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zoom RSS 「好きで働いてるから死んでもいい」と自民党は言う

<<   作成日時 : 2018/05/17 05:55   >>

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昨日も様々な方と話したが、一つも良いニュースが無かった。もちろん自分の領域である労働運動の世界に関しても…。エキタスがリツイートしたTwitterで<高プロの人の月200時間は違法?と山井議員。ほかに法令違反がなければ違法にならないと大臣(!)。このとき「好きで働いてるからいいじゃないか」とヤジった与党議員がいたもよう。過労死しても会社に自己責任にされそうで高プロヤバイという話のときに、それ言いますか…>と。そして派遣ユニオンの見留洋子さんのTwitterには<5年、10年と熟練・キャリアを積み上げている非正規仲間、いまのところ誰も無期雇用転換に至っていない。もうひとつ変わらないのは安定した低賃金、そして次の更新が人質だ>(5/14)との言葉も。

スーパー裁量労働制ともいうべき高プロ法制化に反対すべき時に、また「犠牲者」が出てしまった。新聞報道によれば、システム開発会社で裁量労働制を適用されたばかりの男性社員(当時28)は昨年8月、納期が迫る仕事を抱え、36時間連続で働くなど長時間労働が続き体調を崩し、自宅で死亡しているのが見つかったという。死因はくも膜下出血だった。池袋労基署は、死亡前2カ月の時間外労働を月平均87時間45分とし、またその前には1カ月は約136時間もの残業もあったとし、「業務による明らかな過重負荷」として労災認定した。それでもこの会社は取材に「労災認定の事実を把握しておらず、コメントは差し控える」としている。ここでは毎日の記事を掲げておくが、要は仕事優先で個人に裁量なんて無いということで、結果、死んでもすべてが自己責任とされている。

IT社員過労死 残業月87時間超 裁量労働制適用(毎日新聞 2018年5月16日)
https://mainichi.jp/articles/20180517/k00/00m/040/092000c
<写真>裁量労働制で働き過労死した男性は、ツイッターに悲痛な声を残していた
 東京のIT会社で裁量労働制で働いていた男性会社員(当時28歳)が昨年、くも膜下出血で死亡し、池袋労働基準監督署が今年4月に過労死として労災認定していた。遺族代理人の川人博弁護士が16日、記者会見して明らかにした。労基署は亡くなる直前の2カ月間で、過労死ラインとされる月80時間を超え、月平均87時間45分の残業があったと認定。また、裁量労働制が適用される前には最長で月184時間の残業があったとした。
 川人弁護士によると、勤務先は東京都豊島区の「レックアイ」。男性は不動産会社向けのシステム開発を担当していた。昨年7月、リーダーに昇格した際に専門業務型の裁量労働制が適用された。みなし労働時間は1日8時間だった。
 男性は裁量労働制が適用される前から、長時間労働が常態化していたが、適用直後の7月上旬には納期に追われ、徹夜を含む連続36時間の勤務もあった。同月下旬には家族に「頭が痛い」と訴えた。翌8月の中旬に都内の自宅アパートで倒れているのが見つかり、死亡が確認された。両親は10月に労災申請した。
 男性は昨年6月から7月にかけて、ツイッターに「仕事終わるまであと22時間」「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」などと投稿している。
 川人弁護士は「男性の過重労働は裁量労働制の適用前からだが、適用直後には徹夜勤務があるなど、裁量労働制が過労死に悪影響を及ぼした可能性は高い」と指摘した。
 男性の母(58)は「今後、息子と同じような犠牲者が出ないように会社に求めます。若いときは二度とないから、休日もきっちりとれて、リフレッシュできる時間を若い人につくってあげてください」とコメントした。
 同社は取材に「詳細を把握していないため、コメントできない」としている。
◆過労死した男性がツイッターにつづった文
<2017年6月>
【24日午前1時46分】 やっと家ついたー。この安心感よ。今月も華麗に300時間やー。ねむすぎ。
【26日午後10時29分】身体の疲れ方が尋常じゃない
<7月>
【4日午後0時24分】ねむい。13時から翌日の18時までってなんなん。
【4日午後8時20分】仕事終わるまであと22時間
【5日午前6時32分】外明るいと思ったらもう6時かよ。アーメン。
【6日午前1時20分】うおー!やっとしごとおわったぁー!!社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな。
【ことば】裁量労働制
 実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた「みなし労働時間」を基に残業代込みの賃金を支払う制度。仕事の進め方や時間配分を自分で決められる労働者に限り適用できる。弁護士やシステムエンジニアなど専門性の高い業務をする労働者が対象の「専門業務型」と、企業の中枢で企画立案などをする労働者が対象の「企画業務型」の2種類がある。政府は働き方改革関連法案で営業職の一部などへの対象拡大を目指したが、厚生労働省の異常データ問題の影響で法案から裁量労働制に関する部分を削除した。


多くの方が強行採決の危険性を訴え、SNSなどで強く発信している。もちろん国会でも山井議員などが「この高プロ、なぜ私たちが過労死が増える、人が亡くなる法案だと恐れているかというと、過重な業務をブレーキをかける、ブレーキがないんですね。この健康管理時間、例えば月に200時間でも違法ではないんですか」などと追及している。しかし連合は「働き方改革が必要」とのスタンスで法成立を優先している(ように見える)。新たな法案でこれが防げるのか。昨日も遺族の方が厳しくく声を上げたが、聞いていたのだろうか。

「高プロ制」に過労死遺族が猛反対「死んでも自己責任扱い」「当事者の声を聞いて」(弁護士ドットコム 2018/5/16)
https://www.bengo4.com/c_5/n_7891/
 衆議院で来週にも採決の可能性がある「働き方改革関連法案」。このうち、少なくとも「高度プロフェッショナル制度(高プロ制)」については過労死を増やすため、法案から削除すべきだとして、過労死遺族らが5月16日、厚労省記者クラブで会見を開いた。
 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は、「過労死遺族は、裁判の中で大変な苦労をして、地獄のような苦しみを味わってきた。こうした悲しみ、苦しみを誰にも味わわせたくない」と語った。
●労災認定や使用者の責任を問うのが困難になる恐れ
 高プロ制は、金融ディーラーやアナリストなど、年収1075万円以上の専門職を、労働時間規制から外すもの。野党や労働者側は「スーパー裁量労働制」や「過労死促進法」などと非難している。
 批判が多い「裁量労働制」の場合でも、労働者には仕事の進め方についての裁量があるとされる。また、深夜や休日の割増があることから、使用者側にも労働時間を把握する必要性が生じる。
 一方、高プロ制では、労働者の裁量は要件とされていない。加えて、割増がつかないことなどから、企業側の労働時間管理がより杜撰になることが考えられる。
 「事業場内にいた時間」と「事業場外での労働時間」を足した「健康管理時間」の把握は求められるものの、労災認定は実労働時間がベースになるため、認定や使用者の責任を問うことが難しくなることが懸念されている。
●遺族「死人が増えても過労死は減る」
 家族の会は、2015年に「労働基準法改正案」が閣議決定されてから、終始「高プロ制」などに反対の立場をとっている。
 会見で寺西代表は、「再三、反対しているのに、来週にも強行採決されようとしている」と、遺族の思いが届かない苦悩を吐露。「当事者の声を聞いて、これ以上、悲しい遺族を作らないでください」と訴えかけた。この日、安倍晋三首相に宛てて、家族の会として面談の希望も出したという。
 このほか、2013年に過労死したNHK記者の佐戸未和さんの母・恵美子さんは、「死人が増えても(統計上の)過労死は減るという事態が起こります。死んでも自己責任で片付けられる。本人も無念ですが、苦しむのは残された遺族です」と語った。
 法案では、「平均給与額の3倍を相当程度上回る」年収(1075万円)が対象とされており、影響は限定的という意見もある。この点について佐戸さんは、「労働者派遣法が施行後、ほぼ全職種に広がったように、(高プロ制でも)対象年収や職種が拡大される恐れがある」と述べた。

働き方改革「時間でなく成果」はやはり虚偽だった(渡辺輝人弁護士 2018.5.16)
https://news.yahoo.co.jp/byline/watanabeteruhito/20180516-00085290/
 働き方改革関連法案がすでに審議入りしており、世論の注目も集まってきました。この法案については、すでに様々な問題点が指摘されており、特に「高度プロフェッショナル制度」(年収1075万円以上、対象職種限定、年間104日の休日保障などの要件で労基法の労働時間規制が適用除外される制度。高プロ制。)について「過労死促進法」「定額使い放題法案」などの異名が定着しています。今年に入ってからは、政府が調査導入の是非を検討した際の基礎データが改ざんされていた問題も浮上し、政府は法案中の裁量労働制の拡大について撤回せざるを得なくなりました。
 2007年の第一次安倍政権の時、現在の高プロ制の原型となった法案が「残業代ゼロ法案」と批判されて廃案になったことを意識してか、政府は、この高プロ制について「時間ではなく成果で評価される働き方の下、高度な専門能力を有する労働者が、その意欲や能力を十分に発揮できるようにしていくことなどが求められており、健康確保措置を前提に、こうした働き方に対応した選択肢を増やしていくことも課題となっている。」などとしており、この「時間でなく成果」が政策の宣伝文句となっていました。新聞紙でも、読売新聞、日経新聞は、いまだに「脱時間給」という世論を誤導しかねない誤ったキーワードを使い続けています。
◆労基法は「時間ではなく成果」もOKしている
 この「時間ではなく成果」という点ですが、もともと、労働基準法は週40時間、一日8時間の法定労働時間制の範囲であれば、どのような賃金制度を契約しても、それは労使自治の問題である、という考え方をしています(ただし最低賃金法の規制はあります)。成果があがった労働者の賃金を高くすることも、成果をボーナス査定することも、何ら禁止されていないのです。
 そうすると、この「時間ではなく成果」「脱時間給」というキーワードは、法定労働時間制を超えた労働や、法定休日の労働に対して、そもそも禁止する規制や、可とされる場合でも割増賃金の支払を強制する労基法の規制に対するものと考えられます。確かに、直近のところでも、医師について残業代込み込み(基本給等と判別不能)の状態で年俸1700万円とする契約はダメですよ、という最高裁判決が出されました(最二判平成29年7月7日 医療法人社団康心会事件)。
 しかし、そうだとすると高プロ制の「時間ではなく成果」「脱時間給」というフレーズは「残業代ゼロ」を言い換えただけ、ということにもなります。このように労働時間規制を取り払うだけでは、まさに「過労死促進法」となってしまいます。
◆「成果」ではなく「脱時間」ですらない
 では、現在の法定労働時間制の内側で現行制度と高プロ制を比較した場合はどうでしょうか(念のため言うと高プロにはこのような労働時間の枠組みはありません)。高度プロ制には、「時間ではなく成果」という場合の「成果」の測定方法について何ら規定がないことが、従前から指摘されていました。そして、今国会での政府答弁では、さらに法定労働時間制の内側についても「脱時間」ですらないことが明らかになってきました。
○小池晃君 あのね、同意がある、同意があるといったって、上司から言われたら拒否なんかできないんですよ。今、本当に、部屋に閉じ込められて、もう、やれ、やれ、やれ、やれと迫られると。そういう、笑っている場合じゃないよ、菅さん。それが現場の実態ですよ。全く分かっていない、実態が。
 それから、年収要件が1075万円でごく一部だと言うけれども、日本経団連の榊原……(発言する者あり)うるさいな、ちょっと、自民党席、うるさ過ぎます。日本経団連の榊原会長はこの年収要件の緩和を繰り返し求めていました。
 2015年4月の経営者の会合で当時の塩崎厚生労働大臣はこう言っています。経団連が早速1075万円を下げるんだと言ったものだから、あれでまた質問がむちゃくちゃ来ましたよ、ですから、皆さんそれはぐっと我慢していただいてですね、取りあえず通すことだといって合意をしてくれると大変有り難いと思っていますと。私はこの直後の国会の質問でこれ聞いたら、塩崎さんは、そこはぐっと我慢してくださいねと言っているだけで、私はストレートに言えば、そういうことを言うのはやめてくれということですよと。財界には、年収要件緩和は黙っておいてくださいと、とにかく法案通させてくださいと。
 大臣、前の大臣の発言ではあるけど、こんなことでは年収要件なんというのはアリの一穴でどんどん広がるんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の法律要綱では、高度プロフェッショナル制度の対象となる方の賃金額の要件を、労働契約により使用者から支払われると見込まれる年間の賃金の額が平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準、こういうことを法定するということになっております。大体それがどのくらいかということで1075万という数字は出ておりますが、それはこれから決めていくことになりますが、この考え方は法律を改正しない限り変えることができないわけであります。<出典:2018年3月2日 参議院予算委員会議事録>
 太字を付した部分ですが、加藤厚労大臣は、高プロ制の導入要件である年収1075万円について「労働契約により」「見込まれる額」としたのです。これは大変なことです。
 現在、日本のサラリーマンで主流の賃金制度は月給制ですが、実際には欠勤控除がされる場合が多いです。例えば、労働者が業務外で負傷して休業した場合、その分賃金が差し引かれます。高プロ制との関係でこの点を検討するために、例えば、労働契約上、年収1200万円(月給75万円、ボーナスは年2回で半年間の勤務実績90%以上の場合に翌月にボーナスを月給2ヶ月分の150万円支給)の賃金額で制度を導入している場合を考えます。この事例で病気やケガによる欠勤の場合の欠勤控除額を、900万円=(365日−104日)×約3万4482万円という計算式から約3万4482円とし、一日欠勤するごとに同額の賃金を控除することも、上記の加藤大臣の答弁を前提にすれば何の問題もないことになります。
 さらに、この労働者が病気で1年の前半6ヶ月欠勤して、年収が約450万円(ボーナスは2期連続要件を満たさず不支給で75万円×6ヶ月のみ支給)になっても、労働契約上の見込額はもともと1200万円なので、高プロ制を導入し続けることに問題はないことになってしまいます。この場合、後半の6ヶ月に過労死ラインを超える猛烈な長時間労働をして、大きな成果をあげても、年収は450万円ポッキリでOKということになります。なお、この場合、病休で受給できる傷病手当金を計算しても300万円程度であり、合計しても約750万円になります。
◆まとめ
 結局、この制度は、場合によっては実際の年収がかなり低くても導入可能な上、欠勤控除が可能であるのなら、法定労働時間制の内側ですら「時間ではなく成果」が全く関係ないことになります。欠勤控除は、労働時間と賃金を連動させる考え方の典型だからです。
 また、日本では、大企業を退職すると賃金額が激減するのが一般的なので「そんなひどい会社なら辞めればいいじゃないか」という意見もあまり的を得てないと思われます。
 さらに、上記の国会の質疑でも言われているように、1075万円の年収要件は、導入後に下げられる可能性があります。塩崎前厚労大臣は、財界向けのセミナーで「ぐっと我慢していただいて、とりあえず通すということだ」と語っています。日本経団連は、年収400万円以上の場合に導入する、という政策を持っています。
 このような制度を導入する危険性は、何度でも指摘する必要がありますが、政府が掲げる「時間ではなく成果」という看板が、全くの虚偽であることがますます明らかになってきていることは、重要だと思います。

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