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zoom RSS 消費税引き上げは民主党の「公約違反」なのに

<<   作成日時 : 2011/07/03 07:47   >>

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「消費税増税」について、ここまで各新聞の主張がバラバラになってくると実に面白い。日経は「不十分」と怒りを露わにし、政府に抗議している。朝日・読売は「こんなもの」との対応か…。個人的には、最後に紹介してある「琉球新聞社説」が、実にうなづける。とにかく、誰が、どのようにして、この「シナリオ」をつくったのだろう。どうしても理解できない疑問点が多すぎる。例えば…

「社会保障と税の一体改革」の政府与党案で、焦点の消費税について、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」ことが盛り込まれたが、閣議報告での了承にとどまり、「閣議決定」はされなかった。そして「経済状況の好転」を増税実施の「条件」とすることが盛り込まれた。「経済状況が好転」しなければ、消費税増税はしないのであれば、今後、経済状況が「好転」するはずはなく、したがって財務省のもくろんだ消費税アップはできない…。「琉球新報」は、民主党の公約違反を強調するが、誰もそれにはふれないのも理由がわからない。もしかすると、「解散・総選挙」を視野に入れ、自民・公明・民主とも「消費税アップ」を前提として態勢を組み、既成事実化させることなのか。すでに昨日、民主党・岡田幹事長は、こう述べたという。

>「消費税率10%、年内に法案化」 岡田幹事長(毎日新聞 7月2日)
 民主党の岡田克也幹事長は2日午前、テレビ東京の報道番組の収録で、10年代半ばまでの消費税率10%を明記した税と社会保障の一体改革の政府・与党案に関し「今年中に法案化して、国会できちんと議論したい。自民党も10%を(昨年の)参院選で言っているので溝はない」と述べ、速やかな与野党協議入りの必要性を強調した。


しかし、もし「経済状況の好転」が、消費税アップの前提であるならば、それはそれで当然だろう。この「未曽有の災害」によって日本経済が戦後最大の危機に直面しており、増税よりも先に経済を立て直し、被災地の復興が優先されるべきだし、消費税アップの前に、やるべき歳出削減をはじめ、財務省などによる驚くべき利権構造へのメスを入れ、企業の巨額な内部留保、90兆円にものぼる外貨準備金等々、手をつけるべきものは山ほどある。それらを着実に実施し、その結果「経済状況が好転」したならば、もはや、斉藤貴夫さんをはじめ多くの識者が明らかにしているとおり、日本における「消費税」という、悪しきカラクリの増税は必要なくなる。

例えば以前にも紹介したことがある東京新聞のコラム「筆洗」は昨年9/6にこう記した。「国の税金のうち、最も滞納額が多いのは何税か、ご存じだろうか。答えは消費税。2009年度に新たに発生した国税の滞納額7,478億円のうち、消費税はほぼ半分に当たる3,742億円だ▼前年よりは約9%減ったが、新たに滞納される国の税金のうち、消費税が占める割合は1990年代後半から4割を超えている。その背景に、価格に消費税を転嫁できず自己負担せざるを得ない中小・零細事業者の存在があるという▼ジャーナリストの斎藤貴男さんは、自著『消費税のカラクリ』で「消費税という税制の大本に無理がある」と指摘、税率をさらに上げれば、小さな自営業者は倒れ、社会は大混乱に陥ると警鐘を鳴らしている。」

また、同じく昨年8/23の琉球新報社説では「消費税の税収累計は224兆円に上る。この間、法人税は相次いで減税となり、減収額は累計208兆円に達する。消費税のほぼ全額が法人税減税の穴埋めに回ったのだ。」と指摘した。(なお、いずれも村野瀬玲奈さんのブログ「秘書課広報室」ブログから借用した。感謝!) とにかく「消費税の真実」を、さらに明らかにしなければならない。では、琉球新報社説を紹介。

>高齢化率上昇 国民を疲弊させて改革か(琉球新報社説 2011年7月1日)
 政府・与党は、経済状況の好転を条件に消費税を2010年代半ばまでに段階的に10%に引き上げる方針を決めた。社会保障と税の一体改革の原案では「2015年度までに10%へ段階的引き上げ」となっていた。党内の根強い反対論に配慮し修正した。
 民主党は09年衆院選で消費増税を4年間は行わないとしており、増税方針は政権公約違反だ。大幅増税路線への政策転換は、いずれ選挙で国民に信を問わねばならない。
 「歴史的な決定だ」と自賛する菅首相に、違和感を禁じ得ない。
 一体改革案は、優先課題として(1)子ども・子育て支援、若者対策(2)医療・介護等のサービス改革(3)年金改革(4)「貧困・格差対策」「低所得者対策」―を掲げる。
 社会保障制度を国民のニーズ、時代の要請に適合する形で見直すのは必要なことで否定はしない。だからと言って、財源を直ちに消費増税に求めるのは短絡的だ。
 増税はあらゆる手を尽くした末の最終手段だ。徹底した歳出改革もなしに増税に頼るのは論外だ。
 民主党が鳴り物入りで始めた事業仕分けは切り込みが不十分だ。日本経済や国民生活の疲弊をよそに、米軍への「思いやり予算」を端から聖域視した点などは象徴的な例だ。省庁や官僚の「利権の温床」と言われる特別会計への切り込みも中途半端なまま。歳出改革を徹底したとは到底言えない。
 菅政権は今回「将来世代への付け回しをするのは政権党の体をなさない」「先送りすれば国債価格が下落する」と半ば脅し文句で反対論を押し切った。これを見過ごすほど国民の目は節穴ではない。
 この十数年の経済政策のありようから、消費増税が景気減速を招き、企業経営の破綻、リストラ、失業、生活の困窮、進学・就職難、無保険世帯の増加、うつ病や自殺など「負の連鎖」の引き金とならないか懸念される。
 「負の連鎖」を防止するセーフティーネットなどを一顧だにしない政策決定の在り方は、国民を置き去りにし暴走以外の何ものでもない。
 一体改革が社会保障の立て直しに成功する保証はどこにもない。国民が増税に耐えられず困窮する危険性もあるだろう。国民不在の意思決定は非民主的で時代錯誤も甚だしい。長い目で政治の安定を考えるなら遠回りでも決定を凍結し議論を仕切り直した方がよい。


同じく、昨日の沖縄タイムス社説は、最後の部分で以下のように記した。逆に、なぜ沖縄の新聞はきちんと正論を書けるのに、本土のマスコミは堕落しているのか、と思う。そして…「歴史的な決定だ」と自賛した菅首相に、絶望感を抱く。

>毎年1兆円のペースで社会保障給付費は上がる。25年度に消費税を20%に引き上げる必要があるとの試算がある。昨年実施した国勢調査の抽出速報によると、人口のほぼ4人に1人が65歳以上で、現役世代3人が高齢者1人の年金や医療、介護費用を負担する「騎馬戦型」の構造だ。55年には1対1の「肩車型」の時代が到来する。これでは背負えない。
 改革案は、若年層向けの支援を拡大した。非正規労働者の厚生年金と健康保険の加入を推進。子育て世代を支援する待機児童の解消を図るとした。高齢者への対策に比べ若年者への対応が手薄とされていたためだ。世代間の公平を重視したことは評価される。しかし企業は非正規の制度加入を負担しきれるだろうか。
 将来の制度維持が危惧される年金、医療、介護制度など根幹部分の強化策は示されなかった。
 片山善博総務相は「(最終案決定の難航は)党内論議もないまま一部の官僚主導で根回ししたツケが回った」と指摘した。民主党が無駄の温床と批判した官僚主導のペースにはまった経緯が透けて見える。改革案の検討は消費税増税論者の与謝野馨財政担当相が仕切った。「熟議」はあったのか疑問が残る。
 この国の仕組みに変革をもたらすという気迫が政治から伝わらない。社会保障の補強が不可避なことを知りつつも負担増を納得できない理由はそこにある。(沖縄タイムス社説 2011年7月2日)



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