経記事を添付して終わる。

>厚生労働省は労働者の派遣事業を手がける事業者への許可基準を緩和する。現在は純資産などで一定の要件を設けているが、自治体が事業者の債務を保証することなどを条件に資産要件を撤廃する。経営規模の小さい事業者が派遣ビジネスを続ける環境を整えることで、地方で働く人が仕事を見つけやすくする。
 労働者派遣法に基づく許可基準を改め、9月上旬にも適用する方針だ。
 派遣労働者に適切に賃金を支払い続けるため、現在は事業者に対して一定規模以上の資産を持つよう求めている。具体的には「純資産額が事業所数に2000万円をかけた金額を上回ること」「純資産額が負債総額の7分の1以上」「事業資金としての現預金が事業所数に1500万円をかけた金額を上回ること」の3つの要件がある。
 地方自治体が企業と債務保証や損失補填の契約を結ぶことを条件に、これらの要件を満たさなくても事業をすることを許可する。自治体がチェックすることで、資産要件を満たしている場合と同じ程度の評価ができると判断した。資産要件の基準そのものは引き下げず、労働者への賃金支払いが滞らないようにする。
 背景にあるのは2015年の労働者派遣法改正だ。それまでは資産要件を満たす必要がある許可制の事業者と、資産要件のない届け出制の事業者の2種類があった。悪質な事業者を排除するため、法改正で許可制に統一した。
 事業者は18年9月までに許可制に移行する必要があるが、中小の事業者などからは「資産要件のハードルが高い」といった指摘が寄せられている。7月現在で許可制の事業所数が約2万4千あるのに対し、届け出制は約5万5千と移行は順調に進んでいない。今回の基準改正で移行を促す。



月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
無期転換権も組合加入も放棄する正社員労組とは シジフォス/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる